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プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

この著者は売れる本の書き方を知っている。 売り方は類人猿が知っている

 売り方は類人猿が知っているという本を何気なく買いました。かなりのヒットでした。


 経済学の中で私の好きな分野に行動経済学というのがあります。経済学の中でも割と新しい分野なのですが、その中で扱う命題の一つに「人間は不合理で矛盾したように見える行動の理由」があります。これを脳の仕組みの観点から解説しているのが本書です。もう私の好みの分野に大ヒットの本でした。特に力を入れて解説しているのが、消費やマーケティングのメカニズム。昨今の若者の車離れをSEXの観点から解説しているのは面白かったです。
 そこらの営業のハウツー本より、営業さんには良いかもしれませんね。営業職じゃない人でも、自分や他人の行動原理を知っていることは、日常生活でもとてつもないアドバンテージを生みます。それがたったの890円としたらお買い得だと思います。上手く活用したら、投資分はすぐ取り戻せるでしょう。


目次を読むだけで結構面白いのですが、出版社のサイトにも完全な物は置いていませんでした。
根性で写経しましたよ


第一章 不安なホモサピエンスはモノを買わない

 不安を一生感じ続ける日本人/最初にうまれた感情は「恐れ」
 恐怖を感じる災害用ロボット/怒りの感情が肉食につながった?
 「嫌悪」の感情は食べ物に由来する/無意識の感情を情動という
 セックスに愛は必要ない/子育てには愛情が必要
 現代でも威力を発揮している太古の脳/ウソをつく消費者たち
 不安は恐れの変形/昔は不安を感じても10分

第二章 人間もサルも「得る」よりも「失う」を重く考える

 アインシュタインよりも偉い科学者とは/2足歩行はクールビズと同じ
 「妬み」のおかげで民主主義が実現した/集団生活が嫉妬心を生む
 なぜ人間社会は平等にこだわるのか
 不安と損失回避は脳の同じところから生まれている
 曖昧さと恐怖は同じ/「せっかくのマンモス」を失う恐怖
 人間と同じ損失回避性を示したオマキザル
 900円のシャンプーはお買い得か/高いワインはおいしいと感じる
 購買を決めるのは「快」と「不快」/キーワードは安心
 巣ごもりする人間も孤独は嫌い

第三章 金持ち父さんは貧乏父さんがとても気になる

 シアワセ相対性理論/金持ちに買い控えさせる罪悪感
 犬がネコに見えてくる仕組み/脳は多数意見に従う
 人間は協力しあわせなければ生存できなかった
 互助精神は一種の保険/「恥ずかしい」は集団の協力関係を強化する
 罪悪感は信用できる人間であることの証拠
 賢いホテルはタオルをどう再使用させたか/他人と協力すると快感を感じる
 他人の真理を読むミラーニューロンの発見
 ミラーニューロンが社旗性を高めた
 無音のハーレー映像で聞こえるエンジン音/社会的な動物が抱える悩み
 原人も社会生活にはストレスを感じていた/現代人の罪悪感を考える
 購買を正当化してあげる/罪悪感はお金で消せる

第四章 自動車の売上と孔雀の羽との共通点

 孔雀の羽のミステリー/目玉模様が多い孔雀がモテる理由
 セクシャル・ディスプレイ/生殖器官からわかる人類の性生活の歴史
 乱婚から一夫一妻制へ/「嫉妬」は浮気防止のために誕生した
 身長や外見よりも女性が重視するのは・・・
 男は若い女を、女は年上の金持ちを求める?
 眠れる森の美女と白馬の王子様/「かぐや姫」が教えてくれること
 性に興味がない現代人/理由は「面倒くさい」から
 異性との交際はわずらわしい?/自動車は孔雀の羽なのか
 異性に関心がないと自動車にも関心がなくなる?
 無駄なモノだから「ひけらかし」になる
 オスとメスの交換条件と草食系男子/目の前の生存が何より重要
 消費不況を克服する究極の手段

第五章 感情と記憶が長寿ブランドをつくる

 川に投げ込んで記憶させる/頭の中の複雑なファイル・システム
 夢と深夜の道路工事の共通点/記憶という仕組みが生まれた理由
 京大生に買った子供チンパンジー/記憶は事実とは異なる
 広告も記憶をゆがめることができる
 アンケート調査では消費者はわからない
 感情に訴える体験を提供できるという幻想
 人間だけが感動を与えることができる
 楽しい感情はどうして生まれたのか
 「人前でのスピーチ」の生理的ダメージから回復
 文明を築いたポジティブ感情/ネズミも類人猿も「笑える」
 ポジティブな感情を喚起させる長寿ブランド
 長寿ブランドは長生きだから長寿ブランドになれる
 商いは飽きないに通じる/繰り返せば長期記憶になる/経路依存の法則

第六章 人間も進化の歴史から逃れられない

 トレーダーの脳を調べるニューロファイナンス/お金には無意識に反応する
 人間にとってお金とはなんなのか?/人間は報酬系によって生かされている
 メタ簿は石器時代の長寿者が残したもの/進化は脳の修繕屋さん
 脳にとってはお金も褒め言葉も同じ/セックスと投資の関係
 強欲が「買い」に走り、恐怖が「売り」を招く/理性的に判断しない経営者
 ヒューリスティックスはサバイバルのための思考方法
 サバイバル手段としてのパターン認識
 不安になると見てしまう錯覚的パターン認識
 ゴシップとクチコミのために言語は生まれた
 ゴシップは懲らしめる手段なのか
 ソーシャル・メディアが再現する「村の生活」
 なにげに、なんとなく世界に生きる/ワケあり商品が売れる理由
 理知的な人間と感情的な人間は半々/人間も進化の歴史から逃れられない
 巣ごもりをする消費者と低価格商品というエサ
 コミュニケーションの大きな力
 人間という生物に注目したマーケティング



Kindle版



以下、本文中で気になったところのメモ

ダニエル・カーネマンは、人間は、損失を同額の利益よりも2〜2.5倍も大きく感じるといっています。だから、人間は、損失を回避しようとする。これが、行動経済学でいうところの損失回避性です。

不況のときネット販売の人気が高くなるのは、「自宅でできる便利なショッピング」だからです。
 自分が一番安心を感じられる家(巣)で買い物ができるからです。消費者は金銭的利益だけではなく、安心感を求めているのです。だからこそ、価格よりも、信頼できることがわかていて使い勝手のよい同じサイトを利用する結果になっているのです。