先日リザーブドインスタンスとスポットインスタンスの話と、AWSの利用料を少なくする為の方法を書きました。今回は請求を1つにまとめる一括決済(Consolidated Billing)の話です。
一括決済(Consolidated Billing)とは?
まず一括決済とは何なのでしょうか?複数のAWSアカウントの請求を全て、1つの請求アカウントにまとめて統合することです。請求アカウントを親アカウント、まとめられたAWSアカウントは子アカウントとなります。
それでは何故、一括決済が必要になるのでしょうか?AWSを個人で使っている限りは、殆ど必要になることはないでしょう。しかし、企業で使っている場合は、便利になることが多いです。例えば、部署ごとやプロジェクトごとのコストをハッキリさせたい場合に、一括決済は便利です。AWSではタグの機能を使うことにより、ある程度コストを分割して出すことは可能です。しかし、現状のところ、通信料金など一部の料金についてはタグ機能を使うことが出来ません。その場合、アカウント自体を分けることにより、個別のコストを出すことが可能です。
一括決済のメリット
一方で、AWSのアカウントを分けたとしても請求を一本化する必要はないのではという考えもあります。
- アカウント全体で、ボリュームディスカウントの対象となる
- アカウント全体で、リザーブドインスタンスの対象となる
- アカウントごと利用タイプごと(EC2,S3 etc)と、縦・横串での利用料金が解る
- 請求書払いに切り替え易い
金銭的なメリットとしては、ボリュームディスカウントとリザーブドインスタンスが該当します。一方で、リザーブドインスタンスは、場合によっては困ったことになりますので、注意が必要です。またボリュームディスカウントの対象としては、通信料やS3のデータ保存料などが該当します。
一括決済の設定方法
- 請求アカウント(親アカウント)から、追加したいAWSアカウントを登録します(Eメールアドレス)
- 追加されたEメールアドレスに承認リクエストが来ます。承認する為のURLがあるので、それを踏む。
これだけで、アカウントがまとめられます。簡単ですね。
まとめ
一括請求は、設定自体は非常に簡単に出来ます。その割に、企業ユースで利用する場合は、とてつもない利便性を発揮します。特に複数の顧客にAWSを使ったサービスを展開している企業にとっては、設定して損することは殆どありません。是非、ご検討あれ!
See Also:
知っているようで知らない、リザーブドインスタンスの話
ちょっと内緒にしたいスポットインスタンスの話
参照:
一括請求(コンソリデーティッドビリング)
AWS Billing FAQs | アマゾン ウェブ サービス(AWS 日本語)
IAM & Consolidated Billing -ほぼ週刊AWSマイスターシリーズ第4回
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