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Storage Gateway on EC2とオンプレミスのStorage Gatewayの構成について


 JAWS-UG 大阪のイベントで、第1回目のもくもく会に参加してきました。その時にStorage Gatewayをやってみたいという方のお手伝いをしていたのですが、オンプレミス型のStorage GatewayとAWS上に構築するパターンのStorage Gateway on EC2の構成上の違いを説明するのが割とややこしいなぁと思ったので簡単にまとめてみました。

2つのStorage Gateway



 用途に応じてゲートウェイキャッシュ型ボリュームとゲートウェイ保管型ボリュームという分類もありますが、そんなことよりオンプレミスで構築するStorage GatewayAWS上に構築するStorage Gatewayの2種類があるということを、まず覚えてください。


 まずオンプレミス型のStorage Gatewayです。これはサービス開始当初からのStorage Gatewayで、知名度もこちらの方が高いと思います。オンプレミスのVMWare ServerもしくはHyper-Vの上にAmazonからダウンロードした仮想イメージでStorage Gatewayを立ちあげます。そしてローカルのディスクをマウントして、Storage Gatewayのアップロードやキャッシュ用のディスクとして活用します。そして、他のオンプレミスサーバがiSCSI接続してStorage Gatewayのボリュームをマウントします。下のAmazonの構成図のとおりです。Storage GatewayはS3をブロックストレージとして扱い、自動的に同期します。


 次にStorage Gateway on EC2です。これは、ここ最近(2012年12月 or 2013年1月)にリリースされた機能で、今までオンプレミス上に構築していたStorage GatewayサーバをEC2上に構築するタイプです。特性としてはオンプレミス版と同じですが、Storage Gateway Instanceとして立ち上げるのがポイントです。そのインスタンスにアップロードとキャッシュ用のボリュームとして、2個のEBSをアタッチします。利用するには、MarketPlaceからStorage GatewayのAMIを購入して利用します。インスタンス代とは別に、月々のStorage Gateway利用料がかかるので注意してください。
 Storage Gatewayのインスタンスを立ち上げれば、後はEC2のインスタンスもしくはオンプレミスのサーバからiSCSIで接続して利用出来ます。またWindowsインスタンス等でマウントされたボリュームを、PCや他のサーバからネットワークドライブとしてマウントすることも可能です。(純粋にWindowsやLinuxの世界になっているので)

Storage Gatewayの使いどころ



 さてStorage Gatewayの使いどころは何でしょうか?一般的には、ファイルサーバやバックアップ用途というのが多いです。個人的にはStorage Gatewayの最大の特徴は、S3をブロックストレージとして扱えるという点だと思います。S3を無限のボリュームとして使いたいという要望は数多く、s3fsを始め色々な試みがされています。それに対してのAmazon側の答えの1つがStorage Gatewayなのだと思います。ということで、時間とともに容量が増えてきて、かつ利用者側からはS3を意識せずに使いたいサービスに向いています。一方で、構成上Storage Gatewayが単一障害点になりやすい問題があります。2台のStorage Gatewayを束ねてWindows DFSやGlusterFSなどを活用し、論理的なファイルシステムを構築することで冗長化することは可能です。反面、パフォーマンスやコストの面で実際の導入は中々難しいと思います。
 ということで、ちょっと大きめのファイルサーバとして使うしかないかなぁというのが今のところの感想です。データベースの共有ストレージとして使いたいですが、ちょっと辛いかなぁという印象です。EC2版も出たこともあり手軽に使えるようになったので使い方も色々考えてみたいですね。
 ちなみに1台のStorage Gatewayでは150TBまで扱えます。EBSボリュームは1つあたり1TBなので、それに比べると格段の容量を扱えます。それ以上の容量という場合は、複数のStorage Gatewayを使うことも考えられます。或いは、それぐらいの規模であればS3を直接扱うシステムを開発しても良いのではと思います。

まとめ



 途中で話が飛びましたが、Storage Gatewayはオンプレミス版とEC2版があります。EC2版は出たばかりですが、今後の可能性を大きく感じます。是非、一度試してみてはいかがですか?

Enjoy!!