プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

利権は無くならない。或いは子ども手当が不評な訳

 

 ふと手元にあった絵本をみてみると、びっくりしました。1983年が初版で改訂版含めて、何と300刷り近くです。一般の本であれば、大ベストセラーでしょう。何の変哲もない絵本ですが、何でこんなに売れているのか不思議ですよね。
 このベストセラーの種明かしをすると、市役所等で配られているからです。大阪市内の新生児を持つ家庭なら、各種の手続きをする時に一緒に渡されます。聞いてみたところ、他の都道府県でもこの絵本が配られている模様です。日本の出生数は何だかんだといって100万人以上。1割を対象にしたとしても10万のオーダーです。販促もプロモーションもしないで毎年これだけ出るとしたら、これは驚異的な数だと思います。


 この辺りを考えると、利権というのは無くなることはないでしょう。利権というと国レベルの公共事業や防衛産業など大きなモノを想像しますが、身近にも幾らでもあります。小さな例でいえば、学校の各種の行事に来る写真屋さんとか制服や体操着の販売権なども立派な利権だと思います。
 利権の恩恵に受けている業者が悪いという話ではなく、官がオーダーすると民間に比べてまとまった数が継続的に続くという話です。そうなると官側はどこの業者を使うかという選択に力を持つようになります。選定権こそが利権の根源です。


 では、利権を無くすのはどうしたら良いのでしょうか?それは、出来るだけ直接支給に切り替えることです。例えば、絵本を配るより図書券を。図書券よりは現金をといった形です。要は選定を官ではなく、個々人に直接させる方法を取ることです。そうすることにより官側の選定権が無くなることになります。
 そういえば、そんな制度がありましたね。確か子ども手当という名前だったですかね。何となく役所内で不人気だった理由、解りますよね?