プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

技術書典17 オフラインに新刊『AWS の薄い本の合本 Vol.01』とともに出展してきました(売上報告)

 2024年11月3日に池袋サンシャインシティで開催された技術書典17 オフライン開催にブース出展してきました。今回は、会社の同僚合計7人と書いた合本を引っ提げての参加です

新刊について

 今回の新刊については、こちらのエントリーで紹介しています。AWSに関係したテーマで、7人が1章づつ合計112ページの合本です。私は、S3を安全に使うをテーマに、10のお約束と題して1ページ1トピックで解説しています。それプラス、前書きとしてのS3の概要説明とまとめで15ページです。このページ数にまとめるのは、正直難しかったです。面白いテーマだと思うので、そのうちS3の薄い本(100ページ)を書きます。

各章のテーマ

 それぞれの章の内容については、執筆者がブログエントリーを書いています。どれも面白いテーマ選定だと自画自賛ですw

第 1 章 S3 を安全に使うための 10 の約束 (執筆: 佐々木拓郎)

tech.nri-net.com

第 2 章 Security Hub を最大限活用するためのポイント (執筆: 大林優斗)

tech.nri-net.com

第 3 章 IAM ベストプラクティスと CDK による効率化ガイド (執筆: 志水 友輔)

tech.nri-net.com

第 4 章 CloudFormation StackSets でマルチアカウント統制 (執筆: 西 内渓太)

tech.nri-net.com

第 5 章 1 コンテナで複数プロセスを起動し正常終了させる (執筆: 浮田博揮)

tech.nri-net.com

第 6 章 マルチステージビルドで学ぶ Docker のイメージ軽量化 (執筆: 小山ちひろ)

tech.nri-net.com

第 7 章 クイズで学ぶ AWS の機能と歴史: 厳選「機械学習」編 (執筆: 小西 秀和)

tech.nri-net.com

当日の売れ行きと考察

 さて、皆さんお待ちかねの売上報告です。今回は事前にちゃんと告知していたこともあり、比較的順調な売れ行きでした。全部で195冊売れて、そのうち117冊は新刊です。ちょうど6割くらいが新刊ですね。共著者たちの今後のモチベーションにつながるので、しっかりと新刊が売れて良かったです。既刊の動きをみると、やっぱりIAMのマニアックな話が強いです。一方で執筆してから5年が経過しているので、そろそろ改訂せねばという状況です。今ある物理本がなくなっても増刷せずに、次は改訂版として新たに作る予定です。物理本の在庫はあと10部くらいなのですが、改訂がいつできるかは悩ましいところです。

時間 IAM本 セキュリティ
データ分析
設計本
昔話 データ分析
性能本
合本
(新刊)
合計
11:00
3冊
5冊
2冊
2冊
1冊
29冊
42冊
12:00
5冊
3冊
6冊
3冊
2冊
24冊
43冊
13:00
6冊
3冊
3冊
2冊
1冊
22冊
37冊
14:00
6冊
4冊
2冊
2冊
0冊
14冊
28冊
15:00
5冊
0冊
1冊
1冊
0冊
21冊
28冊
16:00
3冊
0冊
3冊
3冊
1冊
7冊
17冊
合計
28冊
16冊
16冊
14冊
5冊
117冊
195冊

過去開催回との比較と今後の展開の検討

 過去に出展した回の売れ行きと、技術書典全体の来場者数の推移をまとめてみました。新型コロナ前の最後の物理開催回である技術書典7は、1万人近くに人が来場しています。その後に物理開催を再開した14以降は、入場数の制限もあり2千人超の来場者で安定しています。自分のサークルの場合、雑に計算すると来場者の5%くらいに興味を持たれると言えるようです。これを10%の人が対象になるようなテーマを扱うのか、深耕(同一テーマでバラエティを増やす)するのか、このあたりがサークル主としての思案のしどころですね。

 個人的には、技術書典は自分の中で新しいトレンドを知る場所と位置づけています。今まで長いあいだAWS関連の本を書いてきましたが、そろそろ新機軸を打ち出してもいいのかもですね。AWSについては合本で出しつつ、自分の単著は新テーマに挑戦するという選択肢ができたのが、今回の技術書典の収穫でした。

時間 技術書典7 技術書典14 技術書典15 技術書典17
11:00
151冊
43冊
24冊
42冊
12:00
94冊
37冊
23冊
43冊
13:00
82冊
48冊
30冊
37冊
14:00
43冊
25冊
49冊
28冊
15:00
45冊
22冊
26冊
28冊
16:00
36冊
11冊
4冊
17冊
合計
451冊
186冊
156冊
195冊
来場者数
9,700人
2,100人
2,200人
2,600人

次回に向けての準備

 技術書典への物理出展は、今回で5回目です。わりと手慣れて来ましたが、まだまだ抜け漏れが多いです。今回準備を忘れていた事項を、次回に備えて箇条書きで残しておきます。

  • テーブル背後に設置するポスタースタンド(200cm以内)
  • 新刊があることを強調して告知する方法
  • 委託販売をする際には、それが解るようにする方法
  • 商品説明のポップ


まとめ

 今回の技術書典の挑戦は、会社の同僚と合本を出すということでした。売れ行きも好調で、同僚も次回以降に向けて、よりやる気が出ているようです。また、技術書典への出展へのノウハウも継承できたのじゃないかなと思います。個人的には大成功だと思っています。心残りとしては、単著の新刊を出せなかったことなので、これは次回に向けて計画的に進めていきます。可処分時間をどう増やすか、そして執筆に向けるかの戦いなんですよね。

 ということで、新刊『AWS の薄い本の合本 Vol.01』をよろしくお願いします。2024年11月17日まで、技術書典オンラインで物理本+電子版を送料無料で購入できます!!

techbookfest.org

技術書典17で合本を書きました

本日、11月2日から始まる技術書典17に向けて、会社の同僚と合本を書きました。
AWS の薄い本の合本 Vol.01

techbookfest.org

AWS の薄い本の合本 Vol.01の構成

 7人がそれぞれMax15ページを書いています。目次、まえがき、あとがきを合わせると112ページの大作です。章ごとに執筆されていて、章タイトルと執筆者は次のようになっています。

第1章 S3を安全に使うための10の約束(執筆:佐々木拓郎)
第2章 Security Hubを最大限活用するためのポイント(執筆:大林優斗)
第3章 IAMベストプラクティスとCDKによる効率化ガイド(執筆:志水友輔)
第4章 CloudFormation StackSetsでマルチアカウント統制(執筆:西内渓太)
第5章 1コンテナで複数プロセスを起動し正常終了させる(執筆:浮田博揮)
第6章 マルチステージビルドで学ぶDockerのイメージ軽量化(執筆:小山ちひろ)
第7章 クイズで学ぶAWSの機能と歴史:厳選「機械学習」編(執筆:小西秀和)

 S3のように昔からあるサービスから、機械学習(AI)やコンテナ、CDKなどの今のメインストリーム、そしてSecurity HubやCloudFormation Stacksetsなど、使ってみたいけど中々手が出ないサービスまで、様々なテーマを網羅しています。

S3を安全に使うための10の約束

 私が担当したのは、1章の『S3を安全に使うための10の約束』です。AWSの強さの根幹の一つは、S3と確信しています。正しく使うと、ユーザーにとってこれほど有意義なサービスはありません。一方で、設定を誤ると重要なデータの漏えいといったことにもつながります。S3怖いとならないように、主な考慮点をエッセンスとしてまとめました。
 1章の詳細の目次は、次のようになっています。1章2項がメインのコンテンツで、10のお約束と称して1ページ1トピックでまとめています。1トピックについて、普通に書くと3〜5ページくらいになりました。それをギュッと圧縮しての1ページなので、大切な事を直ぐにつかめるように濃縮しています。

1.1 S3 の基本のキ
 1.1.1 Amazon S3 とは?
 1.1.2 オブジェクトストレージとは
 1.1.3 Simple Storage?
1.2 S3 を安全に使うための10 の約束
 1.2.1 S3 のアクセス制御の基本 3+1 のアクセス制御法
 1.2.2 EC2 に付与するIAM ロールを最小権限にする
 1.2.3 マネジメントコンソールからS3 へのアクセスに対する考え方
 1.2.4 バケットポリシーによりS3 へのアクセスを制御する
 1.2.5 機密データの保護とKMS
 1.2.6 EC2 からS3 への4つのアクセス経路
 1.2.7 S3 のデータバックアップの考え方
 1.2.8 S3 に関わるコスト
 1.2.9 S3 Webhosting とCloudFront
 1.2.10 ブロックパブリックアクセスを原則適用する
1.3 S3 のまとめ

オフライン販売について

 11月3日の池袋・サンシャインシティでのオフライン頒布会にも、もちろん出展します。サークル名は『ササキです』で、場所は『き01』です。

会場には終日いますが、メンバーで交代予定です。当日の予定は、下記のとおりです。非番の時にもブースにいる可能性はありますが、会場内をうろついている可能性が高いです。直接の御用がある時は、この予定をみてお伺いください。

 ご来場には、予め入場券の購入(無料)とアプリが必要ですので、ご注意ください。
blog.techbookfest.org

販売場所と販売期間について

 今回の新刊は合本です。売上の分担や、その後の納税時の手続きが煩雑となるため、期間内の販売とさせていただきます。技術書典17オフラインの開催中の11/2〜11/17と、BOOTHでの販売は2024年内を目処とさせていただきますのでご了承ください。BOOTHの商品ページはこちら

takuros.booth.pm

ITエンジニアでガジェット好きの私が、Amazonプライムデーでお勧めするもの

 こんにちは、佐々木です。
1週間前から、SNSのタイムラインでAmazonプライムデーの商品が溢れてきて、そわそわしてる人も多いのではないでしょうか。私もそうです。

 せっかくの機会なので、ガジェット好きの一人としてAmazonプライムデーのお勧めの品を紹介しようと思います。奇をてらったものを紹介するつもりもないので、どっかで見た奴やんと思った人は、その感想とともにSNSで呟いてくださいw

最初に設定するもの(ポイントアップキャンペーン最大15%還元)

プライムデーで、最初にする設定としてはポイントアップキャンペーンへの申し込みです。キャンペーンに応募するだけで、2024年6月25日(火) 14:00 ~ 2024年7月17日(水) 23:59の間のポイントアップがされます。

amzn.to

もう既に買っちゃったという人もご安心ください。後からでも有効な部分もあるようです。


Amazon Echo

 プライムデーで買うものと言ったら、Amazon Echo
50%近い値引き率で販売されています。実際のところ、私はEchoをプライムデー以外で買ったことはないです。(初代をアメリカで買った以外には)
Echoもいろいろな種類がありますが、個人的にはディスプレイ付きがお勧めです。スマートディスプレイというタイプになりますが、お勧めは次の2種類です

Echo Spot(2024年発売)

 今回のプライムデーで新発売したEcho Spotの最新版です。
画面が半分になって、スピーカー部分が拡張されています。音質アップを狙った製品でしょう。

定価11,480円のところ、48%オフで5,980円

Echo Show 5 (エコーショー5) 第3世代

 ディスプレイが大きなタイプがEcho Show
その中のエントリーモデル(廉価版)が、Echo Show 5です。

定価12,980円のところ、46%オフで6,980円

 ディスプレイが大きく使いやすいです。今回私は、キッチン用と子供の部屋用に2台買いました

スマホのワイヤレス充電器(Qi認証)

 今までスルーし続けてきたスマホのワイヤレス充電器
今回、遂に買いました。Qi認証の前提のもと、何かあったらすぐ交換してくれるAnkerの中から探しました。
立てかけて使えるようにスタンドタイプを選びました。色は黒と白があって、何故か黒の方が定価が安く、プライムデーの対象商品

定価2,499円のところ、20%オフで1,990円
※白だと2,890円

庶民のAirTag Ankerの紛失防止トラッカー

 海外出張をする機会が、最近再び増えてきました。
コロナ禍前に比べて、空港のオペレーションも低下しているのか、ロストバゲージの頻度が上がっているようです。
対策として、庶民のAirTagこと、Anker Eufy Security SmartTrackのキーホルダータイプを購入して家の鍵につけるようようにしました。(普段は鍵につけておいて、海外出張時にスーツケースにつける運用)
これがなかなか良いので、財布用にカードタイプのものを今回購入しています。

定価3,999円のところ、33%オフで2,690円

大容量モバイルバッテリー

 既に購入しているので、今回は買っていませんが、プライムデーでのお勧めの1つは大容量モバイルバッテリー。
ちょっとした外出時ではなく、出張やイベントでガツンと外出するときに、PC含めて充電できるのでお役立ちです。
何が良いかというと、結局Anker製品。流派としては、充電器一体型のAnker 733と独立型のものがあります。
私は取り回しがしやすい、独立型を選んでいます。充電状況や残容量がディスプレイに表示されるのが、思った以上に便利です

定価24,990円のところ、24%オフで18,990 円

これと、薄型の充電器をセットで持ち歩いています。薄型のものは新しいモデルは最近でておりません。
自分が使っているのは、4年前のモデル


出張時の持ち歩きセットについては、このあたりに書いています
blog.takuros.net

電動式昇降デスク FLEXISPOT E7B

これも過去にかったので、今回は購入していません。
FLEXISPOTの足だけモデル。天板は、ホームセンターで買うと随分安くつくれます。
E7モデルを推す理由としては、足が3段階に昇降するところ。かなり低くまで設定できるので、それが便利です。

定価57,000円のところ、30%オフで39,900 円

導入の顛末はこちらです
blog.takuros.net

アプリ切り替え Elgato Stream Deck MK.2

 今回紹介している中で唯一まだ買っていないのが、ストリームデック
これアプリ切り替えのスイッチみたいなものですが、便利そうで欲しい。けど、ちょっと用途に比べて高いような気がする。
ということで、もう少し調べて買うかもですという商品

定価22,980円のところ、26%オフで16,960 円

まとめ

 こうやって値段をまとめてみると、末尾が990円とかギリギリ桁を一つ下げる割引率が設定されていますね。
Amazonプライムデーの担当者と、メーカーのギリギリの交渉が垣間見れるようで、少しおもしろいです。
ということで、物欲まみれのブログエントリーでした。

2023年の振り返りと2024年の目標

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
2023年の主な活動は、技術書を2冊と技術同人誌を2冊執筆しました。登壇は、AWS Dev Dayの物理登壇と、JAWSUGでリモートで2本です。またAWS Ambassadorは引退して、代わりにAWS Community Buildersになりました。一昨年同様に昨年も、へとへとになりながら何とかやっています。

16,17冊目の本の出版

 2023年6月に出したのが、要点整理から攻略する『AWS認定 データ分析-専門知識』です。AWSを利用してデータ分析をすることのニーズは非常に高まっています。では、どうやって分析すればいいのか?その段階になると、各自思い思いやっていることが多いです。このあたりを体系的にまとめて、認定試験対策にもなる本を意図して執筆しました。

 AWSのデータ分析関係のサービスは非常に多岐にわたります。最初のガイドになるように、あまり不要な部分はバッサリと省略してコンパクトにまとめたつもりです。しかし、レビューをみていると「網羅性が低い」や「説明があっさりしている」などのコメントが目立ってなかなか難しいなぁというところです。誤字脱字が多いのは、本当にごめんなさい。

 そして、トドメがデータ分析専門知識が2024年4月に廃止とのアナウンスがありました。これは試験区分の再編成の布石だとは思うのですが、今後の増刷の可能性はほぼなくなるので悲しいですねぇ。

 17冊目の本は、AWS認定資格試験テキスト AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト 改訂第3版です。AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイトの対策本ですが、遂に改訂の第三版まできました。それぞれの版ごとに、かなりの増刷を重ねているので(全然数えていないのですが)累計ではかなりの冊数になっています。

 第三版は全面的に構成を見直しています。そして中の文章も、かなり書き換えています。改訂部分は自分一人で担当したので、かなりの時間を要しました。そして、模擬試験は小西にお願いして、実践に即したものに仕上がっています。1回あたりの刷数がかなり多いのに早々に増刷されました。需要の大きさに驚くばかりです。
※執筆が遅くなったので、第二版で予定外の増刷が繰り返されました。関係者にはいろいろご迷惑をおかけしました。ごめんなさい

技術同人誌

 2023年は技術書典が2回ありました。今年は参加できる回は全部でる、そして出るからには新刊を出すと決めていました。その決意のお陰で、短編ですが、無事2冊出すことができました。

booth.pm

booth.pm

 まぁギリギリに出すと非常に高くつくということが解ったので、今年は計画的に出していきます。宿題として残しているのは、次の2冊です。

  • AWS Organizations本を書いて、IAM本3部作として完結させる
  • データ分析基盤本の完結作として、実装編を書く

 これ以外に、IAM本を英訳してKindleで出してみたいとか、それだったら少し改訂するかなど、やりたいことはいくつかあります。

執筆以外のアウトプット

 冒頭に苦戦した1年と言った通り、アウトプットの総量は不調でした。個人ブログで11本、会社ブログで11本と、合計22本のみでした。2022年に比べるとアウトプットが回復したものの、全般的に火力不足です。執筆の仕組みを再構築しないと、現状の余裕時間ではこれ以上は難しいと感じました。

2024年の目標

 まず、アウトプット関係で2024年中に実施予定の項目です。

  • 技術同人誌2冊、試験対策本2冊、他新規1冊、既存本の改訂2冊
  • Kindleの英語本を出す
  • 大規模イベント登壇2回、勉強会4回登壇
  • Twitterフォロワー 8,000人
  • AWS Heroを目指すために、実績づくり

 必要な時間を割り出してみると、現状ではとても足りません。決意だけしても仕方がないので、仕組みに落とし込みます。

  • スマホに費やす時間を短くする。アプリタイマーの設定と、寝室にスマホを持ち込まない
  • SNS等に時間を費やさない。FocusGuardで、ブラウザでながら見を禁止する
  • 執筆習慣を作るための仕組みづくり(メルマガを想定)
  • 平日日中の仕事を18時で終了にする仕組み(詳細割愛)
  • AWS Community Buildersの実績登録を月1で実施し、アウトプット量を定期的に確認する。
  • 年間の執筆計画の策定
  • 手帳を毎日つけて、予実管理と振り返りの習慣化

 毎日の振り返りと、月単位の振り返りをしっかりしていきます。

まとめ

 ここであげた書籍等のアウトプット以外にも、仕事やプライベートの活動、投資活動などやることは沢山あります。もう無理の効く歳ではないので、できる範囲で今年も1年過ごしていこうと思います。本年もよろしくお願いします。

『AWSの薄い本Ⅴ データ分析基盤を作ってみよう 〜性能測定編〜』を書きました

技術書典に連続出場するために、AWSの薄い本の新刊を書きました。「AWSの薄い本Ⅲ データ分析基盤を作ってみよう 〜設計編〜」の続きの位置付けで、性能測定をテーマに扱っています


内容

 題名の通り、性能測定をテーマに扱っています。と言っても、CPUやディスクの性能、あるいはデータベースのパフォーマンスといった一番基礎的な部分を避けて、S3・Athena・Glueを対象としています。なぜ、これらのサービスを選んだのか。それは、CPUやディスクといったローレイヤーのサービスだと、AWSが公開しているスペック通りに動きます。一方で、S3やAthenaについて、どういった性能なのか知らないという人が多いようです。
 S3は、オンラインから利用するオブジェクトストレージです。その特性から来る強みと弱みがあります。AWSでデータ分析基盤を作る場合、データレイクはS3を使います。本書で述べていますが、S3は大量の小さなファイルを扱うには向いていません。なぜそうなのか、実際に測定しながら解説します。そして、そのことから導き出されるデータ配置の戦略についての考え方を解説しています。

 実際的な測定以外にも、性能測定の必要性や観点・やり方なども解説しています。AWSを使っていると性能測定した上での設計をすることは少ないかもしれません。しかし、設計に対して根拠をもった説明をするには、重要なことです。

目次

第1章 制約とアーキテクチャの決定1
 1.1 機能要件と非機能要件
  IPの非機能要件グレード
 1.2 アーキテクチャ検討へのアプローチ
  IP非機能要件グレードの性能・拡張性要件
  性能測定をして裏付けをとる

第2章 AWサービスとその特性
 2.1 Amazon Athena
  Athenaの性能特性
  Athenaの料金体系
  Athenaのそのほかの考慮点
 2.2 Amazon Simpl Storage Service (Amazon S3)
  S3の性能特性
  S3の料金体系
  S3のそのほかの考慮点
 2.3 AWS Glue
  Glueの性能特性
  Glueの料金体系
  Glueのそのほかの考慮点

第3章 性能測定の方法
 3.1 性能測定の目的設定
 3.2 性能測定をするうえで、重要なこと
  測定の目的
  測定環境の平準化
  実際の環境に近づける
  複数回の測定
  メトリクスの取得
  外部影響を最小限に
  変更との比較
  分析する
 3.3 測定ツールをどうするか
  ディスク/ファイルシステムの性能測定
  ネットワーク測定
  カスタムツールの開発
  テストツールのまとめ

第4章 サービスごとの性能測定
 4.1 Athenaの性能測定
  Athenaの検証の目的
  Athenaの検証環境
  Athenaの測定結果
 4.2 S3のデータ転送の測定
  S3の検証の目的
  S3の検証環境
  S3の測定結果
 4.3 Glueの性能測定
  Glueの検証の目的
  Glueの検証環境
  Glueの測定結果

第5章 測定結果に対する考察
 5.1 性能測定で判明したこと
  Amazon Athena
  Amazon S3
  AWS Glue
 5.2 結果に対する考察
  今回の検証で確認できたこと
  検証できていないこと
 5.3 データ分析基盤の設計への指針

第6章 まとめ
 あとがき

感想

 最近の自分の仕事では、AWSのサービスの評価をじっくりするような事は、なかなかできません。今回、本を書くためにひたすら性能測定をしていると、昔を思い出して楽しかったです。地道な検証を繰り返していると、今のCPUやディスク・ネットワークなどの基礎的なインフラストラクチャーの発展ぶりや、それを組み合わせたAWSのサービスの凄さを改めて実感できました。
 今回検証できたのは本当にごく一部ですが、この手のは今後ライフワークとして定期的にやっていきたいなと思いました。そのためにも、AWSのクーポン欲しいなぁw

takuros.booth.pm

技術書典15のオフライン会場に出展してきました

  2023/11/12 に開催された技術書典15 オフラインに物理出展しました。
今回は反省点ばかりです。次回への教訓に記録を残しておきます。


当日の売れ行きと考察

 当日の入場者数は、2,200人とのことでした。前回の14は、2,100人だったので100人アップですね。

 時間ごとの入場者数はわかりませんが、14時以降以外は売り切れていたそうなので、だいたい均等に来場されたのでしょうね。
さて、私のところの時間ごと・書籍ごとの売れ行きです。

時間 IAM本 セキュリティ
データ分析
設計本
昔話 データ分析
性能本
(新刊)
合計
11:00
5冊
4冊
4冊
1冊
10冊
24冊
12:00
6冊
5冊
5冊
1冊
6冊
23冊
13:00
6冊
6冊
6冊
5冊
6冊
30冊
14:00
12冊
11冊
11冊
10冊
7冊
49冊
15:00
6冊
5冊
5冊
3冊
5冊
25冊
16:00
0冊
1冊
1冊
1冊
1冊
4冊
合計
35冊
32冊
32冊
21冊
35冊
155冊

 今回は新刊を1冊書いていったのですが、売れ行きは芳しくなかったです。旧刊と同程度の売れ行きです。過去、単独参加の技術書典の動向とも比べてみました。

時間 技術書典7 技術書典14 技術書典15
11:00
151冊
43冊
24冊
12:00
94冊
37冊
23冊
13:00
82冊
48冊
30冊
14:00
43冊
25冊
49冊
15:00
45冊
22冊
26冊
16:00
36冊
11冊
4冊
合計
451冊
186冊
156冊

 前半の出足の悪さが目立ちますね。実はこれ、午前中にノボリ等の視覚的な案内を一切していなかったのです。新刊の案内を用意するのを忘れていて、まぁいいかと思って旧刊分含めてセッティングしませんでした。そうすると目に見えて売上さがりました。ちゃんと知らせること大事です。次回は、しっかり準備していきます。下の写真は、午前中の様子です。これだと、本当に人が立ち寄らないのですよ。視覚的に伝えることが大事です。

新刊について

 今回の新刊は、データ分析基盤を作ってみようの続編で、性能測定まわりの部分について書いてみました。性能測定といっても、RedshiftやAuroraのパフォーマンスの測定ではなく、S3のファイルサイズがGlueやAthena、あるいはファイルのアップロードに与える影響。結構大事な部分で、知らない人が多いかなと思って書いてみました。詳細については、別のブログ記事で紹介しようと思います。

2023年11月26日まで、技術書典15のオンラインマーケットで販売しています。物理本の送料も無料です。
techbookfest.org

新刊執筆までに

 原稿は、平日の夜や休日に書いています。最近は仕事も忙しく、休日も家の用事や商業誌の執筆などもたくさんあり、ほとんど時間が取れなくなりつつあります。そんな中で、今回は過去最高(最低?)に切羽詰まったスケジュールでした。割増料金を払って11月9日の10時までに入稿するプランを使う前提で考えたのですが、次のような状況でした。

11月4日(締切5日前)

11月7日(締切2日前)

11月8日(締切1日前)

11月10日(締切1日超過)

 締切を過ぎるいわゆる極道入稿というのをしてしまいました。なんとか間に合ったのも、すべて日光企画さんのお陰です。ありがとうございます。本来は別のテーマの話を書こうと思ったのですが、調べる時間や検討する時間を考えると間に合いそうにありません。そこで、10月末のJAWS-UG東京 ランチタイムLT会#4で話した性能測定をテーマにしました。これだと、話の構成も調査もある程度完了しているので、あとは書き出すだけという状態でした。ただ、それにしても準備不足は否めなく、毎日2〜3時間睡眠という状況が数日つづきました。この歳で、そういう生活は無理と実感しました。計画的に執筆しましょう。

 この一連のツイートを見てくれている人も、たくさんいたようです。当日来場された皆さんに、よく間に合いましたねとお声がけ頂いたことが多々ありました。物書きのプロの端くれとして、あるまじき姿だったなと反省しています。印刷のコストも、早割でやるより1.8倍以上になりました。いろいろなダメージを負って、計画的に進めることの大事さを改めて実感しました。

まとめ

 そんなこんなありましたが、新刊をひっさげて技術書典に参加できたのはよかったです。年間2回の参加は初めてです。自分の中で、技術書典は今後の方向性を模索するための場と位置付けています。会場で頂いたフィードバックをもとに、今後もいろいろな創作活動をしていきます。

 最後に、当日ご来場いただいた方々や、オンラインで購入して頂いた方々、そして技術書典の運営の皆様、ありがとうございました。また、よろしくお願いします

まだ間に合う。re:Invent直前に用意しておくアイテム(PC周り編)

AWS re:Invent 2023は、11月27日から12月1日の間にラスベガスで開催されます。このブログを読んでいる人で、現地で参加する人も少なくない人数がいるのではないでしょうか。持ち物の確認をしていたので、ついでにまとめておきます。

モバイルバッテリー

PCやスマホを除いて、何よりも大事なのはモバイルバッテリーです。PCを1回充電できるくらいの容量のものを用意しておくと、いざという時の精神衛生上よいです。昔はいろいろな製品がありましたが、今だとAnkerを選んでおけば間違いないと思います。ちょっと高いですが、Anker 737 Power Bankがお勧めです。(私も5年ぶりに買い替えました。)

ケーブル & 充電器

ケーブルは、必要なものを持っていきましょう。問題なのは、それをどう運ぶか。お勧めはダイソーなどの100均ショップで売っているケースでまとめるのがよいでしょう。ケースは少し大きめのものがお勧めです。急いで移動する必要がある時に、雑に入れられるようにしておくとよいです。充電用の薄型のものを一つ入れておくと良いでしょう。

また、USB2.0からType-Cに変換アダプタするアダプタも一つあると良いです。最近のPCは、Type-Cしか備えていない場合が多いです。急に四角いタイプのUSBを挿す必要がある時に安心です。私は、Pixelを買うと付いてくるやつを愛用しています。あれなんで、毎回付いてくるのだろう?

あと現地でWorkshopなど参加する人は、延長コード付きの電源タップを持っていくと良いかもしれません。電源コンセントはあるものの、それぞれの充電プラグの形状がワガママすぎて挿せないというケースは多々あります。そんな時に、延長コードがあると割と重宝します。私は、今年はWorkshop系のセッションは受けない予定なので、持っていきませんが。

SIM

海外の通信をどうするのか。使いやすさや料金的な問題から、ポケットWi-Fiを空港で借りて持っていくというのは止めた方がよいです。SIMを買っていくか、eSIMの海外ローミングがお勧めです。私は毎回、T-Mobileが使えるアメリカSIM 10日間使い放題をAmazonで買って持って行っていました。3,580円です。

今年は、Povoの海外ローミングにチャレンジしてみる予定です。7日間で3GB、2,260円。通信単価的には、先に紹介した方が安いですが、会場内はWi-Fiが使えます。外出時に使えれば十分なので、今年はこれで行く予定です。

HDMIケーブル

意外にあると便利なのが、HDMIケーブルです。ホテルの部屋に帰った後や、朝の出発前に、PCを使って作業をすることは多々あります。そんな時に、ディスプレイが欲しいなと思うでしょう。そんな時にHDMIケーブルがあれば、あら不思議。ホテルのテレビが、途端にディスプレイに変身します。

まとめ

実はSIMをどうするか以外は、国内での移動とあまり変わらなかったりします。それでは、皆さんラスベガスでお会いましょう!!