プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

とある団体の研修の話

 とある団体の研修の話
・参加希望者は、冬の寒い時期に門の前で3時間くらい待たされる
・志望動機を大声で、声が枯れるまで何度も何度も繰り返さないといれて貰えない
・決められた持ち物以外、基本的に所有物は全て取り上げられる
・夜の10時就寝。起床は朝の3時半。
・来る日も来る日も、廊下の雑巾がけ
・もちろんトイレ掃除も重要な仕事
・先輩の言うことは、絶対服従。鉄拳制裁も当たり前。


 これだけ書くとどこのブラック企業と思うでしょうが、永平寺の修行の雲水の日常です。先日、永平寺に行ってきました。一通り廻ったあとに、ビデオの上映がしていたので見ました。見たのが、「修行の四季」というDVD。その余りに過酷な修行風景に驚きました。また、何故か怒声が飛び交う修行風景に。超体育会系です。そして感想は、この人ら宗教がかってるなぁと。


 俄然興味をもって家に帰ってから、永平寺で実際に修行した人の本を読んでみました。「食う寝る坐る永平寺修行記」。普通にサラリーマンしていた著者が一念発起して、永平寺で1年間修行した時の記録です。お寺さんの跡取り息子とかではないので、変なバイアスが少なく客観的に物事が見れているので参考になりました。その実態は、やはり体育会系です。そしてブラック企業の研修風景そのものです。
 ただ著者の話によれば、効率的に教えていく為に仕方がない部分があるようです。効率的に叩き込もうとすると、自我を捨てさせ反抗心をなくしコントロールするのが良いのでしょう。そして仲間との連帯感や達成感を満たすことにより、目的に向かう組織の出来上がりです。この著者自身、永平寺の修行に対しては肯定的に捉えているようです。700年以上続いた組織、その研修ノウハウはある意味恐るべしです。考えてみれば永平寺の修行は何百年も前にあって、研修に暴力がいけないという価値観はここ数十年の話ですもんね。(私は耐えられないと思いますが)


 まぁ修行の是非はおいておいて、永平寺の伝統や風景は素晴らしいものがあります。是非一度は、行ってみるとよいですよ。


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5 徹頭徹尾、実践の人
5 宮崎禅師と立松和平の静かな問答・禅を知る

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5 山の中まで学歴が
4  厳しい 「禅宗の 世界」。
4 出家とは釈迦の弟子になること
4 「道」
4 丁寧な修行記録