プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

散歩をしていると、「にゃーとらっく」に出会う件


 私は現在、大阪市の西区に住んでいて、休日に2歳の息子と散歩に行きます。その息子が何故かヤマトの宅急便のトラックが大好きです。見つける度に「にゃーとらっく」だと教えてくれます。一回の散歩が大体30分〜1時間なのですが、その間に何回も何回も見つけます。数百メートル先の「にゃーとらっく」を見つけても、いち早く見つけて教えてくれます。前世は、佐川のおにーさんでしょうか?
 それにしても見つける頻度がかなり高いです。もちろん、同じ車両を見ていることもあるとは思いますが、やっぱり多いです。散歩の範囲なんて、せいぜい半径500メートルくらいですよ。


 そこでふと思い出したのが、ヤマト運輸の生みの親の小倉昌男さんの「経済学」の一節です。マンハッタンでUPSの車両が十字路に4台停まっているのを見て、宅配事業の可能性を確信したそうです。私は宅配事業は思いつかなかったので、せめて大阪市西区での成長っぷりを考えてみました。

 そのUPSの集配車がニューヨークの十字路の回りに四台停まっている。それを見て、私は、はっと閃いた。
 ネットワークの収支は、全体の損益分岐点を超すか超さないかが問題だが、いまひとつ、集配車両単位の損益分岐点というものがあるのではないか。そう思ったのである。
 〜〜中略〜〜
 では、もし車両を二倍にしたらどうなるだろう?一台当たりの受け持ち区域の広さは半分になる。したがって集配の能率は二倍になる。事業が順調に伸びて車の数が十倍になれば、受け持ち区域は十分の一になる。面積十平方キロメートルの中央区に集配車が五十台、ということは一台当たりの受け持ち区域は0.2平方キロメートルである。そのくらい狭くなれば、一台の集配車で一日に百個くらい扱えるようになるはずである。

ヤマトの配送関係のデータ



 この本が書かれた当時(1999年)の東京・中央区(10平方キロメートル)の数値を拾うと、取扱個数は発着合計107万個で9つのセンターと6つのデポ(営業所)で、集配車両168台の1台あたり1日205個とのことです。この数字を元に、公開されている数字と組み合わせて近所にどれくらいのヤマトのトラックが走っているのが想像できます。


2012年度の宅急便主要商品別取扱実績
 まずは余り関係ないですが、取扱個数から。

サービス 取扱個数(個)
クール宅急便 182,016,076
宅急便コレクト 117,807,417
宅急便タイムサービス 13,357,163
ゴルフ宅急便 4,840,070
空港宅急便 914,671
スキー宅急便 522,724

 取扱数は、ざっと3億1千万個です。これに対して、全国の集配拠点と車両の数は下記のとおりです。

支社・主管支店数:6,330箇所
集配車両約43,300台(2013年3月末)

6,330の拠点で、集配車両が43,300台。1拠点あたり7台弱ですね。上記の例だと15の拠点で168台なので、1拠点あたり11台ほどですね。


大阪市西区のデータと推定



 次に、大阪市西区のデータです。

大阪市西区の面積:5.20平方キロメートル
大阪市西区のセンター/営業所数:18個

 大阪市西区の拠点数は18箇所です。(10年前の東京・中央区)に較べて面積半分で拠点数はほぼ同等なので、密度的には倍ですね。大阪市西区も東京・中央区の例に近いので、1拠点あたり10台くらいは考えてもよいでしょう。そうすると西区の集配車両数が180台くらいで、1平方キロメートルあたり36台になります。そりゃ散歩してたら2〜3台くらい見かけるわなぁと納得しました。


まとめ



 散歩しながら考えてたことなので、どうでも良いことです。それにしても、ヤマトの配送の密度は凄いですね。小倉昌男さんによれば、ヤマトの配送は全て自社の社員で委託はなしらしいです。それは、損益分岐点を超えれば、一気に利益が出る体質になれるからだそうです。以前、Amazonの配送を佐川が撤退してヤマトのみ残ったという記事に、同様の理由がありました。慧眼ですね。仕組みを考えるということを、改めて考えさせられました。


参照:
平成24年度 宅急便主要商品別取扱実績について | ヤマトホールディングス
支社・主管支店一覧 | ヤマト運輸
ドライバー・営業所検索 〜あなたの町のクロネコヤマトご案内〜 | ヤマト運輸
http://biz-journal.jp/2013/09/post_2999.html佐川急便、アマゾンの負担転嫁に耐えられず取引停止…ヤマト一極集中への懸念 | ビジネスジャーナル