プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

利回りから東京圏と大阪圏の不動産を比較してみた

 ブログの方では言っていなかった知れませんが、今年の7月に東京に転勤になりました。当然の事ながら、家を探して引っ越しました。その時からモヤモヤっと思っていたことがあります。マンションの販売価格に較べて、賃料が安いという点です。つまり投資家目線で考えれば、利回りが低いということです。(一応補足しておくと、賃料自体は凄く高いです。)

 感覚値なのですが、以前住んでいた大阪の堀江3〜4丁目あたり(西長堀駅)は、大体利回りが7〜8%くらいでした。最近は少し上がり気味ですが、築20年位の50㎡の部屋で、賃料が10万円、売値が1500万円前後くらいです。利回りにすると、8%くらいです。当然、これより高いのも安いのもあるものの、およそこのような感じでした。
 一方で、東京や近隣の県で探すと、良いなと思うところは5〜6%くらいなのです。家賃が高くてたまらんと思う反面、これでは部屋の所有者(オーナー)もたまらんと思いました。

実際のデータを集めてみた



 自分の見聞きした範囲だけで判断すると見誤ることも多いので、データを少し集めてみて集計してみました。賃貸の情報サイトと中古マンションの取引情報サイトから関東、関西近辺のデータをスクレイピングしてみました。賃貸物件は数十万件、中古マンションの取引情報は数万件程度あつまりました。

 データの形式としては、次のようになっています

賃貸情報
  • 最寄り駅
  • 駅からの距離
  • 築年数
  • 建物の階数
  • 物件の階数
  • 賃料
  • 諸費用(管理費等)
  • 入居時費用(敷金礼金)
  • レイアウト(1LDK,2LDK等)
  • 広さ(平方メートル)
中古マンションの取引情報
  • 最寄り駅
  • 駅からの距離
  • 築年数
  • レイアウト(1LDK,2LDK等)
  • 広さ(平方メートル)

データを比較すると



 データから計算すると、わりと感覚と一致しました。以前住んでいた西長堀の平方メートルあたりの平均価格が32万円。賃料が2,132円となり利回りが8%となります。これに対して、私が幾つか見たところは、軒並み6%台でした。(と言っても、6%後半が多く思ってたほど悪くなかったです。)

駅名 平均販売価格 平均賃料 平均利回り
千駄木 590000 3052 6.21%
浅草 510000 2728 6.42%
和光市 370000 2098 6.80%
両国 480000 2770 6.93%
西長堀 320000 2132 8.00%

 こうやって並べると、東京圏ばかりが利回りが悪いように思えますが、関西圏でも6%くらいであれば幾らでもあります。たまたま私が住んでいたところは、悪くないところだったというところでしょうか。

データから見えてくること



 こういったデータを眺めていると、普通の生活者目線からは違ったものが見えてきます。今までは、東京は家賃が高くて、既に物件を持っている人はガッポガッポ儲けているのだと思っていました。しかし、この数字を見る限りは、高い物件を低い利回りでまわして、結構リスクをとっているようにみえます。(利回りが低いのは、空き室リスクが低いからという理由もありますが。)

 賃貸として借りるにしろ、マンションを買うにしろ、単純に賃料や販売価格の絶対値で見るのではなく、この辺りを相対化すると色々参考になるのではと思います。まだやっていませんが、築年数や駅からの距離といったデータがあるので、販売価格や賃料の推移を10年単位くらいで追っていくと面白いものが見えてくるのではないでしょうか。

まとめというか抱負



 今回わりと面白いデータが集まったので、ちゃんと統計的に分析してみたいと思います。最近、「手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング」というRを使って統計分析するという面白い本をかったので、これを片手にRの勉強してみたいと思います。
 あと、どうやってデータ集めたら良いのという場合は、「Rubyによるクローラー開発技法」がお勧めです。5章「目的別のクローラーを作成する」の5-19に不動産情報を取得するという1節を書いています、というステマで終わらせていただきます。


See Also:
『Rubyによるクローラー開発技法』を書きました
Rubyによるクローラー開発技法の目次



Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例

Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例

手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング

手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング