プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

確率論で考え、人の行動をよみ、その背景を知る為の3冊の本

 統計関係の本を2冊まとめて読んでいました。これがなかなか良かったです。確率論や効用で考えれば、どれが良いかは自明のことがあります。でも、実際にはその通りに人間は行動しないことがあります。それについて研究しているのが、行動経済学です。例えば次の例です。

ケース1
 1年後の10万円と5年後の20万円
ケース2
 6年後の10万円と10年後の20万円

 ケース1の場合に両者を同価値と見なす人たちも、ケース2では、10年後の20万円を選ぶそうです。これは割引効用理論が時間で無差別でないためのようです。このように人間の行動が変化するケースを色々と取り上げて、数式を交えながら詳しく説明してあるのが「行動経済学―感情に揺れる経済心理」です。これに対して、統計数字を読み解くセンス―当確はなぜすぐにわかるのか?は、そもそもの確率論や統計的な考え方を易しく説明してあります。どちらも世間に騙されない為に身に付けておくべき教養なのではないでしょうか?ちなみに、そもそも何故行動経済学で研究されるような行動がされるのかを、心理学的や脳化学的に説明しているのが、「売り方は類人猿が知っているです。
 最近読んだ3冊ですが、近い時にまとめて読んだので中々面白かったです。同じ分野をまとめて読むのも楽しいですが、関連する分野を続けて読むのも楽しいですね。なお、行動経済学とは何ぞやと知りたい場合は、行動経済学 経済は「感情」で動いているの方が解りやすくて良いかもしれません。(数式とか殆ど出てこないので、数学アレルギーの方にも勧められます。)



統計数字を読み解くセンス―当確はなぜすぐにわかるのか?(DOJIN選書27)
青木繁伸
化学同人
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5 身近にある面白い例を題材にして"統計学"に親しむことが出来る入門書

行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書)
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3 微妙
4 推奨
4 基礎から学べる入門書
4 行動経済学のコンパクトな解説書

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4 とても読みやすく、概念が広がる
5 わかりやすい
5 マーケの草原を出でて、文化人類学の森を歩む