プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

技術書典14オフラインに出展してきました

 2023/05/21 に開催された技術書典オフラインに物理出展しました。大変な賑わいで、コロナ禍という逆境の中を生き残って、よくぞ技術同人誌の文化を残してくれたという感動がありました。運営の皆様、本当にありがとうございました。

 混雑具合も上手くコントロールされていて、出展者として参加して非常に心地よい体験でした。今後も参加していきたいですし、後から振り返られるように、また新しい人が参加する際の参考に、記録や所感を残しておこうと思います。

当日の売れ行きと考察

 まず当日の来場者数です。主催の日高さんによると、当日の入場者数は2,100人だったそうです。

時間ごとの入場者数はわかりませんが、11時から13時までの入場チケットは売り切れていたようです。時間あたりMax500人くらい合計で2,500人くらいで設定していたのではないかと推測します。

 それに対して、私が当日用意した本は、次のとおりです。当日の来場者数は全く解らないので、売り切れを出さないことを目標に設定しました。

  • AWSの薄い本Ⅰ IAMのマニアックな話 30冊
  • AWSの薄い本Ⅱ アカウントセキュリティのベーシックセオリー 30冊
  • AWSの薄い本Ⅲ データ分析基盤を作ってみよう 〜設計編〜 100冊
  • AWSの薄い本Ⅳ 昔話で振り返るAWSの歩み 200冊

 IAM本とセキュリティ本は、BOOTHから在庫を取り寄せて30冊づつ用意しました。データ分析本は長らく物理本が欠品状態だったので増刷です。そして、昔話が新刊となります。後の2冊は印刷所である日光企画から直送してもらっています。こんなに要らないとは予想していたのですが、車で行く予定だったので、持って帰る前提です。(技術書典会場への送料は無料で、自宅に別送したら有料なので)

 さて、当日の売れ行きはどうだったのでしょうか?

時間 IAM本 セキュリティ本 データ分析本 昔話 合計
11:00
7冊
8冊
11冊
17冊
43冊
12:00
6冊
7冊
6冊
18冊
37冊
13:00
12冊
11冊
7冊
18冊
48冊
14:00
4冊
4冊
5冊
12冊
25冊
15:00
2冊
0冊
10冊
10冊
23冊
16:00
1冊
0冊
4冊
6冊
11冊
合計
32冊
30冊
43冊
81冊
186冊

※上記以外にも、現金決済が10冊あります。売れた時間を残していなかったのですが、1時間に2冊づつくらいで満遍なくといった感じです。

 なんとIAM本とアカウントセキュリティ本が2時過ぎに売り切れてしまいました。IAM本の発刊は2019年、セキュリティ本が2020年です。技術書典に来る人にとっては、もう見飽きているだろうという判断を元に用意した冊数です。正直言うとIAM本についてはBOOTH側の在庫もわずかで、増刷するくらいであれば改訂した方がよいと考え、用意できるギリギリの冊数をだしました。これが痛恨の大外れです。
 他の出展者とも話して様子が解ったのですが、久しぶりのリアルの大規模開催ということで、技術書典が初めてという方も多かったようです。そんな事もあって、IAM本を初めて見る人も多かったようです。私のブースの傾向をみると、IAM本とセキュリティ本・データ分析本は、じっくりと見本誌を読んで購入を決める方が多かったです。逆に昔話は、ノールックで買って頂くケースが殆どでした。なので、IAM本とセキュリティ本を売り切れを告げるのが申し訳なかったです。
 今回の様子をみると、既刊50冊づつ新刊100冊くらいがちょうど良かったようです。もう少し来場者が増えると仮定して絶対売り切れ出さないようするには、既刊75冊づつ+新刊150冊くらいですかね。いずれにせよ、普通にやっていると私の場合は200冊くらいが限界だと思います。

頂いた声と回答

Q. IAM本は改訂しないの?
A. します。秋までには。(いつの秋かは解らない)

Q. データ分析本の実装編はいつでるの?
A. 次の次くらいの予定です

Q. Organizations本は?
A. 次の予定です。

Q. AWSに入門したいのだけど、ざっくり解る本は無いの?
A. 面白いテーマです。ただ商業誌に、よい入門書が多いので同人誌として出すか悩ましいです

Q. AWS以外の本とか出さないの?
A. なんか書いてみます

技術書典7との比較

 参考までに、私の技術書典出展の原体験であり、最も混雑した回であった技術書典7との比較です。

時間 技術書典7 技術書典14
11:00
151冊
43冊
12:00
94冊
37冊
13:00
82冊
48冊
14:00
43冊
25冊
15:00
45冊
22冊
16:00
36冊
11冊
合計
451冊
186冊

※前回の様子
#技術書典 に初出展。AWSの薄い本 IAMのマニアックな話を書きました - プログラマでありたい


 技術書典7のあの混雑は、もう戻らないと思います。最初の1時間は、本当に身動きが取れないほどの人が集まって、一方通行オンリーでした。午後になると随分空いたなぁと感じていたのですが、それが技術書典14並の来場のペースです。どちらがいいかという話はありますが、私としては今回のようなゆったりした感じがよいのじゃないかなと思います。
 というのも、今回くらいの来客者数だと1人で店番していても、ブースに来ていただいた方と色々お話しながらでも充分対応ができました。日頃私の本やブログ・Twitterを読んで頂いている方とお話することや、見本誌を読んで頂いた方からフィードバックなどを沢山いただけました。私にとっては、技術書典のオフライン会場は、販売の場というよりマーケティングの場という位置づけにした方がよいと感じているので、今回くらいの混雑具合がちょうどよいです。

感想

 ということで、私の技術書典14のまとめです。今回のブログを読むと、お前のところは知名度あるから余裕だけど、出展者の多くはもっと大変なんだぞという批判は出てくるんじゃないかなと思います。ただ、記録は記録として残しておいた方が良いと思うので、そのままストレートに公開させて頂きます。
 私としては、あのコロナ禍の絶望の中で、運営の皆様の並々ならぬ努力と工夫のお陰で技術書典ひいては技術同人誌の文化が残っていったことに感謝感謝です。単純に販路という意味では、私の場合はBOOTHやKindle ダイレクトパブリッシングで確保しています。なので、例え技術書典が無かったとしても、もう困らないかもしれません。しかし、それだけでは新規で技術同人誌を書いてみようという人には参入者には厳しすぎます。日本の技術同人誌をとりまく環境は良い文化になっていると思うので、少しでも何か貢献していきたいなと考えています。これを見て、自分も出展してみようだとか、技術同人誌を書いてみようという人が出てくるとよいなと思います。それでは、また次回の技術書典でお会いしましょう!!

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