プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

「AWSの薄い本Ⅳ 昔話で振り返るAWSの歩み」を書きました

今年はアウトプットするぞということで、2年ぶりに技術同人誌を書きました。2023年5月21日開催の技術書典14 オフラインで販売します。またBOOTHにも入庫中です。

booth.pm

内容

 技術的な話ではなくて、AWSが出た当初はどんなだったのかという昔話です。日本に最初のAWSリージョンが開設されたのが、今から10年以上前の2011年です。そして、AWS自体は2000年代からありました。そうなるとエンジニアを始めた頃から、当たり前のようにクラウドがあったという人が多くなっています。昔からAWSを見てきた一人のユーザーとして、AWSの昔話を残しています。現在ではAWSには様々なサービスがありますが、例えばEBSのようにこれが無かった時代はどうやっていたのだろうと疑問に思うようなものもあります。無い時にどうやっていたのかの工夫と、不便がどんどん解消されていった時の空気感を伝えようとしています。
 中のコンテンツは、ブログで発表済みのものもあります。ブログからブラッシュアップしていますが、私のブログを全部読んでいるよという酔狂な方は、ご注意ください。

目次

第1章 最初の AWS サービスは何か?
 1.1 AWS の何が画期的だったのか?
 1.2 ジェフ・ベゾスの掟(The Bezos Mandate)
 1.3 インターネット時代の malloc S3
 1.4 始まりのAWS SQS
 1.5 名前を奪われた、もう一つの AWS
 1.6 群衆のクラウド Amazon Mechanical Turk
 1.7 AWS が巨大なプラットフォームになったのは何故か?
第2章 EC2 クラウドという概念をつくりあげたパイオニア
 2.1 原初AWSの海に漂っていたEC2
 2.2 GUI のコンソール画面なんて無い!! 統合的な CLI も無い
 2.3 EBSが無い時代のEC2
 2.4 2006年にEC2を出したAmazonの決断
第3章 ストレージサービス AWS の覇権の原動力
 3.1 EBSもっともハードウェアに近いサービス
 3.2 S3 時代を超越したオーパーツ
 3.3 AWSのストレージサービス
第4章 IAM 遅れてきた仕事人
 4.1 IAM以前
 4.2 VPCにみるAWSの設計ミス
 4.3 IAMがAWSにもたらしたもの
第5章 Before After CloudTrail
 5.1 CloudTrailがなかった時代
第6章 何もないところから始まった AWS
 6.1 揃う前にリリース
 6.2 記憶を記録に

書こうと思ったキッカケ

 さて、そもそも何でこの本を書こうと思ったのでしょうか?前々から、自分が知っている事を残すというのは、意味があるのではと思っていました。「永富家の人びと」という本があって、これは鹿島建設の「中興の祖」と言われる鹿島 守之助が作った鹿島出版会が出している本です。永富家というのは、兵庫県たつの市にある旧家で、永富家住宅として国の重要文化財にも指定されています。鹿島 守之助は永富家の出身で、鹿島家に養子にいきました。その関係もあって、鹿島出版が、守之助にまつわる事項をまとめたのでしょう。

 この本には、永富家の他に、近隣の縁がある家についても記載されています。佐々木家も実父が継いだ加藤家も永富家と縁があり、昔から養子に行ったり嫁に行ったり貰ったりしていたようです。そんな関係もあり、佐々木家のことも記載されています。読んでいると江戸時代の当主(永富家からの養子)の振る舞いが身分不相応とかで藩に怒られて蟄居したなど、本人の性格とともに記されていました。こんな記録、よくまとめたなぁと思うと共に、まとめてくれた人がいるから百年以上後にも様子が解るのだよなと思いました。

 EC2, S3がリリースされてから17年が経ちました。振り返ってみると、わずか10年程の前のことも記憶があやふやです。また、いろいろな情報がインターネットにありますが、その情報も消えてしまうこともよくあります。なので、1冊の本でまとめることの大切さを実感しています。そんな大層なものではないですが、10年後の誰かに役にたてば幸いです。

感想

 最近、継続的に文章を書くのが大変になってきました。加齢もあるし、家庭環境・仕事環境もあると思います。この本をキッカケに、また創作意欲が湧いてくるといいなと思っています。なんだかんだ、毎日少しづつ書けるのが一番充実するんですよね

booth.pm