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周回遅れでGmailのカテゴリーとスパムメールの話


 Gmailのカテゴリー機能がついて3ヶ月以上経ちました。改めて良い戦術だと思っています。メールサービスを提供する上で一番難しいのは、スパムへの対処でしょう。では、そもそもスパムの定義とは何でしょう?Wikipediaさんによると、次のように記述されています。

スパム (spam) とは受信者の意向を無視して、無差別かつ大量に一括して送信される、電子メールを主としたメッセージのことである。インターネット上での電子メール利用者の元に届く、事前に許可していない広告メールをスパムと呼んでおり、また、これはあまりに普遍的な現象や問題であるため、技術用語としても通ずる。電子メール以外の無差別かつ大量のメッセージの送信なども含まれることがある。日本では電子メールを対象としたものについては、一般に「迷惑メール」と呼ばれる場合が多い。

ユーザからみたスパム



 一般的な定義としては、上記の通りでしょう。しかし、受信者側からすると、一度は許諾をしたものの大量に送られ続けてきて、かつ解除がしにくいメールも、ほぼスパムメールと同義です。セクハラの定義と一緒で、本人が嫌がったらスパムメールなのです。
 従来からGmailやHotmailなどのフリーメールサービスは、メルマガ系のメールをスパムとして扱われやすい問題がありました。理由としては、利用者側が迷惑と思ったら容赦なくスパム報告をするからです。以前書いていますが、誰に対しても完璧なスパムフィルターを作るのは不可能に近いです。Aさんにとって有益な販促メールも、Bさんにとってはただの迷惑メールだからです。私は、これをgmailの限界と呼んでいました。それに対する答えが、カテゴライズなのかもしれません。

Gmailのカテゴライズ機能がもたらしたモノ



 カテゴライズ機能をデフォルトにすることにより、販促メールをプロモーションとして堂々と振り分けることが出来ます。こうすることにより、送信者側にも受信者側にも文句を付けられないように出来ます。送信者側は、スパムに分類されたら文句を言いますがプロモーションに分類されたら文句を言えません。受信者側は、どのように分類されてもどこで見えるかだけ解っていれば充分です。
 さて、今回の変更は送信者側と受信者側のどちらがメリットが大きいでしょうか?間違いなく受信者側でしょう。スパムメールの如く送られてくるプロモーションメールに煩わされることなく、読みたいメールだけに集中できます。必要となれば、自分の意志でプロモーションからメインに変更することが出来ます。Googleとしては、従来からプロモーションメールを排除する能力はあったと思います。しかし、単純に排除すると色々な軋轢をうみます。それを今回のような形で分類を導入することにより、自然と受信者(ユーザ)側に沿った形の設計に改めたのだと思います。上手いなぁと感心します。


See Also:
スパムメールの経済学
必ずスパムと判定されるメールと、ウィルスの作り方


参照:
受信トレイのタブとカテゴリ ラベル - Gmail ヘルプ