古参のAmazonのソリューションエンジニアかつクラウドの設計定石集であるCDPの発起人であるNinja of Threeの一人である#ヤマンこと片山さんに、「Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド 改訂版」を頂きました。ありがとうございます!!
初版と改訂版の違い
初版と改訂版の違いは、発売後に様々なAWSのサービスが追加になったことで最適なデザインパターンが変わったことへの対応や、より厳しいセキュリティや可用性のニーズに対する対応が増えています。。CDP部分を目次レベルで比べると、下記のようになっています。赤字部分が変更箇所です。
改訂版 | 初版 | |
---|---|---|
基本パターン | Snapshot / Stamp / Scale Up / Ondemand Disk |
Snapshot / Stamp / Scale Up / Ondemand Disk |
可用性向上パターン | Multi-Server / Multi-Datacenter / Floating IP/ Deep Health Check |
Multi-Server/ Multi-Datacenter/ Floating IP/ Deep Health Check/ Routing-Based HA |
動的コンテンツの処理パターン | Scale Out / Clone Server / NFS Sharing / NFS Replica / State Sharing / URL Rewriting / Rewrite Proxy / Cache Proxy / Scheduled Scale Out |
Clone Server/ NFS Sharing/ NFS Replica/ State Sharing/ URL Rewriting/ Rewrite Proxy/ Cache Proxy/ Scheduled Scale Out/ IP Pooling |
静的コンテンツの処理パターン | Web Storage / Direct Hosting / Private Distribution / Cache Distribution / Rename Distribution / Private Cache Distribution |
Web Storage/ Direct Hosting/ Private Distribution/ Cache Distribution/ Rename Distribution/ Private Cache Distribution/ Latency Based Origin |
データアップロードのパターン | Write Proxy / Storage Index / Direct Object Upload |
Write Proxy/ Storage Index/ Direct Object Upload |
リレーショナルデータベースのパターン | DB Replication / Read Replica / Inmemory DB Cache / Sharding Write |
DB Replication/ Read Replica/ Inmemory DB Cache/ Sharding Write |
バッチ処理のパターン ⇒非同期処理/バッチ処理のパターン |
Queuing Chain / Priority Queue / Job Observer/ Scheduled Autoscaling |
Queuing Chain/ Priority Queue/ Job Observer/ Fanout |
運用保守のパターン | Bootstrap / Cloud DI / Stack Deployment/ Server Swapping / Monitoring Integration/ Web Storage Archive / Weighted Transition |
Bootstrap/ Cloud DI/ Stack Deployment/ Server Swapping/ Monitoring Integration/ Weighted Transition/ Ondemand Activation |
ネットワークのパターン | OnDemand NAT / Backnet / Functional Firewall/ Operational Firewall / Multi Load Balancer/ WAF Proxy / CloudHub |
Backnet/ Functional Firewall/ Operational Firewall/ Multi Load Balancer/ WAF Proxy/ CloudHub/ Sorry Page/ Self Registration/ RDP Proxy/ Floating Gateway/ Shared Service/ High Availability NAT |
赤字の部分を中心に読んでいたのですが、その背景になるシチュエーションが色々思い浮かんでフムフムとよんでいました。必要なのが随時追加されていますね。またRoute53の機能の追加等、CDPに大きな影響を与えるものも、漏らさず追加されていました。次は、EFSが出たらCDPがどう変わるのか。注目しています。
改訂版と増刷の違い。そしてKindleの扱い
ちなみにたまに聞かれるので補足しておきます。改訂版と増刷の違いです。増刷は基本は印刷・出荷した分が品薄・品切れになり、同じものをそのまま販売されます。ただし、増刷の場合も誤字脱字程度は修正されることが多いです。改訂されずにそのまま2回増刷した場合は、初版第3刷といった感じで表記されます。これに対して、改訂版は内容を大幅に変更されます。基本的には別の本扱いになり、書籍の一意な識別子であるISBNも別のものを付与されます。クラウドデザインパターン 設計ガイドであれば、初版のISBNは4822211967に対して、改訂版は4822277372になっています。表記としては幾つかパターンありますが、改訂版第1刷といった形になります。
また最近知ったのですが、Kindelの場合は申請すると改訂版を無料でダウンロードできるようです。今まさにKindleのセールをしているので、旧版のKindleを買っておいて改訂版のKindle版がでたらアップデートするのも手かもしれませんね。
クラウドデザインパターン 設計ガイド 改訂版の著者陣について
実は今回のクラウドデザインパターン 設計ガイド 改訂版の著者は3人ほど増え、野村総合研究所から、野上忍さん、瀬戸島敏宏さん、坂西隆之さんの3人が参画しています。実はグループ会社で面識もあり、改訂版の話も事前に聞いていました。私が「Amazon Web Services パターン別構築・運用ガイド」を出した時は買ってねとお願いしてたので、自前で買おうと思ってたのですが貰ってしまいました。そういうことで、Kindle版が出たら買おうと思います。
まとめ
クラウドネイティブな設計をするのであれば、クラウドデザインパターン(CDP)は正に定石集となります。是非、早い段階で読んでおきたい一冊になります。また、実はこの内容はオンラインでもそのまま公開されています。CDPを普及させたいという心意気がでていますね。
また、CDP実装面についてはクラウドデザインパターン実装ガイドがあり、最近改訂されています。そちらも合わせて参照するといいと思います。また、AWS全般に関する分厚い本もありますので、そちらの方もよろしくおねがいします。
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「Amazon Web Services パターン別構築・運用ガイド」の目次
『Amazon Web Services パターン別構築・運用ガイド』を書きました
『Rubyによるクローラー開発技法』を書きました
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