お金の話というより、人生で生き残る為のサバイバル論です。私も社会に出てITエンジニアとして10年くらい生きているのですが、一つだけ心掛けて来ていることがあります。明日もし会社が潰れたり首になったとしても、ああそうですかと笑っていられるだけの状態に常にしておくことです。それは金銭面しかり、スキル面でも同様です。
まぁ今現在、割と安定している会社にいるのですが、私自身はそれが永遠に続くとはこれっぽっちも思っていません。パラダイムシフトが起こって、自分が持っている技術が全く役に立たなくなる時代が来るかもしれません。それが無くても今のままで成長が無ければ若手に対してコスト対効果の点では敵わなくなるでしょう。或は、今いる会社自体が経営に失敗するかもしれませんし、そもそも日本のIT業界自体が壊滅的になる可能性だってあります。
私自身は極貧という状態に身をおいたことはありません。でも何故か肌感覚として、今へらへらと笑っていられるのも、お金に困ってなく、かつお金を安定して生み出せる仕事についているからというのを知っています。もちろん、お金だけで幸せになれるとは思っていませんが、お金がなければ惨めな思いや行動の自由がなくなるのも事実なのです。貧すれば鈍するという諺は、一面の事実をついているのです。
今まで西原さんってよく知らなかったのですが、最近エロ本のカット描きから始まった仕事 プライド捨てて「売り込みしかない」を読んで興味を持ってまず一冊とこの世でいちばん大事な「カネ」の話を読んでみました。仕事に対する考え方にかなり共通点が感じられました。西原さん自身は、美術の専門学校に行っていた時代に、そうそうに自分の限界というものを知ったそうです。その代わり自分の絵を客観的に見る力が得られたそうです。その上で、自分が勝負する点を見つけることに注力したそうです。
手に職をもって生きる上には、大変参考になることだと思います。誰もが一流と呼ばれる人になれる訳ではありません。悲しいけど事実です。しかし一流でなければ勝てないという訳ではありません。西原さんが言うように、自分が勝てる分野で全力を尽くすことです。これも事実だと思います。私はエンジニアとして一流の人間にはなれないかもしれません。でも、そのコアスキルを活かして幸せになるつもりです。
最後に心に残った一節を紹介しておきます。ただ働くのじゃなくて、働くことの意味を考えていたいですね。
働くっていうのは、つまり、そういうことでもあるんじゃないかな。
仕事っていうのは、そうやって壁にぶつかりながらも、出会った人たちの力を借りて、自分の居場所をつくっていくことでもあると思う。
〜中略〜
だから大事なのは、単に「カネ」があるってことじゃない。
働くこと。働きつづけるってことが、まるで「自家発電」みたいに、わたしがその日を明るくがんばるためのエンジンになってくれたのよ
理論社
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