年末ということで、自分がどのような働き方を目指しているのかを改めて考えてみました。結論的には、自分がいなくても仕事が回るような仕組みやチームを作り、いつでも抜けられる状態にするということです。つまり、いつ首になっても問題が無いポジションに落としこむということです。この働き方は、圧倒的に楽です。自分にしか出来ないことがないので負荷が集中しないし、代わりの人間がいるので心理的にもプレッシャーは少ないです。そもそもルーチンの仕事は、自動化などでシステムが出来るようになります。そうすると、面白い仕事が出てきた時に取り組み易くなります。
反対に自分にしか出来ない仕事を抱え込んでしまうとどうでしょう?自分自身がボトルネックになるので、休めないし心理的なプレッシャーもあります。そして、延々と同じ仕事を続ける必要があります。10数年働いてそれなりの数の人を見てきましたが、自分のポジションを保つために仕事を抱え込む人は一定割合います。その人が伸びるかどうかというと、かなり疑問です。第一、横から見ていても面白そうに見えません。
何故突然こんなことを書きだしたのかというと、先日Chikirinさんの「誰に評価されたい? 上司? 会社? それとも市場?」というエントリーとそれに対する反論を読んでいて思い出したのです。今年の前半くらいに「技術を伝えても、技術者の価値はなくならないという話」というエントリーを書いて、Chikirinさんのブログに対する反論と似たような反応を貰っていました。当時は中々自分が考えていることは伝わらないなぁと思っていたものの、そもそも何を目指して働いているのかを折りにつけて考えていると冒頭の結論に達しました。
当時の論旨を一行でまとめると、ITエンジニアが技術を他人に伝えても本人の価値は減らないよということです。これに対して、否定的な意見は次の3つに集約出来ます。
- 技術に対する評価と、社内の評価は別の問題
- そもそも技術を正当に評価出来る人は少ない。
- 技術者の価値と対価は別問題
上記の意見については、実際問題その通りでしょう。しかしまぁ、どうでも良い話だと思っています。社内の評価を勝ち取るのも、また自身の価値に対して対価を得るのも、価値の論点とは別の次元の話だからです。評価を高める為や対価を得る為の活動は、それはそれで考えればよいだけです。
ただ、そもそもの価値がなければ話は始まりませんよということです。そして価値をつけていくには、自分が出来ることを増やすか深くするのが近道と考えています。その為には新しいことに取り組む機会を確保する為に、必然的に今までやっていた仕事を他人に出来るようにしていく必要があります。それを突き詰めると、自分を首に出来るようにするということです。オチも何もない話ですが、頭の中のモヤモヤ整理です。
See Also:
技術を伝えても、技術者の価値はなくならないという話
伝えたかったのは、伝えるのが難しいということ。或いはバカの壁の話