私の最も好きな本のうちの1冊である「銃・病原菌・鉄」がKindleで発売決定したようです。2013/7/12発売で、もう注文出来る状態になっています。併せて、「文明崩壊」と「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」もKindle化します。私は文明崩壊は読んでいないので、これを機に買うことにしました。かなり楽しみです。
下の文章は初めて読んだ時の感想ですが、見ているうちに改めて読みたくなってきました。
人類の発展史を、環境の差異に着目して分析しています。ありそうで無かったこの視点ですが、読んでいて度肝を抜かれます。農耕が始まった地域と始まらなかった地域。大陸が東西に広がっているのと、南北に伸びていることの違い。家畜化出来る野生種の有無が、文明に与えた影響。文字を発明するということの困難さ。不毛の大地・オーストラリア。興味深い分析の数々で、読むのが止められなかったです。
例えば、農耕について。今では大規模な農業地になっているところでも、古代では狩猟採集しか行われていないところは多数あるようです。この原因は何か?単純にそこに住んでいた人の資質・文化ではなく、野生種によるところが大きいとか。実は、野生の植物で栽培化することが出来るものは非常に少ないそうです。また、その分布にも偏りがあるそうです。例えば麦類でも、肥沃な三角地帯と呼ばれる人類が最初に農耕を始めたとされる地域では栽培可能な野生種は多数あっても、アメリカ大陸やオーストラリアでは殆ど存在しなかったそうです。農耕が出来るか出来ないかでは、土地1ヘクタールあたりの採取可能なカロリー数も格段と違ってくるので、この時点から発展の差異が出てくるとか。
人類の発展史を、南北と東西の違いや野生種による違いに着目しての分析を初めて読んだ時は、そういった視点があったのかと度肝を抜かれました。この説に対する賛否については検証していないので今でも正しいのかは知りませんし、論拠が薄いところも多く強引な論説が目立つのも事実です。一方で本書を読んだ時に、新たな考え方を知って非常に興奮したのを覚えています。
ジャレド・ダイアモンドの本は分厚くて持ち歩き辛く読んでいない本が多いので、これを機にどんどんKindle化してくれればなぁと思います。併せて、ウィリアム・H. マクニールの世界史もKindle化してくれないものですかね?
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