プログラマでありたい

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この本を読むと金融商品が買えなくなる。「プロが絶対買わない金融商品」

 タイトルが面白かったので、さらっと読んでみました。
プロが絶対買わない金融商品-あなたは「カモ」られている-


 元金融マンが明かす金融商品の裏側です。
毎月分配型投資信託や外貨預金など、オーソドックスな商品の問題点を始め、サムライ債や満期選択型定期預金(仕組み預金)などちょっとマニアックな商品、デリバティブ商品などのよく解らない商品の裏側を全部明かしています。読めば読む程、複雑な商品には手を出さない方が良いなと思えてきます。著者曰く、リスクの所在の解らない複雑な商品は避けるのが良いそうです。マニアックなことがやりたいのならば、単品商品を組み合わせて自分でリスクの計算をしながら投資すれば良いとのことです。仰る通りかと思います。


 ちょっと面白かったのが、郵便局の定額貯金。これは、実は商品設計としては間違った商品なのです。何とオプションを無料でプレゼントされている商品です。具体的に言うと、1年の金利、3年の金利だと、当然3年の金利の方が良くなります。これは、より長い間資金を預けるというリスクがあるので当たり前の話です。定額貯金も3年の方が金利が高くなっています。でも、不思議なことに3年の定額貯金を1年で解約してもペナルティがないのです。金利も3年のまま。普通考えられませんよね。となると、定額貯金を利用する場合は、常に最長の期間を選べばよくなります。
 金利一覧ーゆうちょ銀行を見てみたら、定額貯金の6月以上1年未満が0.06%。3年以上が0.11%となっていました。0.05%分のただ食いが出来るのです。金融の世界にはフリーランチはないというのが定説ですが、不思議ですよね。ちなみにさっきのページを見ていたら、定期貯金というのもありました。詳しくしらべていないのですが、こっちは普通に途中解約のペナルティがあるんでしょうね。民営化したということで、おかしな設計の商品を無くしていくのでしょう。と考えると、今後は定額貯金というものはなくなるのではと思います。
 まぁ私の場合、定期預金は一切していなので郵便局に走るかといえばそうではないのですが、少しでも得をしたいという人は使ってみてもよいのではないでしょうか?


 なお、巻末に書いていた著者の金融資産を見て面白かったです。何と、金融資産のうち8割が円の預金、しかも定期預金は殆どなし。後の2割はインデックス型の投資信託ということです。著者のスタンスとして、お金は自分の収入で増やすというのがあるそうです。納得です。私は、まだ勤め終わるまで時間があるのと、市場経済を信じているのでインデックス投信派ですが、考え方には共感が得られます。

プロが絶対買わない金融商品-あなたは「カモ」られている-
永野 良佑
扶桑社
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おすすめ度の平均: 4.5
5 実益になる
3 金融商品の欺瞞、偽善
5 どこまで代行してもらうか?
5 良書。金融商品の仕組み解説に優れる。
5 広く普及している商品がよいものとは限らない