あまりSFは読まないのですが、数ヶ月前に読んで印象に残っているのがアンディ ウィアーの「火星の人」です。内容としては、下の書籍内容の引用を読んで貰えれば解るのですが、火星に取り残された人のサバイバル記です。
有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。ところが――。奇跡的にマークは生きていた!? 不毛の赤い惑星に一人残された彼は限られた物資、自らの知識を駆使して生き延びていく。宇宙開発新時代の傑作ハードSF
火星の人の楽しみ方
この本の面白いところが、(SFってそういうものかもしれませんが)妙にリアルに拘っているところです。例えば、逆算して救助に来るのが最短でXX日で、一日のカロリー消費量が□□とすると手持ちの食料で△△日分持つ。その結果、◯◯日分足りないので食料を生産しないといけない。食料生産に必要なものは、土と酸素と水とバクテリアが必要だが水が足りないので、水素と酸素を反応させて生成しようといったような流れです。極論すればひたすらこの手の類のことを繰り返しているのですが、これが中々面白いです。一部、おかしいのではないかという設定もあるものの、その辺りはご愛嬌です。例えば、腸内細菌で再繁殖できるのではとか。
調理と科学の関係
あと関係ないのですが、一時期温かい料理は何故美味しく感じるのかと考えていた時がありました。美味しく感じるということは、人間にとって摂取することが好ましいもののはずです。人間として好ましいということは、例えばエネルギー源として望ましいということでしょう。では、何故温かいものはエネルギー源として好ましいのか。熱エネルギーを体温として熱エネルギーを直接取り込むのかなと考えてた時期もありました。よくよく考えると、温かい食べ物は熱変性でタンパク質が変性しているので、人間が取り込めるカロリーとしてはたぶん大きくなるんですね。とか、そんなことを読みながら考えていました。
まとめ
秋の夜長に、ちょっと違ったジャンルの本を読んでみたい場合はお勧めです。
- 作者: アンディウィアー
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/09/30
- メディア: Kindle版
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