先日、10数年振りくらいに"得手に帆あげて―本田宗一郎の人生哲学"を読みました。言わずと知れたホンダの創業者、本田宗一郎の数少ない著書の一冊です。私が初めて読んだのは、中学生か高校生の頃だったと思います。エンジニアだった親父はエンジニア創業者を尊敬していて、井深さんとか稲森さんとかその手の本が家の本棚に一杯ありました。暇にあかせて殆ど読んだとは思いますが、何故か私が得た結論はエンジニアは儲からなさそうなので文系にいこうでした。その後紆余曲折して、今はITエンジニアと曲がりなりにもエンジニアを名乗っています。
改めて読んで気がついたのは、知らないうちに自分の考え方に随分と影響を受けていたことに気が付きました。私はSIerで働いていますが、今のSIerのゼネコン構造や非効率な体質が大嫌いです。問題の根本の部分は、右にならえ体質で自分で考えることを止めたところに原因にあるのではないでしょうか。本田宗一郎は、常識とされているものをそのまま受け止めるのではなく、自分で考えぬいた上で身につけていたようです。突拍子もないと思えるような意見も色々言っていますが、常識という枠の中で考えず自分で考えてぬいた末の意見なのでしょうね。
今、パナソニックやシャープの苦境と、日本を代表してきたメーカーの凋落が目立ってきています。戦略がないだ円高だと色々言われていますが、みんな一時立ち止まってゆっくり考えてみるべきなのかもしれませんね。