プログラマでありたい

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都市鉱山をもって、日本は資源大国だというのは如何なものか

 最近、雑誌などでよく出て来る都市鉱山という言葉。いかにも、日本人受けというかマスコミ受けしそうな言葉です。昨今の資源高を考えれば、コストを掛けてリサイクルしても充分に採算が取れるようになってきているんでしょう。またエコブームの追い風もあって、リサイクル=良い事の図式が出来上がっているので、あえて声高に反対する人もいないでしょう。


 元となっているのが、独立行政法人物質・材料研究機構の下記のレポートのようです。
わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵


 内容を読んでいると、どうも絵空事のような気がしてなりません。
一つはコストの概念がすっぽり抜けている点です。例えば、原油の埋蔵量が何故年々増えているかというと、埋蔵量というのが正確には可採埋蔵量を指しているからです。つまり売価が採掘コストを超えれば、埋蔵量は増えます。このことを考慮しないで、単純に資源国の埋蔵量と日本全体の製品中の含有量と比較している所に恣意を感じます。製品を回収するには、当然コストが掛かりますし、そこから資源を取り出すのもコストが掛かります。この辺りの考察も踏まえることが必要なのではないでしょうか?
 また、埋蔵量との比較をもって、日本は世界一と言っていますが、アメリカはどうなのでしょう?人口にして2.5倍、未だ大量消費社会の先頭をいく国です。この辺りの事情は、全く無視でしょうか?


 基本的には将来有望な技術だと思いますし、日本が先鞭を付けるに相応しい位置にいると思います。ただ、統計での誘導であったり、マスコミの無批判な礼賛は如何なものかと思います。もっと色々な所から意見が出て、議論が出てもよいのではないでしょうか?