全部俺の15日目くらいです。昨年、今年と1冊づつ技術書をだしています。勉強会に行くと、たまに経緯を聞かれるので共有しておきます。
直接的なキッカケ
直接的なきっかけは、編集者からメールでお誘いがあったことです。Rubyのクローラー関係の記事をブログに幾つか書いていて、それを見た編集者が声を掛けてくれたという経緯です。当時はRubyでクローラーに関する情報も少なく、幾つかのワードで検索すると私の記事が常にトップに出るという状態でした。ということで1冊目のRubyによるクローラー開発技法は、著者である私の持ち込み企画ではなく、編集者の企画で書ける人を探していたというのがスタートです。
発売された当時は仕事やプライベートで勉強会やセミナー等で登壇していたことは何度もあったので、それ経由で声を掛けられたと思われることもありますが、実は全く関係なかったのです。また声を掛けられた当時は、完全に匿名でブログ書いていたのでリアルの知人でこのブログのことを知っている人もいませんでした。
間接的なキッカケ
上記のようにキッカケは完全に偶然でした。ただし、偶然を呼びこむ要素は幾つかありました。1つはニッチな分野で強みを発揮していたことです。Rubyの言語本となると、Ruby界には重鎮が沢山いて、私なぞ出る幕もなかったです。しかし、クローラーだとRuby界隈の人には特に興味を示している人がおらず、業務でやっている人も表に出てきていない状況でした。
次にマインドの問題です。私はこの業界に入って暫くして、いつかは技術書を1冊でも書いてみたいなと思っていました。その為の具体的な方策については考えていなかったのですが、素振りがてらにブログは書き続けていました。結果的には、そこが直接的に結びついたという訳です。
AWS本の場合
ちなみに2冊目のAWS本については、1冊目が好調だったこともありAWS本も書くかという打診がありました。AWSの場合は、ユーザーコミュニティの層が厚いです。今年も何冊か出ましたし、他にも書いているという話を知っています。このような状況になると、出版社はコミュニティでの実績がある人に声を掛けるので、クローラー本の時のようなブログに書いていたからというキッカケは起きないと思います。ということで、ニッチ本とは違う戦略が必要になります。
打席に立つ
もう1つ大切なのが、チャンスがあったら飛びつくことです。冷静に考えると、本を書いたことが無い人間が400ページ超の本を仕事の傍らで書くのは無謀です。当初、本を書いたことがある人間に聞いてみたところ、無理無理と言われました。でも、1度しかないチャンスかもしれないので、思い切ってやってみたところ出来ましたというのが現実です。ということで、やれるかやれないかではなく、やりたいかどうかで判断するのも大切ではないでしょうか。
ソフトバンクの孫さんも、こう言っていたそうです。「チャンスの女神は前髪しかない。今の私の結果は、前髪を掴み続けた結果だ。」
その他の補足
本出して儲かりますかと聞かれますが、儲かりません。投入した労力との対価で考えると、割に合いません。技術書は、完全に自分のブランディングの為と割り切っています。そこの部分、いつか改善しないと日本語の技術書の未来は暗いのではと思っています。
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