はてブを見てると、NASやクラウドドライブなどストレージ関係のエントリーが幾つかあがっていました。私は、家庭内ストレージには比較的うるさいので一言いわせて頂きます。
家庭内でのストレージの種類
まずは一般的に家庭内のストレージはどういった種類があるのか整理してみましょう。主に下記の5種類くらいに分類出来るのではないでしょうか?
- パソコンのローカルストレージ(HDD/SSD)
- スマフォ/タブレットのデータ領域
- NASなどのネットワーク接続型共用ストレージ
- Dropboxなどローカル同期型のクラウドストレージ
- Amazon S3やBitcasaなどのローカル非同期型のクラウドストレージ
ストレージを考える上でのポイントは、速度・容量・価格の3点です。
まず速度については、パソコンからファイルを読み取るスピードです。小さいサイズのファイルだと余り問題になりませんが、動画系など大きなファイルだとここが重要になってきます。HDD/SSDだとほぼ転送速度が読み込みの早さで、100〜300MB/秒くらいは出ます。次にNASですが、これはほぼ家庭内LANのネットワークのスピードに依存します。有線LANで1000Mbpsのネットワークであれば、理論値は125MB/秒ですが実効速度で100MB/秒くらいは期待出来るかもしれません。無線LANで11nとかですと、150Mbpsなので15MB/秒くらいでしょう。最後にクラウドストレージですが、こちらはインターネット回線の速度に規定されると考えて間違いないでしょう。100MB光とかでも、せいぜい10MB/秒くらい出れば御の字かなと思います。だいたい10MB/秒でれば動画なども問題なく見ることが出来ますが、問題はプロトコル。Amazon S3などは、一度httpでダウンロードしてから再生することになります。ストリーミング再生は出来ないのでご注意を。
次に容量面。大きければ大きい程良いのは間違いないのですが、値段との折り合いになります。ローカルのSSDで128GB〜512GB、HDで1TB〜2TB。家庭用NASは1TB〜4TBくらいが多いようです。はっきり言うと、ローカルのストレージはそんなに大きくせずに、NASにデータを貯めこむ方がよいでしょう。クラウドストレージは、容量無制限で利用した分だけの従量課金というのもあります。その特性を活かして、ローカルストレージを大きめにしてキャッシュとして扱い、クラウドはマスターorバックアップとして扱うという手もあります。
最後に容量面。最近では、個人でも手軽に1TB以上のデータを扱えるようになっています。個人的には、1TBもあれば一生分のデータを保存出来るのではと思いますが、写真の画素数の増加や動画を保存することを考えたら幾らあっても足りないという状況なのでしょう。事実、知り合いのパパさんは週末は子供の動画の編集作業に勤しんでいて、どんどんストレージは増えている模様です。(それを見る時間は、果たしてあるのだろうかという疑問は無いでもないですが。。。)
最後に価格です。ストレージは時間と共に安くなっていきます。これはほぼ間違いないです。なので、今必要とされる容量の2倍くらいを買っておいて、足りなくなれば買い足せばよいです。またそもそもクラウドストレージにして考えなくても良くするというのも1つです。ただ一方でストレージの容量の増加に較べてネットワークのスピードは早くなっていません。この点は頭に入れておいた方がよいと思います。
私の使い方
ローカルのストレージは、SSDで128GB or 256GB程度です。そこにDropBoxを利用して、常時複数台の端末から使いたいものについては、同期しております。対象は、Gitや1passwordのリポジトリ、ドキュメントくらいですね。NASはRaid1で1TBありますが、家族で使っても500GBも使っていません。主に写真等をおいています。iTunesの実体もNASにあります。よってスマホのデータも直接NASに格納されています。後は、電子化した昔の本やマニュアルですが、Kindleの動向とか見ていると、そのうち要らなくなるような気がしています。
バックアップについては、基本Amazon S3にするようにしています。Dropboxを定期的にアーカイブするのと、NAS上の写真等のオリジナルデータをバックアップするようにしています。Dropboxは、操作ミスで全部消してしまう可能性があるので、念の為にやっています。NASの写真データは1箇所に全部集めている関係上、故障対策と遠隔バックアップの意味で行っています。悩みとしては、ファイル数が多いのでs3に同期するのはそれなりに時間が掛かることですね。NASをQNAPに変更して、夜間バッチにしたいところです。
まとめ
利用形態や容量は、人それぞれで違うと思います。ただ、データが無くなって困るというのは、誰でも共通です。なので、信頼性が高いところに格納しましょう。一昔前は、それがNASでした。しかし、NASなしで直接クラウドストレージでも良いのかなぁという時代なのかもしれませんね。
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