「騙されない!」ための経済学 モリタク流・経済ニュースのウラ読み術 (PHPビジネス新書 55) (PHPビジネス新書 55)
ひと言で言うと、ひどい本。読むだけ無駄だった。まぁ、強いて言えば森永卓郎という人物がろくでもないということが解っただけで収穫かな。世間的には、弱者の経済的な弱者の擁護者となっているようだが、貧困をネタに飯を食っているだけなんでないのと思えてしまう。
全体的な論調としては、嫌アメリカ。アメリカは、製造業が崩壊した空虚の国だよということ。アメリカの製造業が壊滅状況なのは、ほぼ事実だろう。その代わり、産業として成り立っている農業があったり、圧倒的なパワーを持つソフトウェア産業があるのだが、この辺りどう考えているのだろう?全く無視しているのか、言及がない。また製造業が崩壊したといっても、世界中の人がiPodやiPhoneなどのApple製品を熱狂的に買い求めているのをどう考えているのだろう?あれは、生産はアメリカ外で作っているから関係ないとうそぶくのだろうか?
後は、労働者がいかに搾取されているかというお話。実際、そういう側面もあるだろう。でも、解決策を提示しているかといえば、そんなことは全くない。出てきた具体的な対策は、以下のようなもの。
そうではなく、もっと地道に資本主義に戦いを挑みたいと考えています。具体的に言うと、新自由主義者たちのやることなすことに、片っ端から反対する運動を起こすのです。 残業はしない、休日出勤は断固拒否、有給休暇は完全消化、夏は一ヶ月会社に来ない・・・そういうことを、組合運動のように徒党を組むのではなく、一人ひとりがゲリラ的にやるよう国民に働き掛ける。
お花畑が見えてきた。私は取り立てて才のない一介のサラリーマンだが、経済的な自由を得たいと思っている。その為に自分のスキルアップを図るし、投資を学び資産を築こうとしている。サミュエル・スマイルズの自助論を読んで感銘を受け、アメリカに留学し星製薬を創業した星一のような人間を尊敬する。現状に文句を言い何もしない人間より、打ち勝てる人間になりたい。同僚や後輩を尻目に、一人さっさと帰り有給を取るのが戦いとは思えない。それよりかは、チーム全員で早く帰れるような体制を作るほうが幸せだ。
最後に。
コツコツ働いて数十億なんて金額を手にできるはずがあるわけじゃないですか。最初から持っているか、あるいはよっぽど幸運が重なったか、さもなければ人の道に外れたことでもして財をなしたかに決まっています。
森永卓郎の頭の中が垣間見れる一節。財をなしている人は悪なんだね。成功して大金を手にした人は、人の道を外れたことをしている人なんだね。そんな風に見ているんだね。さもしい精神でない?時流にのれば億万長者になれる社会は、活力があって良いと思うけどなぁ。
- 作者: サミュエルスマイルズ,Samuel Smiles,竹内均
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2003/02
- メディア: 単行本
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「騙されない!」ための経済学 モリタク流・経済ニュースのウラ読み術 (PHPビジネス新書 55)
- 作者: 森永卓郎
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/04/19
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