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消費税の逆進性と軽減税率と定額給付の話

 基本的なスタンスで言うと、私は消費税という税制が好きです。何故かというと、シンプルだから。消費税には、複雑な税金の計算の仕方もその人の状況によって免除とかも、(一部あったりしますが、)基本的にはありません。比較的公平な仕組みという観点で、消費税は好きです。そんなこともあり、最近の軽減税率の議論はバカバカしいと思います。

消費税の逆進性の話



 消費税が公平と話をすると、同じ金額でも貧乏人も金持ちでは負担率が全然違うという意見があります。いわゆる消費税の逆進性の話ですね。もっともな話だけど、世の中消費税だけのシンプルな税制ではなく、所得税や住民税・固定資産税もあるので、その辺りでカバーできてるのではと考えています。それよりかは、給与所得者ではなくいわゆる資産家や年金生活者からも遍く徴収できる仕組みとしては素晴らしいのではないでしょうか。また逆進性が問題ならば、別の方法でフォローできます。

消費税の逆進性と定額給付



 逆進性が問題であれば、定額給付でカバーするという手もあります。例えば、所得が100万円の人が10万円の消費税を負担するのが問題であれば、10万円分をそっくり給付すれば良いのです。給付を前提に税額設定すれば、逆進性を解消しつつ税収増のラインも出てきます。控除という案が必ず出てくると思いますが、事務手続き考えると簡素な給付の方が楽でしょう。

軽減税率の話



 一番馬鹿らしいと思うのが、軽減税率です。例えば影響の大きい食品については軽減税率を適用するというやり方です。これは、3重の意味で嫌いです。
 1つはせっかくシンプルだった消費税という仕組みがややこしくなるからです。例えば、食料品を対象とすると外食はどうするとか惣菜はどうするのかとか判断が必要です。方針が決まったとしても、その仕組みを構築する必要があります。システム的なことを考えると、マスタ管理してどの品目だと軽減税率の対象になるかとか、セット商品など組み合わせた場合にどうするかなどのロジックが必要になります。小売店を中心にその投資が必要になり、その投資分は結局は消費者に跳ね返ることになります。儲かるのはシステム屋だけです。(私はシステム屋ですが。)
 2つ目は、政治や利権の温床となることです。先ほどの食料品の話や新聞など、どの項目を入れるかは人間の判断の話です。そうすると、対象にするしないは政治の範疇になります。となると、俄然頑張る人が出てきくるので嫌いです。もちろん元々消費税自体が極めて政治性の強いものですが、その中の項目まで恣意的に選べるとなると、収拾がつかなくなると思います。延々この議論ばかりして、もっと大事な話しろよと思います。
 最後は、逆進性の話です。消費税は逆進性が強く庶民の財布を直撃するから軽減税率いれろというのはロジック的におかしな部分含みます。軽減税率の対象は金持ちも含まれるから。じゃぁ、金持ちを除くとかしたら、複雑怪奇な仕組みになります。

まとめ



 軽減税率の話が予想通りの展開になって、辟易として余りフォローしていません。世の中、迷ったらシンプルな仕組みの方が良いですよ。当然、そこで救われない人は出てきますが、別の仕組みで救う方法を考えた方が全体的にシンプルになります。1つの仕組みの中で全て解決しようとしたら、複雑怪奇になります。消費税で、低所得者は困る。なら、低所得者向けの対策の仕組みを、社会保障でカバーする。こんな感じの方が、結果的に上手くいきます。消費税の仕組みで低所得者対策までするからややこしくなるのです。これ何事でも同じです。


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