プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

APN Ambassadorとして参加したre:Inventの感想

 2019年12月にラスベガスで開催されたre:Inventに参加していました。2015年、2016年、2018年に続いて4回目です。そしていつもとの違いとしては、Ambassadorとしての参加だったということです。この辺りの感想を残してみます。帰国後すぐに書いてたのですが、下書きに埋もれてたのでサルベージです。エモい話系です

アンバサダーとは?

 知らない人も多いと思うので、APN Ambassadorの制度の紹介を最初にしておきます。AWSさん曰く、アンバサダーは
『APN Ambassadorは、世界中のAPN Consulting Partnerから卓越した技術力を持ち、社外への情報発信(セミナーでの発信、Blogや書籍での発信)をしているメンバーが選出されます。』とのことです。私の場合は、会社内でもAWS関係のビジネスの責任者でもありますし、書籍出版などもしておりますので、その辺りが評価されたのかなと思っています。

 選ばれた経緯等は下記のエントリーで紹介しているので、興味がある方は読んでください。
blog.takuros.net

アンバサダー特典

 アンバサダー特典については、どこまでが守秘義務の範囲か定かではないので詳細は書きません。が、主たるものとしては、自分を含めた所属する組織が、よりAWSを学べるように優先的に機会を与えられるといったものと理解しています。もう少しだけ具体的に話すと、AWSのそれぞれの担当者とディスカッションの機会が増えます。そこで要望等をダイレクトに伝えられるようになります。
 それ以外に外形的なものとしては、re:Inventのキーノートでアンバサダー向けの予約席があったりします。朝早く起きなくても、前の席に座れるので楽ちんです。

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アンバサダーは特典を与えるものではない

 上記がアンバサダーの特典なのですが、前回のre:Inventに参加して、特典を与えられることに満足していては勿体無いということに気が付きました。アンバサダーであれば、何かアクションをする機会を格段に得やすくなります。先述のAWSとの打ち合わせの機会もそうですが、外部への登壇等も同じです。アンバサダーという箔があるので、外部との調整が格段にしやすくなります。○○という施策(イベント・ミーティング・その他)が必要なので、やってみませんかという調整がしやすくなります。それこそ当社比100%程。
 せっかくアンバサダーになったので、それを使ってアグレッシブに活動しないと勿体無いということですね。

今後の活動

 AWSのアンバサダー担当の相澤さんからは、常に「Go Globalの精神で、世界に進出していってください」と言われています。前回のre:Inventでその言葉が意味することを、少し垣間見れたような気がします。やらなきゃなという気持ちになったので、あとは自分の得意とすることでGo Globalします。

AWSのアカウントセキュリティ

 いま技術書典8に向けてAWSのアカウントセキュリティをテーマに執筆中です。(進捗1%)
執筆の元ネタと告知を兼ねて、私がAWSのセキュリティをどう捉えているか紹介します。

AWSのセキュリティの3要素

AWSのセキュリティをざっくり分類してと、次の3つで考えるのが良いと思います。

  • AWS上に構築するシステムのセキュリティ
  • AWSアカウント自体の管理(≒IAMの設計・運用)
  • AWSアカウントのガードレール設計

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 AWS上に構築するシステムのセキュリティについては、ネットワークであったりEC2やRDSなどを利用して構築したサーバ・ミドル・アプリなどがあります。マネージドサービスというAWSならではの要素がありますが、基本的な考え方は従来のオンプレと大きく変わらないと思っています。システムとして穴がない状態を、AWSを使ってどうやって実現するのかという問題です。
 次にAWSアカウント自体の管理です。これはほぼIAMの設計・運用に依存する部分が多いです。こちらについては技術書典7で発表した『AWSの薄い本 IAMのマニアックな話』の中心テーマです。ここでは割愛します。
 最後のAWSアカウントのガードレール設計。この言葉だけ読んでもピンとこない人が大半だと思います。IAMの設計はAWSアカウントのセキュリティの大部分を担いますが、運用しているうちに抜け漏れが出てきたり、あるいはカバーしきれない部分があったりします。またAWSアカウントが適切な状態で運用されているのか、或いは危険な状態にあるのか可視化していないと適切な判断ができません。それらの予防・検知するための施策が、ガードレール設計です。

 今書こうとしている本は、この3つ目のAWSアカウントのガードレール設計をメインのテーマとしています。

AWSアカウントセキュリティとマルチアカウント管理

 そもそもこのガードレール設計というのがどこから来ているかというと、AWS Control Towerです。このサービスは、複数アカウント環境をセキュアに設定、管理するためのサービスです。これ使えよという話ではあるのですが、現状では新規のアカウント対象かつマルチアカウント前提という形になります。AWSのアカウントセキュリティは万人が必要だと思うものの、この前提だと敷居が高いのも事実です。ですので、Control Towerの機能の中心にあるガードレールやランディングゾーンを紐解いて、AWSアカウントのセキュリティを保つためには何が必要で、どういう設計・設定をすればよいのかを抽出しようと思います。その考え方を用いて、1アカウントにも適用できるようにパターン化を目指しています。

 一方で、マルチアカウント管理のニーズも高く、どうすればよいのかまとめる必要もあります。分量も多くなることもあり、かつ私のリソースも足りないので技術書典8ではすっぱり諦めます。その次のテーマとして必ず書きたい内容なので、(当選するか解らないですが)技術書典9で出すことにします。当選しなくても、とにかく書いて頒布します。今年は3回も技術書典があることですし。ということで、IAMから始まるAWSのセキュリティ3部作という形でまとめる予定です。


ガードレール設計って何?

 ここまで読んでいる人は、じゃぁガードレール設計って具体的になりするのと思っていると思います。今、必要と考えているのは、大まかにいうと下記の事項です。

  • 操作履歴の記録・通知
  • 定点・イベント発生時にAWSの状態を記録し、違反がないかのチェック
  • 脅威の検出・通知
  • 上記アラートの一元管理
  • コスト最適化

 これをAWSのサービスに当てはめると、それぞれCloudTrail, Config, GuardDuty, SecurityHub, Trusted Advisorになります。じゃぁそのサービスを入れればいいじゃんとなりがちですが、そもそもの導入の目的を整理しておかないと実際はせっかくの機能も有効活用できていないとなりがちになります。そこを整理した上で、具体的な設定までのガイド的な本になれればと願っています。

まとめ

 構想はあれど、筆が進んでいないです。神頼みをやめて、愚直にやっていくこととします。これ以外にも、全く別の商業誌も執筆中だったりします。何とかなる?

booth.pm

私の投資遍歴

 何で経済学部に入ったのと聞かれると、経済を学んだらお金儲けできるかなと思ったからと答える私です。それくらいにはお金が好きなので、社会人始まったらすぐに投資を始めました。2000年入社なので、かれこれ20年の投資履歴です。その振り返りの意味も含めてまとめてみます。もちろん、これを読んでも儲かりません。

一番最初の投資 2000年〜2005年 株式投資と持株会と財形貯蓄

 とりあえず会社に入って始めたのが、持株会と財形貯蓄あとは株式投資です。持株会については、基本的にずっと買える上限額をずっと買い続けています。財形貯蓄については、入社後しばらくは昇給分をそのまま財形貯蓄に上乗せするようにしてました。本多 静六さんの『私の財産告白』の「月給4分の1天引き貯金」みたいな感じです。Kindleで376円なので、お勧めです。

私の財産告白

私の財産告白

  • 作者:本多 静六
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Kindle版

 それ以外にやってたのが株式投資。2000年当初はオンライントレードの勃興期で、一回の取引の手数料が売り・買いそれぞれ1,000〜2,000円くらいしたような気がします。まぁそれでも売買を繰り返しているうちに少しづつ儲かって、数ヶ月に1度大きく下がってという繰り返しだったと思います。細かい収支は覚えていないですが、トータルでは少しマイナスだったんじゃないかなという感じです。その後、株取引に対して会社の方で都度申請が必要になったので、長期保有したい株以外は殆ど持たずという状況に。

2005年〜2007年 ライブドアショックでインデックス投資派に

 この時期、海外で働いていたこともあり基本的に株はしていなかったものの、なぜか現地の投資勉強会(日本人オンリー)に参加してました。不思議と米国株とかやらなかったけど何でか覚えていないです。たぶん手続きがややこしかったから。そんなおりにライブドアショックを横目で見ていて、基本的には個別株をやめようと決意して、それ以来インデックス投資派に転向。(完全にはやめていない)

2007年〜現在 リーマンショックでのダメージは?

 自社株以外の金融資産の殆どを全世界の株式・債権のバランス・インデックスファンドに振っている時に、リーマンショックに遭遇しました。当然の話ではあるのですが、全世界に配分しようがブラック・スワン的なショックには耐えられないということを実感できました。しかし、生活にこまる訳ではないので、そのまま放置してたら自然と回復してきたので、投資には余裕資金でやるべきだと実感しました。あとこのタイミングくらいで財形をやめました。
 一方で刺激が欲しくてFXやCFDを試してみた時期もあります。株式市場と違ってFXの市場は基本的に24時間開いています。ポジション持っていたら気になって眠れなくなるので、これは止めるべきだと悟り引退。たまにロスカットの設定し忘れてた時もあって、トータルで100万近く損をしてたと思います。
 

現在

 アクティブな活動は何もやっていません。刺激担当として、外国株式のインベスコ QQQのファンドを定期積み上げで購入しています。これはNASDAQに連動するファンドでアップルやAmazon、Google、Facebookなどが過半を占めています。

つみたてNISA ニッセイ外国株式インデックスファンドに限度額まで
確定拠出年金 マイバランスDC50・野村
外国株式 インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET

寝かせている現金が結構積み上がってきているので、そちらも定期的にインデックスファンドに振り替えないとなぁと思いつつ忘れがちです。

結果

 トータルでみてみると投資で結構な利益が出ています。損失の殆どがアクティブに売り買いした活動の成果で、利益の大半が持ち株やインデックスファンドです。ということで、自分には株の才能はないと割り切って、市場に任せるようにしています。そして、自分は収入を増やすためにリソースを振り分けるようにしています。

ワインと価格の話

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 久々のワインネタです。私は見たことがないのですが、芸能人格付けチェックで高級ワインと数千円のワインの飲み比べというのがあるということなので、いい機会なのでワインと価格の話をしてみます。なお偉そうに語りますが、ブラインドテイスティングなんかやったら確実に外すので、その辺割り引いて読んでください。
 ワインを飲んでみたいとなった時に、最初につまづくのがどのワインを選べばよいのかという点です。一般的にはブドウの品種が解るとおおよその味の方向性は解ります。一方で品種は無数にある(ように思える)ので、品種から覚えろというのは敷居が高いです。そこで、まず価格テーブルを知るというところから始めるというのもありです。ということで、ワインと価格の話です。

レストランでの販売価格

 まず大前提として知っておいて欲しいのが、酒屋やワインショップ(以下、ショップ)で売っている販売価格と、レストランでの販売価格の差。ショップとレストランでの価格差は3〜6倍くらいが一般的です。つまりレストランでボトル3,000円のワインは、酒屋で1,000円かそれ以下です。この法則に当てはめると、レストランで1万円のワインは超高級ワインではないということです。せいぜい3,000円〜4,000円のワインなので、期待値は下げておくことが重要です。ショップで買う1万円のワインはかなり良いクラスですが、レストランだとそんなにレベルが高いものではないということですね。でも、料理と上手く合わせると何倍も美味しくなるのがワインです。その効果を期待して楽しみましょう。
 なお価格倍率は、高いワインほどは低くなります。ショップで1万円のワインがレストランで6万円というケースは少ないです。また、レストランがボッタクリ価格かというとそういう訳ではないと思います。それを保管に掛かるコストや一定確率で発生するブショネ(劣化したワイン)の代替、サーブする人の人件費等を考えたらそれくらい必要になるのでしょう。

ボトルとグラスの関係

 次にボトルとグラスの関係です。通常のサイズのボトルは750mlです。そして普通につぐとグラス6杯分くらい入れられます。ということで、次の式のような感じになります。
1ボトル(750ml) ≒ グラス6杯(125ml)

 ちなみに6杯というのは標準的・良心的に入れていたケースです。ちょっと少なめにして7杯、かなりケチっていれると8杯という感じです。じゃぁグラスに単純に6倍するとボトルの料金になるかというとそれも違います。ワインは開けると急速に劣化が進みます。数日経つと店で出すには不適合となるので、廃棄することになります。そのリスクを考えて、グラスワインは多少高めの価格設定になります。だいたいグラスワイン価格を3〜6倍するとボトルを頼める値段になります。ということで、多人数で飲む時はボトルで頼んだ方がお得です。

ワインの持ち込み料

 ちなみにレストランでワインを飲む時の、もう一つのオプションとして自分のワインの持ち込みという選択肢があります。1本あたり幾らという設定で、持ち込んで飲めます。記念のワインを飲む時に、素敵なレストランの食事と合わせるという選択肢にもなりますね。それ以外にお勧めが、ワインショップと提携しているレストランでの持ち込み。商業施設に入っているそれなりの規模のワインショップだと、実はこれ意外に多いです。その場合、持ち込み料も安いことが多いのでお勧めです。提携の場合でもだいたい持ち込み料が1本千円くらいはしますが、結果的にはリーズナブルというケースが多いので選択肢の一つとしてありなのではないでしょうか。

価格と質の関係

 最後に価格と質の関係です。これが一番むずかしいですが、独断と偏見でグループ分けして、次のような感じで考えてみます。

1,500円未満、1,500〜3,000円、3,000〜5,000円、5,000円以上

 慣れてくると、飲んでだいたいの価格帯が解るようになってきます。
始めのうちは、1,500円未満で飲んでいて、たまに次のグループを飲むと良いでしょう。段々それ以上のグループの違いが解ってくるようになります。舌が慣れてくるまで、例えば3,000〜5,000円のワインと5,000円以上のワインの味の違いなど殆ど解らないと思います。つまり最初から高いワイン飲んでも満足感は殆どないので、価格の低いグループを飲み比べていくほうが満足度的には高くなるでしょう。ただし、値段が高いワインと自分の好みも全く別次元の問題です。
 またこの価格グループは、産地によっても違います。フランスワインのボルドー・ブルゴーニュについては少し高めなので、1,000円台で美味しいのに巡り合えることは少ないです。比較するのであれば、国別・地域別で細分化するといいのですが、最初はざっくりとした把握で良いと思います。

まとめ

 ということで、強引にまとめると次のようになります。

  • レストランの1万円のワインは高級ワインじゃないので期待値を高くしすぎるな。
  • でも、料理と上手く合わせると何倍も大きくなるのもワイン。レストランはそこを楽しむところ
  • グラスワインよりボトルワインの方がお得。複数人でいってボトル楽しむと良い
  • 上級編としての持ち込みワイン
  • 値段別にグループを設定して、違いが解るようにしていく

 その昔ワインの話を書いたら、本業であるはずのIT系の何十倍ものアクセスがあって、拗ねて書くのをやめておりましたが(嘘)、また継続してぼちぼち書いていきたいと思います。ワインとか嗜好性の高いものについてはツッコミどころが幾らでもあるので、ぜひご自由に突っ込んでください。

www.v-yamazaki.com

やりたい事を書き出すことの効果

 正月なので、エモいっというか自己啓発っぽい役に立たない話を書いてみます。若かりし時に読んだGMOの熊谷さんの『一冊の手帳で夢は必ずかなう』の影響もあり、やりたい事とか目標は必ず書き出すようにしています。この本自体は、タイトルだけ読めば充分だったのですが、何となくやりたい事を書き出す習慣が身についたので、自分にとっては重要な一冊なのでしょう。繰り返しになりますが、読後の感想としてはタイトルだけば充分という感想しか頭に残っていません。

一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法

一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法

  • 作者:熊谷正寿
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2019/02/04
  • メディア: Kindle版

書き出す場所

 小さい頃にインディー・ジョーンズの手帳に憧れて、長らく手帳にこだわっていました。行き着いた先はアシュフォードの手帳ですが、最近はさすがに使わなくなっています。

www.ashford-style.com

 もっぱらGoogleのスプレッドシートとドキュメントです。PCでもスマホでも、どこからでも使えるのがポイントです。あとスプレッドシートはWebサイトから自動的にデータを取ってくることも可能です。付随する情報を参照として出すこともできるので、中々お勧めです。
※ExcelとGoogleのスプレッドシートでデータを集めることに特化した次のような本もありますよ。(ステマ)

データを集める技術 最速で作るスクレイピング&クローラー (Informatics&IDEA)

データを集める技術 最速で作るスクレイピング&クローラー (Informatics&IDEA)

  • 作者:佐々木 拓郎
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2016/11/29
  • メディア: 単行本

 ちなみにパブリックに出して良い内容は、ブログに書くようにしています。後で時系列で見返すにはいい媒体です。

書き出す内容

書き出す内容は、正直何でも良いと思います。私が継続的に書いているのは、次のようなものがあります。

  • 年齢ごとの目標の年収(給与所得・その他の所得)
  • 資産の推移と目標額
  • 書きたい本
  • 身につけたい技能・目標
  • すぐ忘れる事

書く事というより、書いている途中で考えることが重要なので何でも良いのです。あと、見返してこの時はこんな事考えていたのだなと振り返れるようになります。

経過を把握すること

 あと重要な点が、定点観測効果です。月に一度など決めて見直すことにより、達成に向けて順調に進んでいるのか、それともスタートラインすら立っていないのか解ります。GitHubの草を生やす効果と同じですね。

まとめ

 ということで、正月らしい自己啓発の話でした。最近、この手の話は殆ど読みませんが、自分のスタイルを確立するまでは、いろいろ探ってみるのも良いのではないでしょうか?

2019年の振り返りと2020年の目標

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
毎年恒例の、昨年の振り返りと今年の目標です。2019年の主な活動は、出版2冊と雑誌寄稿1回、登壇7回です。あと、AWSにアンバサダーに選んでいただきました。

9,10冊目の本の出版


 9冊目の本として、初の資格試験対策本として、『AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト』を出しました。今までの技術書と少し勝手が違うので戸惑いましたが、試験に合格するというよりAWSを学ぶにはという観点でまとめ上げました。半年で1万冊以上、既に5刷目と凄い勢いで売れています。参考書という市場の意外な大きさと、AWSの力強さを実感することができました。

 10冊目の本として、人生初の同人誌である『AWSの薄い本 IAMのマニアックな話』を書きました。技術書典7に参加して、当日450冊、BOOTHで1千冊近く売れていて、今も毎日売れ続けています。この本は同人誌ということで、出版社・編集者の力を借りず、自分の力で企画となります。一人ですることにより、今まで如何にサポートされてきたのか実感できました。執筆だけでなく、編集や出版まで自分でやったという経験は中々得難いものになります。また、物販するのは楽しいですね。これは、別途BOOTHで販売して3ヶ月経過してどうなったのかという形でまとめようと思います。

booth.pm

 それ以外に、企画中・執筆中の本が何冊かあります。また、会社の同僚たちにも執筆する人が増えてきました。『徹底活用 Google アナリティクス』は評判もよく、自分の事のように嬉しいです。他にも執筆中の本があるので、今年も楽しみです。

雑誌寄稿


 2019年は1回、日経クラウドファーストに寄稿しました。Amazon Athena / Redshift Spectrumの特集です。ちょうど1年前の正月に必死に検証しておりました。最近、会社では自分で性能検証まですることが無いので、久々でよい経験でした。紙媒体としての日経クラウドファーストはなくなってしまったので、また別の媒体で書ければいいですね。

tech.nikkeibp.co.jp

登壇



 
 振り返ってみると自分としては意外な程、沢山の登壇機会を頂くことができました。JAWS関係だけでなく、出版つながりでリクルートスタッフィングなど新しい場で登壇でき、少し幅が広がったかなと思います。

www.itstaffing.jp

www.itstaffing.jp

jawsug-bgnr.connpass.com

jawsug-bgnr.connpass.com

jawsug-saitama.doorkeeper.jp

s-jaws.doorkeeper.jp

jawsug-chiba.doorkeeper.jp

2020年は、勉強会以外でも登壇できるように、いろいろ考えて活動していこうと思います。また、登壇関係の方も執筆と同様に、会社の同僚が出てくるようになっているので、活動が広がりを実感しています。

ブログ


 2019年は26本のみでした。2018年は18本だったので少し増えました。ただブログのアクセス数は202,257なので、前年比2017年は286,847ページビューと30%減です。登壇資料を載せただけのブログなど、報告ブログがメインだったのが反省点です。ちゃんと調べた記事やメッセージ性があるものについてはアクセスも来ているので、2020年は原点回帰してブログをちゃんと書いていきます。

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Japan APN Ambassador 2019ならびに2019 APN AWS Top Engineersになった

 2019年の特筆事項としては、Ambassadorになったことです。これはAWSに関する活動を認められて選ばれました。このように対外的な賞を取ったことがなかったので、素直に嬉しいです。一方で折角なって色々な機会が貰えるようになったのに、上手く活用できていないということも感じています。もう一段飛躍するために、アンバサダーという立場を上手く使っていきます。その前に、2020年も選ばれるように残り3ヶ月がんばります。

blog.takuros.net

2019年の目標に対しての採点


 2019年の目標は、これでした。

  • 本を3冊書く ⇒ △ 2冊書いて、他執筆中多数。書く習慣がなくなりつつあるので、ブログでペースを取り戻すことにします。
  • Kindle本を書く ⇒ ○ Kindle本ではないですが、同人誌書いてBOOTHで販売してるので合格とします。商業誌と別に書き続けます。 
  • ブログ ⇒ ☓ 24記事400,000ページビュー目標が、28記事で200,000ページビュー。ブログに執筆がやはり重要と解ったので、2020年はブログ書く習慣を戻します。 
  • 英語ブログ ⇒ ☓ 全く手がつかず。英語は2020年のテーマの一つなので頑張る
  • 資格試験 ⇒ △ スペシャリティのビッグデータと機械学習、あとはクラウドプラクティショナー取りました。2019年中に全部取りたかったので、2020年に実現します
  • ワークバランス ⇒ ○ 平均残業時間10時間未満。ただ家に帰るのが遅いのは何で?
  • 健康 ⇒ △ 平均歩数は達成、睡眠時間と体操は全然だめ。睡眠時間は昼寝を取り入れるとか、何か他の方法を考えるか?
  • 3つ目の分野 ⇒ ○ データ分析基盤について、少し語れるようになってきたと思います。
  • 将棋1級 ⇒ △ 2級止まり。あえて定石勉強せず、打つだけで上達するか試してました。自然と勝率は上がってるので、2020年はちゃんと勉強して一気にレベルアップ目指します。

2020年の目標



  • 本を3冊書く ⇒ 執筆期限が過ぎた大量の受注残を粛々と書いていきます。ご迷惑をおかけしてすいません。
  • Kindle本を書く ⇒ IAM本、夏過ぎくらいにKindle化しようと思います。 
  • ブログ ⇒ 分量少なめのものと大作含めて、どんどん書いていきます。今年こそ40万ビュー 
  • 英語ブログ ⇒ grammarly使って、英語書く練習します。 
  • 資格試験 ⇒ Alexaとネットワーク取って、3月までに11冠目指します。ベータ版のデータベースは見ないふりします。
  • 英語 ⇒ アンバサダーなって英語の必要性が高まりました。勉強方法はどうするかはおいておいて、勉強再開します。とりあえず指標として解りやすいTOEICでも受けてみます。まずは800点かな

まとめ



 いつもの座右の銘を貼って、自分への戒めとしておきます。

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※田舎に貼ってた張り紙です


See Also:
2018年の振り返りと2019年の目標
2017年の振り返りと2018年の目標
2016年の振り返りと2017年の目標
2015年の振り返りと2016年の目標

re:Invent Dr. Werner Vogelsキーノートの感想

Andy Jassyのキーノートに続き、Werner Vogelsのキーノートの発表です。Andyのキーノートは主にビジネス的な観点からAWSの凄いところとか新サービスの発表がされます。これに対してWernerの発表は、技術的な観点でAWSはどうなってるのかの説明です。で、新規のサービス発表は例年ほとんどなく、今年はほぼ全くなかったです。なので、私が印象に残ったトピックスとその感想を語るという形式でまとめてみました。

AWS Nitro System

 日本ではニトロと呼ばれていますが、こちらでは"ナイトロ"です。そこのところ、宜しくおねがいします。
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今年re:InventでNitro関係の説明を受けるまで、NitroってのはXenに取って代わった、AWS独自のハイパーバイザーでec2周りだけのものかと思っていました。しかし、ストレージやネットワークを含む中核的なサービスだったということを初めて理解しました。より理解を深めるために、もう少し調べてみます。
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コンテナの話

 FargateやLambdaの裏側で動いているFirecrackerのアーキテクチャの解説がありました。AWSが継続的に相当の投資をして、進化していっているのが見て取れました。象徴的だったのが、ec2と比べてFargateはいかに負荷に応じてスケールアウトできるかというスライドです。システムをうまく作れば、ほぼリアルタイムにリソースを調整できるようです。

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 これを聞きながら考えたらのは、やはりコンテナファーストを前提に考えないということです。昨日聞いた別のセッションで、初期のAWS移行時の作り方はリフト(そのまま持っていく)が7割でシフト(クラウド最適化)が1割とのことです。ここで言うリフトはRehostの他に、Replatformも含まれています。ReplatformというのはOSのバージョンアップ等を含め多少手を加えてという意味です。もう意識的には、Replatformはコンテナ移行まで含めるくらいの感じでやればいいんじゃないのと思っています。
 あとKubernetes(k8s)使うか問題です。個人的な結論としては、EKSじゃなくて素のECSでいいだろうと考えています。そしてECSはec2じゃなくてFargateベースで。コンテナ自体に可搬性があるので、その下のオーケストレーションツールは、後方互換性が高いものを優先にすれば良いだろうと。AWSは、後方互換性については充分信頼に足ります。システム自体を他のクラウドに移行することは殆どないので、マルチクラウド戦略のためのk8sの優位性より運用の楽さを選んでしまっても良いと考えました。

Physalia

 そして割と唐突に紹介されて何のことか解らなかったのが、Physaliaです。Physaliaは、カツオノエボシです。
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 これは実はEBSの内部的なアーキテクチャの解説でした。EBSは利用者からみたら単なる外部ストレージですが、内部的には分散型のマイクロデータベースとなっているとのことです。投票システムなど数学的なバックグランドをもって設計しているのが垣間見れました。
 今のEBSは、びっくりするぐらい信頼性の高いストレージサービスです。もちろんバックアップ前提で運用する必要がありますが、それを忘れそうになるくらいに。でも、EBSが出た当初は、AWSの大規模障害の殆どがEBSだと言えるくらいに、かなりの頻度で障害が発生していました。当時はEBSは生のハードウェアに近いシステムなので障害発生しやすいものかと思っていましたが、それをここまで持ってきたというのに気が付き、改めてAWSの凄さを再認識しました。
 ちなみに、最初期のec2はEBSがなくエフェメラルストレージのみでした。その話しをすると、どうやって使ってたのですかとびっくりされます。皆さん、想像してみてください。

Amazon Builders' Library

 新規で発表されたのがAmazon Builders' Library。これAWSのサービスという訳ではなく、いわゆるクラウド・デザイン・パターン(CDP)です。いろいろなパターンのサービスを、AWSのサービス等を使ってどのようにシステムを作っていくか丁寧に解説されています。超絶オススメで私もしっかりと読んでいこうと思います。欲を言うならば、もう少し画像多めにしてほしかったw

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 ちなみにCDPの概念、日本のAWS界隈では昔からあります。AWS Japanの創成期のメンバーである玉川さんと片山さん、そしてcloupackのCTOの鈴木さんがNinja Of Three として活動し、ユースケースごとに様々なデザインパターンを作り出してまとめられていました。2012年のre:Inventでも発表されています

www.youtube.com

 そして、『Amazon Web Servicesクラウドデザインパターン設計ガイド』として書籍化されています。これ10年前くらいからの活動なので、日本のエンジニアが10年先をいってたなぁと感慨深いものがありました。

感想

 Werner Vogelsのキーノートを聞くと、アーキテクチャの話だけで数万〜数十万の前で話すの凄いなぁと毎回感心します。ちゃんと聞いているとAWSへの理解が深まり、どういう風に設計すればよいのか解ります。キーノートはもう既にYoutubeで公開されているので、ぜひ見てください。Youtubeの機能で英語の字幕が自動生成されるので、英語の勉強しながら見れますよ

www.youtube.com

See Also:

re:Invent2019 AWSの新サービスの1行所感 Andy Jassyキーノート - プログラマでありたい

IAMのマニアックな話も絶賛発売中です

booth.pm