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部屋を借りる前に、この一冊。家を借りたくなったら

 一時期真剣にアパートオーナーになろうかと賃貸を研究して来た私ですが、ふと手に取った『家を借りたくなったら』は良かったです。もう少しで引越シーズンなのですが、引越を考えている人もいない人も是非一度読んでおくべきでしょう。
 例えば都内だと1ルームでも6〜10万くらいします。敷金礼金等を考えれば、部屋を借りるというのは年額換算にして、百万以上もする大きな買い物なのです。でも不動産屋に勧められるがままに、物件を数件回っただけで決めていませんか?また、こんな文句を聞いたことありませんか?「今日中に契約しないと、おそらく無くなりますよ。」これは生命保険の営業の殺し文句と一緒で、この言葉が出て来たら営業さん必死だなぁと流すくらいで聞いておきましょう。今の時代、物件なんて有り余っていますし。という事で、私が個人的に部屋を選ぶ時に気を付けているポイントです。

物件の取引形態

 不動産屋が物件を紹介するには、ふたつの形態があります。元付け客付けです。大家さんから直接依頼を受けた物件が元付け。その物件を他の不動産屋に流したのが客付けです。元付けの場合、仲介料がそのまま元付けの不動産屋に入りますが、客付けの場合は元付けと客付けの不動産屋で仲介料を折半となります。不動産屋にとっては当然元付けの方が割は良いので、本当によい物件は外にださない場合があります。また、その大家さんと近い立場にいるので、どこまで値引けるかという判断を的確にしてくれます。見分け方は簡単で、客付けの方は「媒介」、「仲介」と書かれていたり、チラシに他の不動産屋の名前が書いていることが多いです。どっちが良いという訳ではないですが、ぼそっとその辺りのことを言うと、不動産屋も解っているなといことで舐めた対応しなくなります。

物件の構造

 たいていの場合、物件の構造欄にS造だのRC造だのの記述があります。暮らし始めてから解るのですが、これは非常に大切なポイントです。何故かと言えば、防音性が全然違ってくるからです。ではどの順によいのでしょう?

 SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)> RC造(鉄筋コンクリート造)>S造(鉄骨造)>軽量鉄骨>木造

 RC造とS造の間には超えられない壁があります。コンクリートが入っているかいないかで全然違ってきます。また賃貸ではRC造といいつつ、部屋と部屋の間にはRCでない場合があります。ですので物件を見学に言った際は、かならず壁を叩いて確認しましょう。RCやSRCはなかが詰まっているので、音は響きません。S造とかだと骨が入っている所以外は、乾いた音が返ってくると思います。騒音はトラブルになり易いところなので、慎重なくらい確かめておきましょう。

築年数

 当然のことながら、築浅の物件は高く築年数が古い物件は安くなります。どれを選ぶかは完全に予算と好みの問題ですが、私個人の感想では築20年くらいでもしっかり手入れされている物件は快適です。大家さんもお金を掛けてリフォームした方が物件の価値が上がると判断した場合は、思い切って投資をしているケースが多いようです。ですので、築年数が古いということで最初からふるいに掛けないで、一度見てみることをお勧めします。

物件のエリア

 下北沢とか恵比寿とかメディアに露出しやすいエリアは、当然人気が出て賃料も高くなります。しかし周辺の賃料を冷静に見てみると、一駅違うだけで賃料がかなり違うことがあります。電車で一駅といったら自転車ですぐの距離なので、是非周りもみてください。また通勤のことだけ考えるならば、距離よりも乗り継ぎ回数が少ない方が楽なことが多いです。また、始発駅だと良いのは当然です。
※田舎の一駅は違うんだよという突っ込みはご容赦を。私もど田舎出身なので。

家賃の交渉

 家賃って以外に負けてくれるものなのです。交渉のコツは、「まず言ってみる」に尽きます。意外にあっさりまけてくれます。次に他の不動産屋でも探していることと、ちゃんと複数の物件を見て来て選んでいることを素直に話すことです。で、他所の物件は同一条件でこんなのがありましたよというと、値引き交渉に乗ってくれることも多いです。
 値引き交渉で注意しないといけないのは、アパマンであったり賃貸住宅サービスであったり違う会社であったとしても、不動産屋のオーナーは同じことがあるという事です。フランチャイズですから。ですので、はったりをかましても筒抜けということは良くあります。情報量では敵わないので、お互いの落としどころを探りながらいきましょう。
 不動産屋にとっては、賃料が数千円下がろうが痛くも痒くもありません。物件のオーナーが痛いだけです。ですので、とにかく回転を速くしたいです。だから不動産屋を敵に回すのではなく、味方に付けてオーナーに交渉してもらいましょう。やっぱり物件について一番詳しいのは不動産屋なのですから。


家を借りたくなったら
長谷川 高
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