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追い込まれた「かんぽの宿」日本郵政 鳩山総務相の「直感」に与野党同調

 日本郵政が29日、ついにオリックスグループへの「かんぽの宿」の一括譲渡を断念した。きっかけは「国民は納得しない」という鳩山邦夫総務相の「直感」だったが、国会で与野党そろい踏みで鳩山氏を支持したこともあり、日本郵政は厳しい立場に追い込まれた。

 個人の直観で物事を曲げられるこの国はどうなっているのかなぁと思います。そもそも競争入札しておいて、鶴の一言でやーめたというのはいかがなものなのでしょうか。国民の感情という得体のしれないものではなく、合理的な判断で決定して欲しいものです。

 決定打となったのは、28日に70施設の土地取得代と建設費が総額2400億円にのぼることが判明したことだ。鳩山氏は「土地だけをたたき売るような値段だ」と反発し、もはや説得は不可能となった。

サンク・コストという概念があります。投下した資金のうちで、もう回収できない費用のことです。代表的な例で言うと、無くした映画のチケット。

ある映画のチケットが1800円であるとする。しかし映画が余りにもつまらない時、1800円払った映画を見るべきか、それとも映画館を出て残りの時間を有効に使うかが問題となる。

* 映画を見るのを止めた場合:チケット代1800円は失うが、上映時間を有効に使うことができる。
* 映画を見続けた場合:チケット代1800円に加え、約2時間(上映時間)を失う。

この場合、チケット代1800円が埋没費用となる。この埋没費用は、どの選択肢を選んだとしても回収できない費用である。そこで時間を浪費してまで、つまらないと感じる映画を見続けることは合理的な選択とはいえない。残りの上映時間を有効に使うことが合理的な選択となる。

 お金を出してしまったことはもう取り返しがつかないのだから、その事実を判断材料に使わないというのが合理的な選択になります。かんぽの宿の場合も、取得原価で考えるのではなく、毎年垂れ流している40〜50億の赤字という事実で検討すべきなのではないでしょうか?これは、無くすことが出来ます。オリックスに譲渡すれば、少なくとも日本郵政の懐が痛むことはありません。さっさと手放すべきでしょう。