以前、マクニールの世界史を銃・病原菌・鉄と一緒に読んでいました。中々お気に入りの一冊で、何が良いかというと因果関係の元に歴史を伝えているということです。歴史の個々の事象を語るのではなくて、その結果どうなっていったのかという視点で延々と続いていきます。これが解りやすいです。高校で世界史を勉強する時に、一緒に読んでおいたら流れを理解するのが100倍くらい違ってきそうな感じです。
一例を上げると次のような感じです。
青銅から鉄へ
鉄鉱石は銅や錫の鉱石よりずっと豊富。しかし、鉄の治金技術ははるかに難しいので青銅から利用される。
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治金技術の向上により、鉄鉱石が利用可能に
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鉄器の普及により、経済的・軍事的に重要な結果を生む。鉄製の犁や鎌、武器。
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軍事・農業に様々な影響。国のあり方・勢力図にも変化
西洋の馬
パルティア人は紫馬肥を飼料にすると、馬が大型化することを発見
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馬が大型の武具に耐えられるようになり、完全武装になる
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草原地帯の軽騎兵の矢の脅威が減退し、防衛が可能になる
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一方で完全武装の騎馬の戦士を維持するには莫大な費用が必要
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騎馬戦士は領主となり、防衛の義務の変わりに収入の保証
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騎士階級の誕生
歴史好きの人は、是非一度読んでみてくださいな。
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今年一番面白かった本。銃・病原菌・鉄 ―1万3000年にわたる人類史の謎