プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

序文 "Amazon Web Services クラウドネイティブ・アプリケーション開発技法 "

 前作の『Amazon Web Services パターン別構築・運用ガイド』の序文の一部に次のような文章を書きました。

 クラウドという言葉が一般的になってから、もう何年も経とうとしています。当初は、不慣れな従量課金やセキュリティへの不安から、採用する企業はごく一部の企業に限られていました。しかし、クラウド自身の進化と、それを取り扱うユーザ・企業・コミュニティの成長とともに、多くの企業がクラウドを検討・導入するようになりました。そして最近では、クラウドファーストという考え方のように、システムの導入の際はまずクラウドで実現できないかという考え方が当たり前になりつつあります。今では更に考え方が進み、クラウドネイティブという名のもとに、クラウドを前提としたアーキテクチャ・設計が採用されつつあります。

 この文章を書いていた当時は、2014/2015年の年の瀬でした。私の実感としては、ようやくクラウドファーストという考え方が定着してきて、(第一候補として検討するかは別に)インフラの選択肢の1つとしてクラウドを検討するというのが当たり前のようになってきました。Google Trendsでみると次のようなグラフになっています。
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 一方でその頃の海外では、クラウドネイティブの名の元にクラウドのサービス前提で如何に効率よく低コストで信頼性の高いシステムを構築するかの議論が活発にされていました。この流れはいずれ日本にも来ると確信していましたが、後2〜3年は掛かるのではと予想していました。ところが、AWSがLambda,API Gatewayと矢継ぎ早にサービスを展開したお陰もあって、予想以上に早く普及しそうな気配を感じます。Google Trendsのグラフを見ても、注目が集まっているのが解ります。
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クラウドネイティブを追いかけている人たち



 一方で、クラウドネイティブ・或いはマイクロサービス/サーバレスといったアーキテクチャを追いかけている人たちは誰かと見てみると、元々AWSの構築に携わりAWSに習熟していた人たちが中心です。担当レイヤーでいうと、インフラエンジニアと呼ばれる人が多いように思えます。
 API GatewayやLambdaは、インフラエンジニアとアプリエンジニアの垣根を壊す破壊的イノベーションです。そして、そのイノベーションは、アプリエンジニアが直接利用し始めた時に、真価を発揮するのではと思っています。そういった意味で、今回の本はアプリエンジニアがクラウドを触ったらというテーマになっています。

本書の執筆陣



 今回の執筆陣は、基本的にアプリエンジニアです。前作の著者である私と佐藤も書いていますが、どちらもアプリエンジニアとしての経験を積んでいます。他のメンバーについては、特にモバイルアプリとフロントエンドアプリ(JavaScript)を得意としている人間を集めています。そういった意味で、アプリエンジニアが、AWSに入門するにはちょうど良いのではと思います。実際、執筆者たちも今まで以上にAWSのファンになっていきました。

まとめ



 『Amazon Web Services クラウドネイティブ・アプリケーション開発技法』の序文を載せて反響を見ようと思ったのですが、書いたと思っていた序文が書いていませんでした。考えているのは、上記のようなことなので、急いでまとめます。


Amazon Web Services クラウドネイティブ・アプリケーション開発技法 一番大切な知識と技術が身につく

Amazon Web Services クラウドネイティブ・アプリケーション開発技法 一番大切な知識と技術が身につく

  • 作者: NRIネットコム株式会社,佐々木拓郎,佐藤瞬,石川修,高柳怜士,佐藤雄也,岸本勇貴
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2016/04/20
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る

See Also:
アプリケーションエンジニア向けのAWS本を書きました
Amazon Web Services クラウドネイティブ・アプリケーション開発技法の目次
『Rubyによるクローラー開発技法』を書きました
『Amazon Web Services パターン別構築・運用ガイド』を書きました