技術書典17が終わりました。
今回は技術同人誌としては、初めて会社のメンバーと1冊の本を作りました。私以外は、全員技術同人誌デビューという形でした。最初に成功体験を持って貰うのが大事だと思ったので、今回は特に売るということにこだわっていました。今後さらに売り方を洗練させるためにも、期間中の売上の推移とやったことをまとめてみます。
日ごとの販売実績の推移
新刊に絞った売上の推移です。11/3にオフラインが開催され、その翌日に集計しています。1日で一気に200冊近く売り上げています。しかし、注目すべきところは、その後にも200冊近く売れているところです。ここについては、後ほど解説します。
日時 | 技術書典オンライン物理+電子 | 技術書典オンライン電子 | BOOTH物理+電子 | BOOTH電子 | 技術書典オフライン | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
11/02 15時 | 19冊 | 4冊 | 1冊 | 0冊 | 0冊 | 24冊 |
11/02 20時 | 30冊 | 4冊 | 11冊 | 0冊 | 0冊 | 45冊 |
11/03 8時 | 40冊 | 7冊 | 15冊 | 1冊 | 0冊 | 73冊 |
11/04 9時 | 83冊 | 22冊 | 27冊 | 10冊 | 117冊 | 259冊 |
11/05 10時半 | 100冊 | 30冊 | 29冊 | 12冊 | 117冊 | 288冊 |
11/08 14時半 | 120冊 | 41冊 | 33冊 | 16冊 | 117冊 | 327冊 |
11/11 10時半 | 129冊 | 50冊 | 33冊 | 17冊 | 117冊 | 346冊 |
11/12 12時半 | 136冊 | 51冊 | 33冊 | 17冊 | 117冊 | 354冊 |
11/14 14時 | 145冊 | 52冊 | 33冊 | 19冊 | 117冊 | 366冊 |
11/16 23時 | 151冊 | 57冊 | 33冊 | 20冊 | 117冊 | 378冊 |
11/18 10時 | 179冊 | 70冊 | 33冊 | 20冊 | 117冊 | 419冊 |
11/23 11時 | 179冊 | 72冊 | 34冊 | 20冊 | 117冊 | 422冊 |
12/28 12時 | 179冊 | 77冊 | 50冊 | 22冊 | 117冊 | 445冊 |
展示会当日
オフライン当日の売上の推移です。こちらは新刊のみではなく、既刊含めて記載しております。しかし売上の中心は、新刊ということが如実に出てきています。
時間 | IAM本 | セキュリティ 本 |
データ分析 設計本 |
昔話 | データ分析 性能本 |
合本(新刊) | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11:00 | 3冊 |
5冊 |
2冊 |
2冊 |
1冊 |
29冊 |
42冊 |
12:00 | 5冊 |
3冊 |
6冊 |
3冊 |
2冊 |
24冊 |
43冊 |
13:00 | 6冊 |
3冊 |
3冊 |
2冊 |
1冊 |
22冊 |
37冊 |
14:00 | 6冊 |
4冊 |
2冊 |
2冊 |
0冊 |
14冊 |
28冊 |
15:00 | 5冊 |
0冊 |
1冊 |
1冊 |
0冊 |
21冊 |
28冊 |
16:00 | 3冊 |
0冊 |
2冊 |
3冊 |
1冊 |
7冊 |
16冊 |
合計 | 28冊 |
16冊 |
15冊 |
14冊 |
5冊 |
117冊 |
195冊 |
過去開催回との比較
過去の開催回との比較です。技術書典16も出展していたのですが、集計していなかったです。ご容赦を。
技術書典7は、新型コロナ流行前の最後の物理開催です。この時は入場規制がなく、1万人以上参加とのことでした。これに対して、技術書典17は約2,600人とのことです。一概には言えない部分もありますが、入場者は売上に対して重要なファクターであるのは間違いないでしょう。
時間 | 技術書典7 | 技術書典14 | 技術書典15 | 技術書典17 |
---|---|---|---|---|
11:00 | 151冊 |
43冊 |
24冊 |
42冊 |
12:00 | 94冊 |
37冊 |
23冊 |
43冊 |
13:00 | 82冊 |
48冊 |
30冊 |
37冊 |
14:00 | 43冊 |
25冊 |
49冊 |
28冊 |
15:00 | 45冊 |
22冊 |
26冊 |
28冊 |
16:00 | 36冊 |
11冊 |
4冊 |
16冊 |
合計 | 451冊 |
186冊 |
156冊 |
195冊 |
オンラインでの販売と広告戦略
新型コロナ後の技術書典は、会場内の適度な混み具合をコントロールして実現しています。以前のような歩けないほどの混雑する状況は二度と現れないでしょう。(※)
※出展者の自分としても、これ自体は大賛成です。
そうなると技術書典の主戦場は、オンラインでどう売っていくかになります。もっと言うと、一日だけ開催されるリアル販売(オフライン会)で注目を浴びて、SNSで話題となってオンライン売上につなげるかです。今回、私達は次の作戦を取りました。
- 販売開始前から、紹介ブログを書いて認知を高める
- 著者全員が執筆箇所の紹介ブログを書いて、テーマごとに興味がある人を合本に誘導する
- Twitter(X)での宣伝を、執拗におこなう
- 購入者を見つけたら、リツイート
この辺りを徹底すると、ある程度は効果があったようです。私の当初の予測は、かなり上手くいって新刊の売上の合計を350と読んでいました。結果としては、+100部の上振れです。当日の売上は、ほぼ予想通りだったので、オンライン販売戦略が上手くいったのではと考えています。
反省点
一方で振り返ってみると2点ほど反省点があります
- Twitter投稿を促す仕組みを作っていなかった
- 合本という名前が適切でなかった
1つ目は、Twitter投稿を促す仕組みを考えていなかったという点です。リアル販売会で買った人が、写真をアップしたくなるような仕組みを作っておけばよかったと後で気が付きました。2つ目は根本的な過ちです。合本を調べてみると、下記のような定義のようです。複数人で書いている場合は、合同誌と書くのが適当でした。次回作、どうしよう。しれっと、『AWSの薄い本の合同誌 Vol. 2』でいいのかな?
数冊の雑誌・小冊子などをとじ合わせて一冊にすること。またその本。合冊(がっさつ)。
まとめ
技術同人誌としては、初めて複数人で執筆という経験でした。初めて執筆に挑戦した人も多く、成功体験を作るということにこだわり、発行部数という点では大きな成功をおさめられました。執筆者も、次回も挑戦したいという人が多くて、狙い通りでした。
商業誌を書いている人が、技術同人誌の世界で売上を狙いにいって大人げないという意見もあるかもしれません。一方で、自分は参加するからには、自分のできることの限界までやり尽くしたいと思っています。過去何度か話したことがあるかもしれませんが、せっかく本やブログを書いても宣伝することに熱心な人は少ないです。良いものを書いても知られなければ、伝えられないのです。なので、プロの端くれとして、これからも売ることにもこだわっていく所存です。