プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

ビルゲイツの仕事の仕方

 敬愛する中島さんのエントリーの中で、特に好きなエントリーが次のビルゲイツに関するエントリーです。
リーダーシップについて思い出したこと

 記憶を呼び起こしたのは、この「市にバスを手配するように指示したが、市側が十分なバスを手配してくれなかった」という言い訳である。私が米国のマイクロソフトで働き始めてまだ日が浅い頃、ソフトウェアの開発に関連して似たような言い訳をビルゲイツの前でした人間がいたのだが、その瞬間にビルゲイツは机を叩いて真っ赤になって怒り始めたのだ。この場面にビルゲイツがいたとすれば、こんな感じになる。

ビルゲイツ: (机を激しく叩いて)市側が十分なバスを手配してくれなかっただって?バカなことを言ってるんじゃない。市側が適切な対応をしなかったら、市長の首をねじ上げててもバスを手配させるのがお前の仕事だろう。それでも市が動かなかったら、隣の市からバスを借りて来るなり、軍にトラックを手配させるなりして、何としてでも市民を非難させるんだ。
Fema: しかし、市も軍も私の指揮権の及ぶところではありませんから…
ビルゲイツ: (ますます真っ赤になって怒って)指揮権がなんだっていうんだ。人の命がかかっているんだぞ。軍に要請を出して動いてくれなかったら、大統領に電話して命令を発動してもらうのがお前の仕事だろう。何のためにお前に高い給料を払っていると思ってるんだ。

 このエピソード以来、私の「プロジェクトの責任者の役割」に関しての見方が大きく変わった。プロジェクトの責任者の仕事は、「プロジェクトの成功に必要な作業の手配をする」だけでは終わらず、それらの作業が確実に実行されるようにして結果を出してこそ初めて評価されるものだ、そしてうまく行かないことがあっても決して他人のせいにしてはいけない、という認識である。マイクロソフトでは沢山のことを学んだが、これはそのうちでももっとも貴重なものの一つである。

 ほとんど全文引用で申し訳ないですが、本当の意味で仕事をするというのは上記の通りだと思います。油断すると人間は、守りに入って自分の出来る範囲だけの仕事をして満足してしまいます。それ以上は、職権の範囲外として手を出そうとしません。残念ながら、これが日本でサラリーマンとして生きるには安全な生き方かもしれません。でも、それだけで一生を過ごすには悲し過ぎます。
 気を付けないと勝手に自分の職責の範囲を区切ってしまって安全圏で生きようとする自分に対する自戒の念を込めて。。。そして、こんな市井の人間にも、世間に自分の気持ちを発することが出来る社会に感謝の念を込めて。。。今回のエントリを起こします。