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プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

Amazon AuroraとMariaDB Connector/Jの話

 今月創刊したクラウド専門誌の日経クラウドファースト。その特集の1つが、Amazon Auroraです。私も、その特集の執筆に協力させて頂きました。

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 その中で、AuroraとMariaDB版のConnector/Jについて少し触れています。個人的にはMariaDB版のConnector/Jは、設計思想や実装面から将来性があり、かなり面白い製品と思っています。せっかくの機会なので、少し紹介します。

Auroraのクラスタ・エンドポイントとインスタンス・エンドポイント



 MariaDBのConnector/Jの話をする前に、まずAuroraに接続するためのエンドポイントの説明をします。Auroraには、クラスタ・エンドポイントとインスタンス・エンドポイントの2種類のエンドポイントを持っています。
 インスタンス・エンドポイントは、Auroraの各インスタンスに直接接続する為のエンドポイントです。立ち上げたインスタンスの数のぶんだけ、エンドポイントが作られます。これに対して、クラスタ・エンドポイントは、Auroraのマスターノードに接続する為のエンドポイントです。マスターノードのインスタンス・エンドポイントへのDNSのエイリアスになっていて、フェイルオーバーが発生すると、新しいマスターノードのインスタンス・エンドポイントへ切り替えられます。図示化すると、下記のような形になっています。

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 Auroraの呼び出し元としては、クラスタ・エンドポイントのみ記述しておけば良いという形となります。

MariaDB版Connector/Jの接続方法



 これに対して、MariaDB版Connector/Jは全く別のアプローチをしています。何とクラスタ・エンドポイントを一切利用せず、インスタンス・エンドポイントを全て登録するという形になっています。

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 そして、MariaDB Connector/Jの方で、どのインスタンスがマスターノードか把握して、そこにクエリーを投げるという形になっています。どうしてこのような構造になっているのかというと、高速なフェイルオーバーの為です。前述の通り、Auroraのクラスタ・エンドポイントの切り替えは、DNSを利用しています。そのTTLは5秒なので、障害検知後の切り替えは最低5秒は掛かります。それより短縮する為のアプローチなのです。
 ちなみに、MariaDB Connector/Jがマスターかスレイブか判断する方法としては、InnoDBのステータスを見ています。リードレプリカの方は、書き込み禁止のステータスがかえってくるのでそこを判断しているようです。

MariaDB版Connector/Jの可能性



 意外に単純な仕組みですが、これは結構面白いアーキテクチャです。現在は、フェイルオーバーの高速化のためだけの仕組みになっています。しかし、Connector/Jとしては、どれがマスターでどれがスレイブか把握できているということになります。そうであれば、Connector/J自身でクエリを判断して、更新系であればマスターに参照系であればリードレプリカにと振り分けが出来るはずです。リードレプリカへの振り分けは、アプリの実装含め悩みどころなので夢が広がりますね。

まとめ



 今回の特集の中で、MariaDB Connector/Jの話はごく一部です。これ以外にもAuroraのアーキテクチャ面の解説や耐障害性など、かなり濃い話をいろいろ書いています。Auroraを使う前に読んでおくと、結構理解が進んで良いと思います。
 ちなみに日経クラウドファーストの執筆陣は、cloudpackさんやサーバーワークスさん、クラスメソッドさん、TISさんにNRIとAWSのプレミアコンサルティングパートナーが揃っています。かなり濃いメンツで、企画のための会議にもかなりディープな情報が出てきています。ということで、興味がある人は日経クラウドファーストの購読を是非よろしくおねがいします。ついでに、Amazon Web Services クラウドネイティブ・アプリケーション開発技法もよろしくお願いします。

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