少し遅くなりましたが、2019年9月22日に開催された技術書典7の参加記です。
サマリー
『AWSの薄い本 IAMのマニアックな話』という本を、1部1,500円で500部用意しました。また、既刊の商業誌を各5冊づつ用意して、1割引で販売していました。また最終的なサークルチェックの被チェック数は、395でした。
当日頒布数は451冊で、売上にして67万6千5百円です。またBOOTHでの電子書籍の販売も22日の正午過ぎに開始して、24日の朝6時の段階で114冊、17万1千円売れています。これに対して経費の方は、印刷代他で20万円弱なので大幅に黒字です。準備不足のまま突入しましたが、まずは大成功でした。
当日配布した本については下記エントリーで紹介しているので、ご興味あれば見てください。
#技術書典 に出展する『AWSの薄い本 IAMのマニアックな話』はこんな本
反省点
大成功と言っても、当日出展している中で様々な改善点がありました。次回以降のために記録として残しておきます。
サマリーで本の内容を伝えるポップ
当日販売していて本の内容・対象をひと目で伝わるポップを用意しておけば、もう少し売上げアップしていた可能性を感じました。当日の時間帯別の販売数の推移をみてください。
時間 | 売上数 | 累計販売数 |
---|---|---|
11:00 | 151 | 151 |
12:00 | 94 | 245 |
13:00 | 82 | 327 |
14:00 | 43 | 370 |
15:00 | 45 | 415 |
16:00 | 36 | 451 |
11時〜13時台の売上は、凄まじく全体の72%をこの時間帯で販売しました。一方で14時以降については、時間あたりの売上は半減しています。店頭に立っていると、客の行動の違いが解りました。11:00〜13:00は、ほぼ事前に買うことを決めてやってきたお客さんです。これに対し、14:00以降は、ブースを巡って本を探しているお客さんです。
前者は、サンプル誌を読むことなく即買いします。後者は、サンプル誌を読んだり、本の内容を聞いたりして選びます。Twitterやブログで事前の告知をしていたので、前者の方には割とPRも出来て本の内容も伝わってたかと思うのですが、店頭で初めて見た方向けの情報が少なかったかなと思いました。ここは次回に向けての改善点です。
商業誌がスペースを圧迫
せっかくの機会なので、商業誌も知ってもらいたいと合計6誌、30冊ほど用意しました。1割引で販売していましたが、やはり技術書典でわざわざ買う動機は少なく、12冊しか売れませんでした。もともと売れるとは思っていなかったので売上自体は良いのですが、スペースを圧迫したのは痛手でした。これは本棚か、或いは縦に並べる展示台のようなものを用意すれば良かったかなと思います。
また唯一売り切れたAWSの認定資格本は、手配ミスで3冊しか用意していなかったです。こちらは12時台で早々と売り切れ、その後に売ってないのと何度も聞かれたので、機会損失していました。技術書典の来場の方の特性上、勉強熱心な方が多かったのかなと推測しています。いずれにせよ、売れたとしてもたかが知れているので、本の宣伝スペースと割り切って、1冊づつ見本誌として用意するのが良かったかなと思います。
交代要員
当日は、会社の後輩に手伝ってもらって2人でのオペレーションでした。2人だとトイレ休憩するくらいが精一杯で、ゆっくり会場を回る余裕はありませんでした。開催前にヤバそうと気がついたのですが、参加証の追加発行をしていなかったのでスタッフの追加が出来なかったです。次回は、執筆者も増やした上で複数人のオペレーションを目指します。
ファシリティ面
当日設営してみると、やはりファシリティ面で改善の余地に気が付きました。箇条書きで列挙すると次のとおりです
- A2ポスターは、裏にダンボールで補強する必要がある
- それ以前にA2ポスターを机の上に置くと、わりと邪魔
- テーブル布の全面にポスターを貼ればよかった
- 見本誌不足。2冊じゃなくて、4〜5冊くらい用意する。あと見本誌と解りやすくする
印刷数
これは、全然知らなかったのですが、印刷所に500冊注文したとして500冊ちょうどに来るわけではなく、それより多い数を用意されるようです。これは落丁対策なのです。で、ダンボールの中に何冊とか書いた紙があるのですが、これを見ずに捨ててしまいました。感覚的には、520冊くらいあったような気がするのですが、正確なところが解りません。正確な本の冊数が解れば、後で売上との突き合わせとかに活用出来たのですが、後の祭りです。
良かった点
ネガティブな面だけ挙げるのも何なので、良かった点もあげておきます。
レジアプリの導入
手伝ってくれた後輩のアイデアで、レジアプリの即売レジというアプリを導入しました。これが中々便利で、時間帯ごとの売上も記録できます。
今回は彼のiPhoneを専有してしまったので、次回はiPadにこれを入れて使うことにします。
事前告知
執筆が押している中、できるだけブログやTwitterで告知するように努めてきました。労力の割には上手くいったようで、販売開始後のスタートダッシュにつながったと思います。一方で、もう少しチラ見せ的な要素で、内容に対する周知もできたかなと思うので、これも次回検討です。
本のテーマの選定
技術書典に出ると決めた時に、時間を掛けて検討したのがどういった本の内容にするかです。同人誌なのだから、少し遊びの要素を入れて普段仕事でしているところから外すことも考えました。でも、初回なので色々手間取ることが予想できていたので、執筆自体で苦労しないテーマを選びました。そうすると必然的にAWSになります。
では、AWSの中で何を書くか。網羅的な内容は、商業誌で既にやっています。また入門的な内容も、mochikoさんが既に良いものを出していて今更参入余地もありません。それでは、特化型とすることにしました。そうした中で書きたいテーマを幾つか考えました。
- IAM本
- Cognito本
- サーバレス本
- S3本
サーバレス本は、テーマが広くもう少し絞り込む必要を感じました。一方で、API GatewayとかLambdaにすると、既に多数の同人誌があるので今回は見送っています。S3本は、個人的には出したいのですが、これで救われる人はどれくらいいるのかなということで一旦見送りです。Cognito本も有力候補なのですが、その前にIAMに比べて必要とする人は少ないです。なので、これも次回でよいかなと見送りました。
結果的にIAMにして、そこそこ当たったかなと思います。Twitterのタイムラインみていても、反響が良いようです。また特にkmutoさんの「同人誌らしい同人誌」という下記のコメントは嬉しかったです。
『AWS IAMのマニアックな話』数々のAWS本を出されている著者による、IAM機能をひたすら掘り下げるという同人誌らしい同人誌。億劫に思ってさぼりがちであろうIAMの設定を、ユースケースを紹介しながらみっちり説明してる。"本書で得られること"は「IAMマニアの称号」らしい… #技術書典
— kmuto (@kmuto) September 22, 2019
感想と次回に向けて
という訳で、なんとか初参加の技術書典を成功のうちに終えることができました。技術書典という場を提供してくださった運営の方、ボランディアの方、ありがとうございます。あの人数のイベントをまわすのは、並大抵の労力では出来ないと思います。本当に感謝しかありません。
さて次回ですが、IAM本を書いていて足りないと思った部分を続編として書こうと思います。テーマはAWSのサービスを使ったセキュリティ強化で10章で取り扱ったCloudTrailやConfig,GuardDuty,組織アカウント、場合によってはSecurityHubやControllTowerあたりを駆使しようかと思います。もう一冊は全くAWSと別分野を考えています。子供向けのプログラム本でも書いてみようかなと思案中です。
あとは、今回単独での参加でしたが、次回は同僚にも書いて貰って複数人で新刊を用意できるように、動いて行こうと思います。それでは、また次回参加するを楽しみにしています。
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