こんにちは。仕事でAWSの構築し、プライベートでAWSの研究と技術書の執筆をし、Amazonで本を売っているAmazon依存症の佐々木(@dkfj)です。
先日、滋賀県大津市唯一のデパートである西武百貨店が閉店となりました。元滋賀県民としては、寂しさがあるのでちょっと語ってみます。ちなみに大津市に住んでいましたが、大津市と宇治市の境の山奥に住んでいたので、子供時代は西武がある辺りは大都会だと思っていました。
西武百貨店は44年の歴史がありましたが、近隣の大型商業施設はことごとく短命で終わっています。
浜大津OPA(オーパ) 1998年オープン、2004年閉店
大津PARCO 1996年オープン、2016年閉店
時代の流れもありますが、滋賀県の特殊要因も多分にあるので、ちょっと解説してみます。
大津市の大型商業施設が厳しい理由
琵琶湖がある
滋賀県の宿命ですが、琵琶湖があるというだけで商業地としては致命的なハンデを持っています。どういうことかというと、普通店舗は徒歩や車などの移動手段の違いはあれど、半径○○キロ圏内の人を前提として商圏を持ちます。琵琶湖があると何故問題なのか?商圏の半分が湖の底になってしまうからです。言葉で説明してもイメージわきにくいので、Google Mapsさんのスクショで説明させてもらいます。西武百貨店を中心に円を適当に書きましたが、半分は琵琶湖になりますよね。
琵琶湖には当然人は住んでいなくてブラックバスしかいないので、お客さんにはなりえません。もう少し下流にいった魚と遊べるパラダイスの南郷水産センターの鯉であればもう少しで地上に出てこれそうですが、それにしたってお金を持っていません。
ということで、琵琶湖のせいで商圏が半分というハンデがあります。
琵琶湖じゃないところは山がある
じゃぁ、もう少し琵琶湖から離れたところに立地すればいいじゃないかと思うかもしれません。でも、それも難しいのです。滋賀県と聞くと琵琶湖だけあるようなイメージですが、それは正確ではありません。琵琶湖じゃないところは山しかないのです。(ちょっと言い過ぎ)
先程の地図を航空写真で見てみましょう
はい。琵琶湖と山に挟まれていますね。もう少し琵琶湖より離れられそうにも見えなくはないですが、JRより西側(写真左)の方は斜面を切り開いたところです。
ちなみに西の山は、織田信長の比叡山延暦寺の焼き討ちで有名な比叡山を含む山脈です。お猿さんが多くて、たまに麓の方まで遊びに来てくれますが、やっぱりお金は持っていないですね。
京都駅に近い
あともう一つ致命的な問題があります。それは、実は電車だと京都駅にめちゃくちゃ近いということです。他県の人から見たら、或いは京都市の人から見ても大津と京都は離れているように印象を持っていると思います。でも、JRに乗ると大津駅〜京都駅は10分でいけます。早いやつだと9分。ということで、がっつり買い物しようと思うと、みんな京都に行ってしまうのですよね。
以上、3点が大津市の商業施設が持つハンデでした。まぁもともとそれ前提の店舗計画なので、モノが店舗で売れなくなったとかの時代の流れも大きいとは思います。ちなみにこの構造は明るい廃墟として名を馳せたピエリ守山と同じ構造ですね。あちらは、琵琶湖大橋のそばということで、渋滞の問題もあったりします
そして草津の時代になったが
ついでに蛇足。滋賀県は最近では大津より少し北東の草津の方が近鉄百貨店を中心に発展しています。草津と聞くと温泉を思い浮かべると思いますが、まったく関係ない草津です。草津駅周辺は、もともと琵琶湖から離れた田園地帯でした。それがベットタウンとして発展し人口が増え、かつ琵琶湖の呪縛からも京都の重力からも離れているお陰で上手く離陸できた模様です。
一方で起爆剤の一つであった立命館大学のびわこ・くさつキャンパスが離れていくこともあり、どうなるのかなぁと心配なところではあります。
まとめ
琵琶湖あっての滋賀県ですが、琵琶湖のほとりの商売は大変です