プログラマでありたい

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何故みんな頑張っても上手くいかないのか? 組織は合理的に失敗する

 何気なく手に取った「組織は合理的に失敗する」を読みました。

個人は優秀なのに、なぜ“組織”は、不条理な行動に突き進むのか?日本陸軍の失敗を題材に、「取引コスト理論」「エージェンシー理論」「所有権理論」といった最新の経済学理論を使い、現代企業が抱える組織の問題を解き明かした話題作。


 全ての事象を「取引コスト理論」や「エージェンシー理論」で説明しているのでかなり無理がある部分が多いですが、それを差し引いても読んで良かったと思える一冊です。本書の中で繰り返し説かれている内容を要約すると、次のようになります。「組織も人も完全に合理的(完全合理性)というのはありえない。かといってまったく不合理な存在ではない。与えられた条件、情報の中で合理的に振る舞おうとする(限定合理性)。また個人は制約の中でもその中で出来るだけ合理的に動こうとするが、前提とする制約の為に全体としては非効率な自体に陥ることも多々ある。なので、組織の上に立つ物は自分が完全に合理的に行動出来るという幻想を捨てて、分権化を考えるべきだ」
 組織論として中々面白いと思います。日本の組織は、個々の人々は優秀で一生懸命頑張っているのに、全体としては非効率というのはよくあると思います。何故そうなってしまったのか考えるヒントになりそうですね。


組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)
菊澤 研宗
日本経済新聞出版社
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