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業界に風穴を空けるライフネット生命

業界初!“保険の原価”を開示したライフネット生命に怨嗟の声

「なんで開示したのか!」――。

ある生命保険会社幹部はいらだちをあらわにした。その理由は、11月21日、インターネット専門の保険会社であるライフネット生命保険が、“保険料の原価”の全面開示に踏み切ったためである。

 契約者が支払う保険料は、将来の保険金支払いの原資である純保険料と、保険会社の運営経費である付加保険料に分けられる。この付加保険料には、営業職員や代理店への手数料や、保険会社の利益などが含まれ、開示はタブーとされてきた。確かに「クルマや電化製品も原価を開示していない」(大手生保)というように、開示しなければならないものではない。

 ライフネット生命が、保険料の内訳を全部開示したようです。ただただ凄いなぁと思います。戦略として考えると、開示することにライフネット生命は何のデメリットもありません。ネット専業のライフネット生命は手数料水準が一番低いのは間違いないでしょう。(優良共済には負けている可能性がありますが、カテゴリが多少違うので置いておきます。)これに対して、大手の生保は、全国の営業網や多大な広告費等の手数料によって賄ってきた間接費の割合が高いです。よって、内訳を公開した瞬間、大変な騒ぎになるでしょう。
 また、開示することが潮流になったとしても、大手が対抗するには専業のネット子会社を作る必要があります。証券会社の例をみたら解るように、棲み分けのことを考えるとさじ加減は難しくなります。自社の優良顧客がネット保険の方に流れると、今の営業網は維持出来ません。また、後発のネット専業の生保がどんどん出来たとしても、ライフネット生命はさして痛手ではないはずです。ネット生保が注目されるようになり、そうなると先攻しているライフネット生命の優位性が高まります。有象無象のネット生保が増えると、どれが信頼出来るか解らなくなり最古参を選ぶこととなるでしょう。


 ところでこのニュースは、マスコミにはどれくらい取り上げられるのでしょうかね?恐らく一部週刊誌に取り上げられて、テレビ等では扱い小さいのではないでしょうか?広告費が削られているなか、中々大手顧客の心証を悪くするようなことは出来ないと思います。まぁ、営利団体だから仕方がないことでしょう。それなのに、公正中立を謳っていることの方が問題なのでは。



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