プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

Type-C搭載ディスプレイを活用した複数PCの切り替え術

 みなさんのPCデスク周りはどういった環境でしょうか?テレワークの浸透で、自宅でのPCデスク周りの充実が急速に進んでいると思います。私も昇降式デスクを導入するなど、自分好みの環境に整備していっています。
 そんな中で少し困っていたのが、複数のPCを利用する場合の環境の切り替えです。私は日中は会社のPCで業務し、夜間は自分のPCで原稿の執筆などをしています。この際に困っていた事として、キーボードやマウスは同じものを使いたいので、PCの切り替え時の手間が面倒くさいということです。試行錯誤した末に行き着いた現状の構成を紹介します。

PC周りの周辺機器

ディスプレイはType-Cの給電タイプ

 まず環境の中核となるのが、USB Type-Cで給電機能とUSB自体のハブの機能を持つディスプレイです。条件がかなり絞られてしまうのですが、給電機能を持つものが重要です。自分が買ったものは絶版になったようですが、LGの27インチのものを買いました。このシリーズです

キーボードは有線のもの

 キーボードはREALFORCE TKL for Macです。キーボード自体は好みのもので良いのですが、重要なのはBluetooth接続ではなく有線接続のものを選ぶことです。或いはマウスのところで後述しますが、USBレシーバー(ドングル)で接続するものを選びます。ちなみに私はWindowsとMacの両方を使うため、for Macを選択しています。

マウスはUSBレシーバー(ドングル)対応のもの

 そして最後のマウスです。マウスも過去、いろいろなものを使ってきましたが、今はシンプルさと持ち運びのしやすさを重視して、ロジクール M325tDS を使っています。自宅と会社と外出カバンに入れる用に3つ買っています。

 マウスで重視した点は、使いやすさはもちろんのこと、USBレシーバー(ドングル)で接続するタイプであることです。PCを切り替える際に、Bluetoothで接続していると切り替えの手間がかかります。そこを解決するのがUSBレシーバータイプのマウスなのです。有線タイプのマウスという選択肢もありますが、さすがに今の時代に有線マウスはないかなと。

PCの切り替え方法

 周辺機器の説明をしたところで、本題のPCの切り替え方法です。実現方法はシンプルで、ディスプレイの裏のUSBにマウスのドングルやキーボードを接続しています。そして、ディスプレイとPCの接続は、Type-Cのケーブルで行っています。違うPCを使う時は、このケーブルを刺し直すだけです。つまりディスプレイにドッグステーションの役割を持たせています。

 PCを同時に使いたいというニーズには対応していませんが、私の場合はこれで充分です。あまり頻度は高くないのですが、嫁さんや子どもたちが自分のPCやタブレットを使いたい時も、Type-Cにさすだけで使えるようになっています。PCでの設定が不要なので、一定のニーズはあるんじゃないかなと思っています。

 ちなみに裏面は、こんな感じになっています。


 ネットへの接続も、Wi-Fiではなく有線LANにしています。そのため、USBハブを増設して無理やりつけています。
※ごちゃごちゃなので、そのうち整理したいです。

まとめ

 複数台のPCの切り替えはKVMスイッチが鉄板だと思います。ただ、同時に複数のPCを利用しない前提であれば、こういったシンプルな切り替え方法もあるよという紹介でした。みなさんもぜひ、自分なりの環境を構築していってください

2022年の振り返りと2023年の目標

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
昨年は振り返りと目標をすっ飛ばしましたが、やっぱり大事ということで今年はちゃんんと書きます。2022年の主な活動は、子供の野球チームの手伝いと、その合間に執筆2冊です。登壇は、仕事で幾つかしたもののプライベートでスライド作っての活動はしていません。なんというか体力的に非常に苦しくて、かなり苦しんだ1年でした。

14,15冊目の本の出版

 2022年2月に出したのが、要点整理から攻略する『AWS認定 高度なネットワーキング-専門知識』です。数あるAWSの認定資格の中でも、難しいという人が多い難関の試験の一つです。難しい理由としては、ネットワークに関して言うと、実務で経験しにくい部分が多いことと、それを解説している資料が相対的に少ないことがあると思います。
 この本は、(AWSの中の人を除いて)私が知りうる限りもっともAWSのネットワークに詳しく実務に精通しているメンバーを集めることができました。完成した本を読んでみると、自分が知りたかった情報がわかりやすく整理されていると自画自賛できる出来栄えになっています。出版直前に新試験が発表されましたが、先を見越して新サービスに対応していたので新試験にも充分対応できるようになっています。

 15冊目の本は、同じくAWS認定試験の対策本で、AWS認定資格試験テキスト AWS認定SysOpsアドミニストレーターです。現行の認定試験の中で、画面を操作する実技試験がある唯一の試験です。その影響もあってか、アソシエイト3種の中で、なかなか難しいとみなされることが多い試験の1つです。この本もAWSに詳しく実務経験豊富なメンバー陣で執筆しています。実は最近私が執筆に携わっている認定試験の問題は、すべて小西さんに書いてもらっています。なんか、もうAWSの認定試験より認定試験っぽい問題作るようになっていて、凄い以外の語彙力を失ってしまいます。

執筆以外のアウトプット

 冒頭に苦戦した1年と言った通り、アウトプットの総量は不調でした。個人ブログで3本、会社ブログで6本と、合計9本のみでした。ここ10年で最低レベルといった感じです。理由としては、心身とも疲れ果てていたこと、あとは会社の後輩たちがアウトプットだせるように支援的な立場にいたことで、それに満足していたことがあります。
 体力的な部分は、子供の少年野球が本格化したことにより、土日の拘束時間が増えたことが主要因です。体力不足を痛感したので、自分自身の体を鍛えることを意識的にする必要性を感じた1年です。ただ振り返ってみると、ダラダラ過ごした時間も多かったので、体力不足からくる気力不足が問題だったのかなと思います。気力に頼らないアウトプット方法を考えて、もう少しブログも書いていきたいです

子供の野球チームの手伝い

 2022年の苦しんだ主因ですが、子供の親としては今しかできないことなので、重要な活動の一つだと思っています。ただ、自分の体力のなさ、野球の知識のなさ、それに対して時間を割いて勉強/練習して補える余裕がないことに対してもどかしい思いはありました。
 一方で、ヘボなりに審判や練習の手伝いをすることにより、野球の違った見方はできるようになったかと思います。将来時間ができた時に、野球中継を今までの10倍くらい楽しめるようになりました。また、子どもたちが成長する過程を間近で見られることは、いろいろな学びと喜びがありました。

2023年の目標

 仕事面の目標は除外して、個人として活動しようと思っていることは次のようなことです。やっぱり字を書くことが中心になりそうです。

  • 依頼された本の執筆 ⇒ ご迷惑を書けまくっている本が多数あるので、これは何とかしないと。少なくとも今年は3冊は書きます。それ以上を目指すつもり
  • 体力増強 ⇒ ランニングを週に10Kmと、エアロバイクを週に2時間程度を目安。そして、re:Inventで5Kmマラソンに出る。鍛えている人にするとチョロいと思われると思うけど、まずは最低限の体力つけるところを目標にします。
  • ツイートのインプレッションを100万/月にするための活動 ⇒ 今は平常時で10万くらい、イベント等で頑張った時に50万くらい。力任せでは実現できない数字なので、仕組みを考えていきたいです
  • 技術同人誌がんばる ⇒ やることが多くて時間が取れないのですが、たぶん個人の活動の中で自己成長のために直接的に必要なのは、技術同人誌の執筆だと思います。自分が必要で足りない部分のスキルを、体系化できるメリットを感じています。AWS本に限らず、これはやっていきたいと思います
  • 子供の少年野球 ⇒ チームに所属するのは今年が最後なので、子供も自分も悔いが残らないようにしっかりやっていきます。ただ受験も視野に入れているので、どうするかは悩み中
  • 投資活動 ⇒ 小規模ながら、これまで色々な投資活動をしてきました。時間効率を意識して、整理していく必要を感じています。10年後、20年後を考えながら、どうすれば適切なのか模索する予定。ただ、これゴールを決めるのは難しいですね。

まとめ

 書いてみて見返ししてみると、まとまりがなく発散していました。ブログを書く筋力、思考を整理する術が弱まってきているように感じます。まずはブログを定期的に書く習慣を復活させて、徐々にいろいろ取り戻していこうと思います。
 2023年もよろしくおねがいします!!

2022年のTwitterの投稿数とインプレッション数の振り返り

 ちょっとずつ2022年の振り返り
まずはツイートについて。2021年と比べると、だいぶ活動量が減っているのが可視化できました。2022年は自動投稿の設定もしているので、2021年の1/3以下っぽいです。2022年は、自分でも自覚できるほど色々弱っておりました。ソーシャルの活動量は、健康のバロメーターかもしれませんね。

年月 ツイート数 インプレッション数 プロフィールへのアクセス @ツイート 新しいフォロワー インプレッション/ツイート比
2022/12 415
544,697
23,128
129
114
1,313
2022/11 522
729,939
30,484
282
53
1,398
2022/10 279
179,354
9,563
78
25
643
2022/9 134
160,859
24,844
49
36
1,200
2022/8 171
136,072
17,572
38
23
796
2022/7 145
114,995
16,965
51
30
793
2022/6 122
174,688
20,456
59
39
1,432
2022/5 118
149,000
26,797
38
88
1,263
2022/4 129
216,270
29,295
59
151
1,677
2022/3 166
368,302
24,857
62
113
2,219
2022/2 165
234,636
27,798
62
89
1,422
2022/1 141
145,944
13,348
58
14
1,035
2021/12 169
199,695
13,883
52
50
1,182
2021/11 185
220,778
14,675
68
60
1,193
2021/10 310
586,994
20,416
119
105
1,894
2021/9 357
496,703
25,549
108
201
1,391
2021/8 320
394,226
19,123
60
98
1,232
2021/7 380
904,401
19,771
106
76
2,380
2021/6 314
498,715
19,029
106
96
1,588
2021/5 295
501,882
20,945
73
244
1,701
2021/4 265
389,309
7,428
79
40
1,469
2021/3 355
380,621
13,164
97
86
1,072
2021/2 236
247,842
7,887
79
28
1,050
2021/1 508
448,554
10,385
186
115
883

 ちなみにインプレッション数があがるツイートの特徴って、ご存知でしょうか?フォローしているクラスターにもよると思いますが、私が所属すると思われるテクノロジークラスターでは、下記のような特徴があります

  • 140文字ぎりぎりまで詰め込む
  • 1ツイートではなく、スレッドでぶら下げる

 これで数千〜数万くらいのインプレッション数は稼ぎやすいです。それ以上の数十万などのいわゆるバズっているツイートについては、1ツイートで完結する必要があります。世の中の殆どの人は、そんな前後まで読まないようです。ただし、バズってもフォロワーの増加に殆どつながらないようです。狙ってできるものではないけど、狙う必要もないかなと思います

AWS認定SysOpsアドミニストレーターの試験対策本を書きました

 最近、ブログを書く気力が尽きてきた今日この頃です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
執筆に苦労したAWS認定SysOpsアドミニストレーターの試験対策本を、ようやくリリースすることが出来ましたのでご案内します。2022年6月22日発売開始です。
※下書きのまま、公開するの忘れていました

試験対策本の解説スタイル

 今回のSysOps認定の対策本は、2021年7月に試験内容が刷新されたSOA-C02に対応して執筆しています。実は最初はSOA-C01に向けて書いていたのですが、書いている途中に新バージョンが出てきたので泣く泣く書き直したという秘話があります。本書の執筆スタイルとしては、サービスカットではなく、解決する問題の観点カットで整理しています。
 SOA-C02では、次の6つの観点でシステムを検討する形になっています。そのため同じサービスが観点を変えて、別の章でも紹介されるということがあります。CloudWatchなどは用途が多岐に渡るので、いろいろな章で出てきます。

第 1 分野: モニタリング、ロギング、および修復  (20%)
第 2 分野: 信頼性とビジネス継続性  (16%)
第 3 分野: デプロイ、プロビジョニング、およびオートメーション  (18%)
第 4 分野: セキュリティとコンプライアンス  (16%)
第 5 分野: ネットワークとコンテンツ配信  (18%)
第 6 分野: コストとパフォーマンスの最適化  (12%)

 カッコ内のパーセントは、出題の割合です。見ていただいたら解るとおり、わりと満遍なく出題されます。個人的には、SysOpsはアソシエイト3種の中では難しい部類の試験に入るのではと思っています。その理由としては、運用をテーマとしている関係上、既に動いているシステムに対して問題点を解決するという事が問われるからです。つまりシステム構築の知識があり、その上で運用の知識も必要とされます。そのため経験が浅めの人は、SysOpsの試験に苦労するケースが多いようです。逆にいうと、SysOpsの勉強をしっかりすることにより、経験的に得られることを机上で体系的に身につけることができます。良い試験ですね。

執筆者陣

 著者は、私の身の回りのAWSが得意な人たちに書いてもらいました。NRIネットコムの小西さん、志水さん、手塚さん。野村総合研究所の木美さん、北條さん、吉竹さん。そしてNRIを卒業していった安藤さんです。この中の多くの人はTop Engineerであり、かつ実務でもAWSを使い倒しているエキスパートの面々です。それぞれの章に、執筆者の経験が詰まっています。試験対策としてではなく、読み物としても結構面白いんじゃないかなと個人的には自負しています。

ラボ試験

 AWS認定SysOpsアドミニストレーターのSOA-C02の最大の特徴は、ラボ試験が導入されていることです。これは、現在受験可能なAWS認定12種の中で、唯一です。ラボ試験とは、試験のシナリオに従って、AWSのマネジメントコンソールやCLIを使って、実際にAWSリソースを操作する試験です。つまり実技試験ですね。
 これについても、本書では対策をカバーしています。実技があるからSysOpsの試験は嫌だなという声を聞くことがあります。試験範囲の内容をしっかりと把握していれば、まったく問題ない難易度なので恐れないでください。私としては、机上の知識だけではなく、できるだけ手を動かす経験を積んでほしいと思っています。その点で、非常に良い試みだと思っています。

まとめ

 発売後に半年近く経過してしまいましたが、AWS認定SysOpsアドミニストレーターの試験対策本の執筆告知でした。幸いなことに順調に売れているようです。今も他の認定試験の対策本を執筆していっているので、乞うご期待!!

価格設定は、何を売りたいかの意思表明そのもの

 気がつけば、長らくブログを書いていませんでした。ブログは通勤中に書くことが多かったのですが、テレワークがメインとなり、何となく書く機会を逸していました。自分の頭の整理のためにも、再開していこうと思います。復帰一弾目は軽いものとして、BOOTHでの技術同人誌の販売で気が付いたことを書いています。

技術同人誌のオンライン販売

BOOTHというプラットフォームを使って、『佐々木拓郎のオンライン本屋』というひねりも何もない店名で技術同人誌を販売しています。2019年9月からなので、かれこれ3年ですね。ここでは、今まで書いた技術同人誌を、ダウンロード版 or 紙+ダウンロード版で販売しています。

takuros.booth.pm

オンライン販売の物理本の販売について

 BOOTHでの物理本の販売は、送料がかかります。1回の配送に400円です。Amazonの送料無料という文化に慣れた身には、なかなか痛い金額です。これはBOOTHが悪い訳ではなく、送料無料を実現できているAmazonが驚異的なだけではありますが。当然ながら、物理本の販売に比べて、送料の掛からないダウンロード版の方が、ずっと売れ続けていました。正確な数字は計測していないですが、物理本とダウンロード版の比率は2:8くらいの比率です。圧倒的にダウンロード版が売れていました。他のBOOTH出店者に聞いても、ほぼ同様の傾向だったようです。

価格設定を変えると売れ行きが変わる

 価格設定としては、物理本(+ダウンロード版)は、1,500円+送料400円。ダウンロード版は物理本がない分、それより安くしないとと考えて、1,200円で設定していました。ある時に、自分が売りたいのは物理本なのだということに気が付き、価格設定を変えてみました。
 どうしたと思います?物理本を安くするのではなく、ダウンロード版の価格を1,500円に変えてみたのです。送料の差はあるものの、物理本+ダウンロード版で1,900円です。それに対して、ダウンロード版は電子ファイルのみで1,500円。この施策だけど、物理本とダウンロード版の比率が、ほぼ5:5のイーブンになりました。
 更に、セット買いが増えました。BOOTHの送料は、他の商品と一緒に配送の場合も送料400円です。そうなると、多く買うほど相対的に送料が安くなります。ショップでは、AWSのIAM本とセキュリティ本と続きのものを売っているので、どうせならセットで買おうという人が増えました。クロスセルが実現できるようになったので、1回あたりの売上額が増える結果となりました。価格設定一つでこれだけ変わるものなのかと、正直かなり驚きました。

まとめ

 ということで表題につながるのですが、商品の価格設定は思った以上に意味があります。売り手は何を一番売りたいのか考えて、それを実現する価格を設定する必要があります。売りたいものの価格を単に下げるのではなく、相対的に一番オトクという形を実現することも有効です。いや、マジで価格設定は大事です。
 続編早く書けという声を沢山頂いているので、できるだけ早く出せるように取り組んでいます。もうちょっとだけ待ってくださいね

AWS認定アドバンストネットワーキング専門知識の対策本を書きました

 予定より大幅に遅れたものの、AWS認定アドバンストネットワーキング専門知識の対策本である『要点整理から攻略する『AWS認定 高度なネットワーキング-専門知識』を出版できることになりました。2022年2月28日発売開始です。

試験対策本の内容

 本書は主にソリューションカットで、試験範囲の解説をしています。ソリューションカットとは何ぞやと思うでしょうが、次の目次をみてください。

第1章 AWS試験概要と学習方法
第2章 AWS ネットワークの設計と実装
第3章 大規模なハイブリッド IT ネットワークアーキテクチャの設計と実装
第4章 アプリケーションサービスとネットワークの連携の構築
第5章 AWS タスクのオートメーション
第6章 セキュリティとコンプライアンスの設計と実装、ネットワークの管理・最適化・トラブルシューティング
第7章 AWSのベストプラクティスに沿った設計と運用
第8章 練習問題

 1章はAWS試験の解説で、2章から6章がソリューションベースで解説しています。まず2章でAWSネットワークの設計と実装ということで、最初にAWSのネットワーク関係の紹介とそれを使った設計の仕方を解説しています。次に3章で、ハイブリット構成ということで、オンプレミスとAWSをつないでどのように設計・構築するかの解説です。この2章・3章そして次の4章が本書の肝となる部分です。試験対策という事をおいておいて、AWSのネットワーク設計本としても充分読み応えのある内容にまとめています。4章はアプリケーションサービスとネットワークの連携です。ここもネットワークでアプリって何ぞやとなるでしょうが、主にロードバランサとDNSサービスであるRoute53とCDNサービスであるCloudFrontを中心とした解説です。ネットワーク観点でこの3つを解説しています。そして基本的な機能を踏まえた上で、いろいろなパターンでの経路の暗号化の実現の仕方やPrivate IP通信のデザインパターンなどを紹介しています。この辺りも、とても重要です。
 5章はオートメーションです。CloudFormationやConfigを中心に、AWSのネットワークの構築・管理の自動化手法について解説しています。ネットワーク畑出身の方には馴染みが薄い分野かもしれませんが、AWSを扱う上では大切です。6章はセキュリティとコンプライアンスということで、今までのネットワーク構築の知識を前提とした上で、さまざまな要件をどうやって満たしていくかの総合力の確認です。アクセス制御や暗号化、外部からの攻撃への対策などのセキュリティ対策手法と、トラブルシューティングとしてNATゲートウェイやDirect Connectのトラブルシューティングの手順を示しています。ここではなんと、トラブルシューティングのフローチャートまで作っています。ネットワークの試験は難しいことで有名ですが、この6章部分を苦手としている人が多いのではと推測しています。ここでしっかり点数を取れるようになると、あとはサービスの機能を抑えておけば合格できるようになります。
 7章はWell Architectedということで、AWSの設計の基本とネットワーク観点での設計の要所を解説しています。そして最後に8章は練習問題。本番と同じ65問を用意の上で、丁寧な解説をしています。

執筆者陣

 本書の著者陣は、NRIとNRIネットコムのメンバーを中心とした有識者で執筆しています。まず2章・7章の担当は、木美さん。NRIにてAWS全般を統括する部署で活動している人で、若いのに何でもめちゃくちゃ詳しいです。次代を引っ張っていくニューリーダーです。3章のネットワーク設計は、宮川さんの担当です。宮川さんは、サービスとして提供しているDirect Connectの設計・運用をしている人です。日本には、AWS Direct Connect デリバリーパートナーは10社もありません。Direct Connectを利用したのではなく、Direct Connectをプロバイダーとして提供するという役割・経験がある人は、日本中探しても殆どいないと思われます。本書の執筆スタートしたのも、宮川さんの参加が可能になったからです。ということで、ネットワークとDirect Connectを極めた宮川さんの知見が盛り込まれた3章は、本当に勉強になります。解説もうまくて、難しい概念もわかりやすい文章になっています。試験対策とは関係なしに是非読んでほしいところですね。
 4章は宮川さんと同じチームで働く矢野さんが担当しています。矢野さんもネットワークが専門でありながら、アプリケーションの分野まで造詣が深いです。本書のテーマでもあるネットワークの観点からAWSのサービスを解説するというのにピッタリでした。5章の担当は安藤さん。業務にも技術にも詳しいアプリケーションエンジニアです。自動化などはお手の物なので、その辺りの解説をしてもらっています。6章の担当は早川さん。AWSのアンバサダーに認定されています。テーマとして難しいネットワークのセキュリティやコンプライアンス・トラブルシューティングの手法を解説しています。本業でも、AWSのアカウントセキュリティを構築・運用するサービスの展開をしています。
 最後に7章の練習問題は、小西さんの担当です。専門知識シリーズの練習問題はすべて彼が担当しています。生き字引のようなAWSに関する広範な知識を元に、あの手この手で練習問題を作っています。このシリーズの練習問題と解説については定評があり、すべて小西さんのなせる技です。

新試験の対応について

 執筆もほぼほぼ終わった段階で、試験に関するニュースが飛び込んできました。2022年7月に新試験に切り替わるという告知です。執筆段階からもともと、現行試験の対応範囲から、そろそろ切り替わるんじゃないかという予想はしておりました。でも、このタイミングで来るのかという思いも正直あります。ただ、もともと予想されていた事もあり、旧試験の範囲から逸脱しても最近のネットワークのサービスを取り入れるという方針で執筆してきました。新試験の概要をみたところ、現状の構成でも問題なく役に立つという判断がたったのでこのまま発売することになりました。日本語の試験がいつ始まるかも解らないことですしね。
 いっぱい売れて、早く新試験対応版を出せるようにしたいと考えています。

感想と今後の予定

 数あるAWSの認定試験の中でも、個人的にはネットワークが一番むずかしいと感じています。その理由としては、Direct Connectを中心に普段そこまで深く設計する機会がないサービスを中心としているためです。Direct Connectを利用することは多々あれど、ほとんどの人は、その全体の設計をするような機会を得ることがないです。そもそも何を勉強したらよいかも解らないと感じている人も多いのではないでしょうか?今回、NRIが誇るスペシャリスト陣と一緒に執筆して、私自身も2段も3段もネットワークに詳しくなれたような気がします。当初予定より大幅に出版は遅くなりましたが、いい本に仕上がっています。ぜひ本屋でお手にとって見てください。
 また他の対策本を書くかどうかです。具体的な事は明かせませんが、いろいろな計画はあります。お楽しみということでご容赦ください。

昇降式デスクのFlexispotを導入しました

自宅のテレワークおよび執筆環境の再構築を進めています。その中の一つが、デスクまわりの改善です。緊急事態宣言の折に急遽買ったパソコンデスクを使っていたのですが、作業スペースが狭く微妙なストレスがありました。デスクを変えようと思って調べていたのですが、昇降式デスクの評判が高いようなので気になっていました。また先日、IKEAに行った時に昇降式デスクの実物を見たのですが、嫁さんにも子どもたちにも大好評でした。ということで、昇降式デスクを導入することにしました。

昇降式デスク Flexispotの脚だけ購入

 昇降式デスクを導入すると決めたので、具体的な製品の選定を始めました。昇降式デスクの場合は脚だけでも売っているケースが多いので、まず天板(デスクの板の部分)付きか、天板を自作するのかを検討しました。今回はカスタマイズのしやすさと、一度やってみたいからという理由で天板を自作することにしました。

 その上で、昇降式デスクの脚の選択です。下記のようにツイートをしてみたところ、圧倒的にFlexispotのリコメンドを頂きました。

 昇降式デスクについて下調べしていた時も、圧倒的にFlexispotの導入事例が多かったです。会社の同僚に聞いても利用者が多く評判が良かったので、まぁ大丈夫かなと判断しました。

 その上で、Flexispotのどのシリーズを買うか。一口にFlexispotといっても、いくつかの種類があります。種類による違いは、主に耐荷重と上下の可動範囲の違いです。

製品型番 耐荷重 対応天板サイズ 昇降範囲 参考価格
E7 125kg 120~210cm 58~123cm 51,700円
E8 125kg 120~200cm 60~125cm 83,600円
※天板付き
EJ2 100kg 120~210cm 69~118cm 38,500円
E9 50kg 幅120cm 73~123cm 35,200円
※天板付き

※これ以外にも、手動での昇降タイプもあります。今回の比較には省いています。

 耐荷重については、正直それほど重い物を乗せる予定はないので何でもよいかなと考えました。一方で、今回の導入の目的が机が昇降できるという点です。そのため、昇降範囲は重視しています。これは主に2タイプあり、脚が3つのパーツで稼働幅が大きいE7,E8と、脚が2つのパーツで稼働幅が小さいEJ2,E9です。購入後の感想を見てみると、EJ2だと微妙にフィットしないケースが多いようです。ということで、3パーツで構成されているE7 or E8にしました。その上で、E7かE8の選択ですが、E8は脚だけという選択肢が見つかりませんでした。必然的にE7を選んでいます。脚だけの品番はE7Bとなるようです。

天板サイズの検討と、カインズ資材館で天板の購入

 脚を買ったので、次は天板の購入です。購入する前に、まずサイズの検討をしました。FlexispotのE7は、最大210cmの天板を置くことができます。できるだけ大きいのをズバンとおくか、現実的に必要なサイズにするか悩みました。これまでの経験則で左右にパソコンを置いたとしても、幅120cmくらいでも充分な作業スペースを確保できます。ただ今後を考えると、ある程度の拡張性を持たせたいです。そこで、160cmにすることにしました。次に奥行きです。ここは幅以上に悩みました。ディスプレイのスペースを考えると、ある程度奥行きが欲しいです。でも、それ以外の用途でそれほど奥行きは必要ないと考えました。そこで据え置き型のディスプレイの設置を止めて、ディスプレイアームを導入することにしました。ディスプレイアームについては後述します。結果、奥行きは65cmにすることにしました。ちなみに厚みは2cm以上ある必要があります。
 天板のサイズを決めたところで、購入です。天板の購入の際は、板の素材をどうするか。あとそもそもどこで購入するかが重要です。ネットで調べてみると、板の素材とサイズを決めて購入できるサイトがいくつかありました。ただ、どれも値段がそれなりにします。そのため、近所のホームセンターで購入することにしました。家から車で30分くらいのところで、カインズ資材館があります。ここは建築関係のプロも利用するお店で、多種多様な材料を扱っています。私は厚さ25mm・奥行き910mm・幅1820mmの板を買い、奥行き650mm・幅1650mmにカットしてもらいました。このサイズで税込み8,800円でした。結構安いと思います。また加工料も1カット50円なので、たった100円できれいにカットしてくれるのでありがたいですね。

ワトコオイルで天板の塗装

 次は天板の塗装です。オイルは定番のワトコオイルを選びました。色は、ミディアムウォルナットを選んでいます。板とオイルの組み合わせで、結構塗ったあとの色味は変わるようです。濃すぎず薄すぎずにしたかったので、ミディアムウォルナットを選びました。が、実際どんな感じになるかは、塗ってからのお楽しみでした。

 塗装の様子はこんな感じです。晴れた日に、ベランダで塗りました。下のブルーシートはダイソーで安いのを買っています。こんなものまで扱ってくれて、ダイソーってありがたいですね。

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 塗っている板と塗っていない板を並べると、こんな感じです。結構、劇的に変わって見えますね。本当は2度塗りしようと思ったのですが、買ったオイルだと2度塗りするには微妙に足りなさそうな感じでした。色もいい感じになったので、このまま利用することにしました。

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電動ドライバを利用して組み立て

 Flexispotの組み立ては思った以上に簡単でした。部品点数が少なく、殆どの部分が六角レンジでつけられます。ネジは唯一、天板との接続部分のみです。ただ、Flexispotの脚の重量が70キロと非常に重いので、それなりの力が必要でした。一人でも充分組み立てることができますが、可能であれば二人で作業することを推奨します。
 ちなみに組立時には、別件で買っていた電動ドライバが大活躍しました。電動ドライバーの中では比較的値段が安いアイリスオーヤマですが、六角ビットも含まれていたので、非常に楽に組み立てられました。ただ天板にネジを回す場合は、これは本来、押す力もプラスされるインパクトドライバーを使った方が良いです。インパクトドライバーは高いので、私は購入を諦めました。事前にキリで穴を開けた上で、ゆっくり回すことにより代用しています。ここは手動のドライバーだと結構大変だったと思います。

一緒に購入した小物

 Flexispotの脚と天板以外に、いくつか購入しました。

Amazonベーシックのモニターアーム購入

 机の導入とともに、モニターアームを購入しました。モニターアームもいろいろあるのですが、品質面で高い評価を得ているのがエルゴトロン(Ergotron)です。ただ結構高いです。そこでお勧めなのが、Amazonベーシックのモニターアームです。これが実は、エルゴトロンがOEMとして提供している製品のようです。保証期間の差異はありますが、品質は基本的に同じと考えることができます。更にAmazon製品なので、よくタイムセールの対象となっています。ということで、Amazonベーシックのモニターアームを購入しました。

 これつける前に、ディスプレイ面の向きの調整を一生懸命しようとしましたが、梃子でも動かない感じでした。ネットで調べてみたら、同じような苦労をしている人がいましたが、これ先にディスプレイをつけてしまうのが正解のようです。そんなもの解るか!!

配線&隠しの工夫

 次に配線とそれを隠すための工夫です。机が上下に昇降するということで、配線については、少し工夫をする必要があります。私は、電源タップを脚の横につけて、天板からぶら下げるタイプの配線かごを購入しました。また、雑然としがちなUSBの給電ケーブルについては、端子の根本にマグネットをつけて必要な時に伸ばすという形にしています。

 電源タップは、エレコム 電源タップ 1m 7個口 ダブル回転タップ マグネット付を利用しています。マグネットがついているので、脚に引っ付けることができます。これは、今回購入したのではなく、前から利用していたものです。

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 配線トレーは、サンワサプライ ケーブル配線トレー ワイヤー Sサイズ 汎用タイプ CB-CT4です。特にこだわりがある訳ではなく、ちょうど良いサイズで探したらこれだったというところです。天板の下にネジ止めするタイプと、このタイプのように挟むタイプがあります。下でネジ止めするのは、構造的に弱いので挟むタイプにしました。まぁネジ止めするのが面倒くさいというのが7割くらいあるのも事実です。天板上に少し見えてしまいますが、これが結果的によかったです。

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 配線トレーのところ、写真でみるとゴチャッとしていますね。普段使う分には全く見えないので気にしていなかったのですが、もう少し整理した方が良さそうですね。


 ケーブル配線トレーをつけることにより、天板部分に少し金属の部品が出るようになりました。ここをUSBケーブルのマグネット止めとしました。スマホの充電用のケーブル類は、わりとごちゃごちゃになりますが、無いと不便です。使っていないときには見える部分を最小限に、かつ下に落ちないようにできています。自画自賛で満足しています。

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完成図

座りながらの定位置。高さは67.2cmに設定していて、下限一杯に近いところで調整しています。

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スタンディングの場合は、107cmに設定しています。上限が125cmです。私の身長が175cmなので、身長190cmくらいの人でも快適に使えるのではないでしょうか

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スタンディングのポジションと座った場合のポジション、それ以外に2つのポジション。計4つのポジションを記憶させる事ができます。記憶させておくと、ボタンひとつでその高さに変更できるので、けっこう便利です。

次の動画は、スタンディングから座ったポジションへの変更した場合です。40cmの移動を10秒少々で変更しています。結構早いという印象を受けます。


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写真で見ると、配線については、もう少し改善の余地がありそうですね。あと、動画の音がうるさいのですが、これはFlexispotの作動音ではなく、隣で乾燥機回していたためです。ドア閉めておけば良かったです

まとめ

 なんだかんだと追加で購入したので、それなりのお値段になりました。しかし、満足度はピカイチです。テレワーク環境・執筆環境の改善として、非常に高い投資効果があったと思います。また、ディスプレイから出ているType-Cのケーブルにつなげることにより、キーボードもマウスもディスプレイと一緒に、すぐに使えるようにしています。MacとWindowsのどちらを使うときも切り替えしやすくて良いです。また、家族も自分のPCを持ってくるだけで、すぐに作業ができるようになっています。私個人の環境ではなく、家族みんなで共用できるのが良いです。子供もオンライン授業用のタブレットを持っているので、いつかここで自分で調べ物とかするようになればよいなぁと思っています。
 あとFlexispotはディスクとして販売しているんですが、大きな天板をつければテーブルとして利用できるのではと思っています。子供が小さい時は、なかなかピッタリとした高さで料理を食べることができないです。これ使って、子供の食事用に使うといいんじゃないのかなと嫁さんと話していました。うちの子はもう、そこまでする必要はなくなりましたが、幼児の時にはいいんじゃないかなと思います。
 なかなか高いので購入まで躊躇しましたが、今は大満足です。気になっている人の参考になれば幸いです。