マイクロソフトの元社長の成毛さんの、「本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)」を読みました。久しぶりにこれは凄いと言える本です。書いている内容は、多読の勧めであったり、隙間時間を活用しろとか、色々なジャンルの本を読めと言った内容なので、取り立てて凄いということはないです。何が凄いかというと垣間見えてくる成毛さんの人生観、価値観です。
35歳でマイクロソフトの社長になったくらいなので、ただ者ではないことはないのは間違いないのですが、この本を読んでみて改めて解りました。ぶっ飛んだ人です。勤め人でありながら、会社に行かない。それでも社長になってしまうのは秘密の一端は、極端な読書術にあるのでしょう。読んでみたら解ります。
あと、巻末の方に成毛さんのお勧めの本が載っています。紹介文を読んでいたら欲しくなります。で、Amazonで見てみたら驚きました。何とどの本の"この商品を買った人はこんな商品も買っています"を見ても、成毛さんが勧めた本が出てきます。つまりこの本を読んだ人は、すぐにお勧め本を買っているんでしょうね。しかも、まとめて。うーん、凄い影響力!!(私も思わず買ってしまった口ですがw)
旧約聖書の「出エジプト記」は、モーセがユダヤ人を連れてエジプトを脱出する物語である。なぜエジプトに住みつづけられなかったのか、それは一神教を信じたからだ。
エジプトはアニミズム信仰であり、一神教とは相容れなかった。それでは、なぜアミニズム信仰の中で一神教を崇拝する人たちが出てきたのか。それは、アメンヘテプ4世という王が頭に傷を負ったことで水頭症になり、幻覚でも見たのか一神教に目覚め、首都をアマルナという地方に移したことに端を発する。
そのアマルナにはユダヤ人が大勢住んでいて、アテン神という唯一神を信仰するようになったアメンヘテプ4世が一神教の教えを広めた・・・このように、仮説が仮説を生み、話がどんどん展開される。
つまり、アメンヘテプ4世が水頭症でなかったら、ユダヤ教は生まれず、キリスト教もなかった、というのだ。
経営学関係の本の中で、唯一感かさらた本といえる。
経営学といっても、企業で起きたトラブルの対処法について書いてある本ではない。旧日本軍が第二次世界大戦でなぜ敗北したのかを分析している本である。
日本軍という組織の問題点を考察しているのだが、それはそのまま企業にもあてはまる。よくある「経営者はこうすべき」「会社とはこうあるべきだ」と戯言を述べている本を読むぐらいなら、この本を1冊読むだけで充分だろう。
もしこの本を読んでいなかったら、マイクロソフトの社長として周囲から持ち上げられていたとき、偉そうにふんぞりかえっていたかもしれない。地位や権威を得て、力を誇示するのがいかに無意味なのかについて学んだ1冊である。
理屈抜きで楽しめるので、これはぜひ読んでほしい。
これも壮大な仮説をつくるときに役立つ本である。
ノアの洪水は実際にあった話だと、海洋地質学者が真顔で説いている。
国会はもともと干上がっていて、そこに人類の半分以上が住んでいた。地中海の水が黒海に流れ込んだとき、ほとんどの人類が死滅し、逃げ延びた人々がメソポタミアとインド・インダスとヨーロッパに移り、三台文明が生まれたという話である。
あと、こんなことが書かれていたので、思わずロンドン・エコノミストを購読してしまいました。1冊づつ都度買っていたら、間違いなく続かないので購読することにしました。
欧米では、『ロンドン・エコノミスト』を読むか読まないかは、人間か非人間かというぐらいに明確な差がある。『ロンドン・エコノミスト』を読まない支配者などいないが、労働者階級の最下層の人たちは、そんな雑誌があることすら知らないだろう。
じつは、日本は『ロンドン・エコノミスト』がもっとも売れない国である。韓国や中国、インドやベトナムのエリートは、読んでいなくても買ってはいる。対して、日本のエリートは意識が低すぎるのだ。
Fujisan.co.jpで定期購読できました。
本を読んでて、がつんと頭をハンマーで叩かれたような気分になったのは久しぶりです。良い本に出会ったなぁ。
三笠書房
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