プログラマでありたい

おっさんになっても、プログラマでありつづけたい

東芝REGZA 47Z7を買って修理した話と、テレビガードと火災保険の関係

 先日の引っ越しのタイミングで、新しいテレビを買いました。東芝REGZAのZ7シリーズの47インチです。ヤマダ電機で2代前の型落ちを店頭で安く買いました。今まで録画の設備も持っていなかったのに、いきなりテレビ一体型の録画機能とタイムシフト機能がついて、非常に快適です。もっぱら、3歳の息子のYoutube鉄道映像のシアターと化してしまっていますが。

サポートセンターへ電話。修理の手配



 しかし、設置早々に壊れてしましました。電源が全く入らないので、電源系の故障の模様です。どうしようもないので、東芝さんのサポートに電話しました。すると、電話で訪問修理の予定日を確認して、2日後に来てくれました。ただ、交換部品がないということで、その日は代替のテレビを置いていってお終いです。何でも、今のテレビは、モジュール単位に交換で、部品がないと何ともしようがないとのことです。1週間後に再度部品を持ってくるとのことです。

今どきのテレビの構成と修理の現実



 初回の訪問から1週間後くらいで、交換の部品を持って修理の人が来ました。修理の途中で聞かせて貰った話が、なかなか面白かったです。まず、最近のテレビの構造です。パネルと電源系、パソコンでいうところのマザーボード的な存在くらいです。思った以上にシンプルな構造でした。
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 写真中央あたりの部分が、電源制御系のようです。右の方がマザーボード的な存在の模様です。部品を見ていると、パネルはLG製、メモリはSamson製でした。修理の人曰く、国産テレビの中身の多くが、輸入の部品で構成されているようです。一方で、マザーボード的な物の中の黒い部分、映像処理の中心的なモジュールらしいですが、ここの部分は独自に作っているようです。パソコンで言うところの、CPUだけ自作しているようなイメージでしょうか。

 さて修理ですが、モジュールごとの交換となります。そのモジュールの単位ですが、何と電源ボードであったり、マザーボード的な物が1つの単位となっているようです。今回の場合は、電源系の故障だったので、中央の山吹色のボードを丸ごと交換していました。個々の部品のチェックなどはしないのか聞いてみると、もう製品が電子化し過ぎていて個別のチェックが出来ないようになっているようです。

テレビガードと火災保険の免責の関係



 少し話それますが、今回テレビを買ったタイミングで、テレビの液晶ガードを購入して付けていました。上の子が小さい時に、テレビをバンバン叩いていたからです。もうだいぶ分別がつくようになってきたので、上の子については心配していないのですが、今度は下の子の番です。と言う事で、付けていました。
 修理屋さん曰く、これは中々お勧めな模様です。子供がらみの液晶関係の故障は、月に1〜2件は必ず出会す程の頻度ということです。テレビも極限まで薄くなって、もろくなっているのでしょうかね。

 また意外な話も聞けました。火災保険の種類によっては、液晶の破損等に対応できるようです。その際に画面保護パネルをつけておけば免責になりやすいなりにくいようです。これは話を聞いただけなので裏はとっていませんが、何かあった場合はダメ元で保険の交渉をしてみるのもよいのではないでしょうか。
※2014/09/16追記 免責の意味が逆だとの指摘を受けました。免責は保険会社側のものとのこと。逆の意味でつかっていました。

感想



 今回、テレビを修理してみて色々勉強になりました。簡単にまとめると、次の3点です。

  • 今のテレビは完全にデジタルの産物。パソコンとほぼ同じ構造になっている。
  • テレビの中身の共通化は進んでいる。国産・海外の製品の区別はなくなっているのでは。
  • 差があるとすると、サポートや保証の差だけでは

 結論的には、テレビを作っていると赤字になる構造が理解できたような気がします。ユーザーとしては、国産製品の販売後の手厚いサポートは有難い限りです。一方で、2世代前の型落ちのテレビが10万円以下で叩き売られて、かつ同じようなサポートが必要な状況は、メーカーにとっては悪夢ではないのでしょうか。また、価格下落に対応する為に、調達コストを下げようと今の構造のように部品の汎用化が進みます。国産だから品質が高いとか、海外のものだから品質が低いという時代ではなくなりつつあるのでしょうね。
 品質の話になると、汎用化が進むほど品質のコントロールが難しくなるでしょう。徐々にサポートコストが重荷になるという構造になっていくのではないでしょうか。

 修理の様子を見聞きしながら、30分くらい考えただけなので見当違いの部分も多いと思います。ただ、デジタル化というものがどういうことなのか、少し垣間見えたような気がします。


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グリーンハウス 47インチTVガード 薄型テレビ用 AGタイプ GH-TVG47AG

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Spidering hacksと私

 知っている人は気がついていると思いますが、「Rubyによるクローラー開発技法」は、「Spidering hacks」を意識して書かれています。この本はクローラーやWebスクレイピングに関して、非常に広範囲に取り扱っています。ツールの話からスクレイピングの仕方まで、ひと通り学べる内容となっています。

 私が最初にSpidering hacksを読んだのは、いつの時かはっきり覚えていません。もともと独自にスクレイピングのまね事のような事をしている時に、この本に出会ったのだと思います。当時は、クローラーやスクレイピングというものの概念をあまり持っていませんでした。ただただ単純にWebからデータを抜き出したくて、自分の持っている知識を組み合わせて力ずくで取得していました。
 そんな時にこの本に出会って、一気に世界が広がりました。定番のツールや定石の方法を知り、欲しければ何でも取得しようという貪欲さを学びました。


 一方で2004年発売なので内容としてはだいぶ古く、次のような問題があります。

  • 利用しているモジュールが古い
  • 対象となるサイト・サービスが既に存在していないものが多い
  • そもそも対象サイトが米国のものが多く、日本の読者には必要としないことが多い

 クローラー本の宿命として、陳腐化しやすいという問題があります。取得の対象が実際にあるサイトじゃないと誰も喜ばないという現実があります。しかし、そのサイトは当然変更されるし、もっと言うとサイト自体がなくなるという可能性もあります。つまりサンプルプログラムが動かなくなるということです。またこの本は、主にPerlを前提にスクレイピングするという構成です。LWPやMechanizeなどを駆使するというパターンですね。最近では、PythonやRubyのシェアが上がってきているので、相対的にPerlの利用者が減っているのかなぁという現状です。その辺り考えると、技術本の中でも特にクローラーというのは難しいよなぁと思います。


 そんなこんなを漠然と思っていたのですが、まさか自分が同じような本を書くことになるとは、夢にも思っていなかったです。自分の本の寿命がどれくらいなのか解りませんが、同じように誰かの参考になってくれれば幸いです。そして誰か、Python版を書いてくれないかなぁと思います。


Spidering hacks―ウェブ情報ラクラク取得テクニック101選

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Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例

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『Rubyによるクローラー開発技法』を書きました
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本を書く前に準備したこと、執筆中にしていたこと
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大人の歯磨き。Panasonic ジェットウォッシャー 白 EW-DJ10-W

 30代後半で二児の父ですが、未だに歯医者に行くと懇切丁寧に歯の磨き方の指導を受けます。20代の若い歯科衛生士に、ここを丁寧に磨くんですよと諭されると、「恥の多い生涯を送って来ました」と懺悔せねばならぬ気持ちになってきます。
 もともと私は顎が小さく、歯の間隔が非常に狭いです。その為、歯を磨くだけでは、歯の間の詰まったものが取れないことが多く、歯間ブラシ等を併用していました。また歯並びが悪いため、死角も多く磨きにくいという難点がありました。そこで、評判の良い水圧で歯を綺麗にする機器を買ってみました。

購入の経緯



 製品のカテゴリ名はよく解りませんが、パナソニックのジェットウォッシャー EW-DJ10-Wを購入しました。このジャンルの製品に興味を持ったのは、たぶん4〜5年前にネットで話題になって、かなり楽と聞いていたからです。うろ覚えですが、当時は海外製が主流で国内製品も成熟しておらず、1万円以上という値段だったような気がします。
 それが最近では、4,000〜5,000円くらいで買えるようになりました。この値段であれば、上手くいけば歯医者で定期的に検査や掃除をして貰う必要がなくなるので、直ぐに元が取れると思い購入してみました。それ以来、大体1ヶ月くらいたったので感想載せてみます。

ジェットウォッシャーは、何があって何でないのか



 購入前だとジェットウォッシャーは万能の機器で、歯ブラシによる歯磨き自体不要になると思っていました。その考えは、恐らく100%間違いです。歯ブラシと補完するものであって、どちらか一方で済むものではないです。少なくとも私の場合は、そう感じました。
 それでは、ジェットウォッシャーのメリットは何なのでしょうか?歯ブラシと組み合わせると、歯磨きの総合時間が短縮できます。最初にジェットウォッシャーを使い、歯間の汚れを一気に掃除してしまいます。だいたい10〜20秒くらいで、ひと通り掃除できます。その後に歯ブラシで、歯の表面などの汚れを落としますと効率的です。また副次効果として、歯ブラシの間に食べかすがつくことが無いので衛生的です。
 一方で、私の場合だけかもしれませんが、歯間ブラシ不要ということにならずに、相変わらず歯ブラシの後で歯間ブラシも利用しています。肉の筋などが歯の間に挟まると、どうしても取れない時があります。ただし、ここは個人差があると思います。

ジェットウォッシャーの水圧



 ちなみにジェットウォッシャーですが、かなりの水圧です。初めてやった時は、びっくりして洗面所中水浸しにしてしまいました。歯茎に直接当たると、結構痛いです。威力のほどは、動画をみてください。恐らく果物くらいであれば、穴があくのではないでしょうか?


Panasonic ジェットウォッシャー 白 EW-DJ10-W - YouTube



感想



 30年以上、歯磨きといえば歯ブラシだけを使うものと思っていました。一方で世の中いろいろな器具があるので、自分に最適なものをちょっと試してみるのもよいのではと思います。最近は、電動歯ブラシでも、音波振動歯ブラシなどもあるようです。ちょっと評判聞いて試してみたいと思います。
 歯磨きは、1日2〜3回3分くらいを一生涯続けていく必要があります。80年間磨き続けるとなると、4380時間です。(3分×3回×365日×80年=26,280分)こんなに時間を掛けるのであれば、その質をよくすれば投資効果としてかなり大きな分野ではないでしょうか?

Panasonic ジェットウォッシャー 白 EW-DJ10-W

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『Rubyによるクローラー開発技法』の増刷決定しました

 少し遅くなりましたが、ご報告です。先月末(8/23)に発売した「Rubyによるクローラー開発技法」ですが、発売10日程で何と増刷決定しました!!
 発売前から、テーマがマニアック過ぎるとか、値段が高過ぎると、主に私の中で心配していましたが、想定外の好調さに驚いています。たくさんの方に買っていただき、本当にありがとうございます。Amazonの方でも売上げ好調で、「本 > コンピュータ・IT > プログラミング > Ruby」では、1週間1位を継続、1つ上の、「本 > コンピュータ・IT > プログラミング」でも、わりと1位を継続していて、「本 > コンピュータ・IT」でも、ランクインしています。

どういった層が買うのか



 発売後、TwitterやGoogleでつぶさに観察しています。「Rubyによるクローラー開発技法」の購入者層は、Rubyやクローラーをバリバリやっているという人よりは、どちらも、もしくはどちらかが初めてで、本を読みながら学んでいくというスタイルの人が多いようです。そういった人には、Rubyの概要から、クローラーの概念まで、細かく解説しているこの本はマッチするようです。特にRubyの説明については、Ruby技術本の第一人者の一人である、るびきちさんの解説なので勉強になると思います。(私も勉強させて頂きました)
 一方で、タイトルからして中上級者向けと思って買った人に対しては、少し物足りないのかもしれません。クローラーを作ってスクレイピングをしていると、必然的に可視化や統計処理、自然言語処理に向かうことになると思います。そこに対する足がかりの記述をもう少しすれば良かったと思います。
 実は企画段階で、その辺りも少し書きたいと考えていました。しかし、色々話しあう上で、テーマがぶれすぎるので削っていきました。結果的には良かったと思いますが、巻末インデックスか何かで文献や参考リンクでも書いておけばよかったと思います。その点は、いずれブログか何かで補完しようと思います。

イベント



 出版社の方に聞いたのですが、RubyKaigiでジュンク堂さんが販売会をするそうです。予定があえば私も参加して、サイン会になるようです。正式に決まり次第、改めて連絡させて頂きます。しかし実際にするとなると、私は字が汚いので、小学生が教科書に名前を書いたみたいになるので、本にサインすることに躊躇します。でも、買ってくれる人に直接あって、話を聞いてみたいというのはあります。
 またググっていて発見したのですが、「Rubyによるクローラー開発技法 読書会」なるものが、9/27(土)に兵庫県尼崎市で開催されるようです。どんな会まったく知りませんが、光栄です。いつか読書会に参加してみたいですね。

See Also:
『Rubyによるクローラー開発技法』を書きました
Rubyによるクローラー開発技法の目次
本を書く前に準備したこと、執筆中にしていたこと


参照:
『Rubyによるクローラー開発技法』増刷決定!Amazon 1位なう!!個人用即席クローラーの作り方 | るびきち×Emacs
9月27日 Rubyによるクローラー開発技法 読書会 第1回(兵庫県)

Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例

Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例

本を書く前に準備したこと、執筆中にしていたこと

 「Rubyによるクローラー開発技法」は、2013年12月に話を頂き、2月くらいまで企画を検討し、2月〜7月の約5ヶ月間で執筆しました。役に立つかどうか解らないけど、本を書く前に準備したことと、執筆中にしたことを残していこうと思います。次回があれば、もう少し上手くできるようにしたいですね。

事前に準備したこと


執筆環境を構築した

 執筆環境は、いの一番で用意しました。具体的には、下記の2つです。

  • GitHubの有料版アカウントを作成し、プライベートリポジトリを作った
  • MarkDown記法を覚えて、MarkDownから各種フォーマットに変換できる環境を作った

 GitHubのプライベートリポジトリを作ったのは正解でした。これが無ければ、いろいろ事故も起こったと思います。反面、Markdownの環境はメインのMacにしか作らなかったのが失敗でした。意外に色々な端末で書くことになったので、CIツールも用意してクラウド上でビルド出来る環境を作るべきでした。後は、表現力というところでは、Markdownは少し物足りません。この点は、ReVIEWの方に分があります。一方で、MarkdownであればGithubでほぼそのまま見ることが出来るので、悩ましいところです。

Markdown記法+Git+md2review+ReVIEWで原稿・ドキュメント管理

文章を書く技術の本を読んだ

 体系的な文章の書き方について学んだことがなかったので、文章術の本を何冊も買い込んで読んでみました。その効果で文章力が上がったのか自分では解りませんが、下記の2つのことを心がけるようになりました。

  • 一文一文を短くなるように心がける
  • できるだけ断定調にする

 幾つか読んだ中で、技術書を書くという観点では、「理科系の作文技術」が一番役にたちました。テクニカルな文章を書く場合には、参考になります。
 また、物事を一番解りやすく伝える作家として、私の中では、阿刀田高さんが一番です。氏の数あるエッセイの1つに、「日本語を書く作法・読む作法」という本があったので、これも読みました。勉強になった反面、他の阿刀田さんの本を無限に読み続けるというループに陥ってしましました。目的意識をしっかりですね。

Rubyの勉強をした

 あまりRuby力に自信がないので、共著者のるびきちさんの本をよんでRubyの勉強をしました。正直勉強に充てられる時間が足りなかったので、今後精進します。

対象読者の想定をした

 Rubyでクローラーというお題を頂いた時に、直感的にムリだろうと思いました。国内のRubyのエンジニアの数と、クローラーに興味がある割合。その二つを仮定して掛けあわせた結果、茨の道が見えました。そこで、勝手にターゲットを下記に設定しました。

  • 統計や自然言語処理に興味を持ちだして、その為のデータを収集しようとしている学生(学部3〜4年生)
  • SEOやWebマーケティングをしている人
  • ツールを使って作業を楽にしたいITエンジニア

 あまりRubyもクローラーも知らない人を想定し、入門書的な位置づけにしています。その意図通りになっているか、まだ解りません。ぜひ感想を聞かせて頂ければと思います。

執筆中にしていたこと



マイクロレベルでの執筆時間の管理をした

 パソコンで執筆すると、予想以上に誘惑が多いです。調べ物しているうちに、面白いページを見つけて、ずっと読み続けているということもありました。それを防止する為に、マイクロレベルで、時間を管理するようにしました。具体的にはポモドーロ・テクニックですね。これが中々良くて、普段の仕事をする上でも取り入れるようにしています。

パソコンで作業する際は、ポモドーロ・テクニック(Pomodoro Techinique)を使うとよい

ニーズの調査をしながら執筆した

 ターゲットは決めたものの、内容についてはどの辺に需要があるのか正直サッパリ解りませんでした。だから、書こうかなと思ったテーマについては、ブログで事前に記事にして反応を確かめることにしました。反応が大きかったものについては分量を多めにし、反応が無かったものは扱いを小さく、もしくは削りました。
 自画自賛ですが、これは割と良かったです。本来であれば、色々な人に査読をお願いするのがよいのでしょうが、客観的かつ的確な指摘を得るのは難しいのが実際のところです。ブログの場合、ブコメ等でストレートな感想を頂けるので、かなり参考になりました。また、間違っている部分も指摘されることもあり、大変助かりました。
 執筆前や執筆中に書いた記事は、次のようなものがあります。ブクマとTwitter、後は暫くしてのGoogleからの検索の流入を、反応の指標としました。

JavaScriptにも対応出来るruby製のクローラー、Masqueを試してみる
複数並行可能なRubyのクローラー、「cosmicrawler」を試してみた
あらためてRuby製のクローラー、"anemone"を調べてみた
Capybara-DSLのはなし
Ruby2.0の文字エンコーディングの簡単なまとめ。KconvとM17N
Ruby製のクローラー Anemoneの文字化け対策
Ruby製の構文解析ツール、Nokogiriの使い方 with Xpath
FireFoxやChromeを使って任意のノードのXPathを簡単に抽出する方法について
Ruby製のクローラー Anemoneでストレージをファイルに変更する
RubyでYahoo! キーフレーズ抽出APIを使ってテキストマイニング
Ruby製のクローラー AnemoneでストレージをSQLite3, MongoDBに変更する
開発用プロキシ、「CocProxy」が便利
RubyでAmazon Product Advertising APIを再び使ってみる
RubyのHTTPS通信で、OpenSSL::SSL::SSLErrorが出たら?
Rubyのtwitterライブラリで、Twitter Streaming APIが扱えるようになっていた

執筆後にしたこと



 せっかく書いたのだから、誰も読んでくれないと悲しいです。ということで、自分で出来る範囲で宣伝をしてみました。

勉強会で宣伝

 幾つかの勉強会で機会を頂いて、クローラー関係の発表をさせて頂きました。登壇しなかった勉強会でも、懇親会なので今こんな本を書いているんですよと宣伝してました。

62nd Ruby/Rails勉強会@関西に参加してきた
RubyでWebスクレイピングの話をしてきました。第1回Webスクレイピング勉強会@東京
「第2回Webスクレイピング勉強会@東京」に参加&発表してきました

 今後も機会があれば、勉強会で発表していきたいです。日程があえばどこでも行きますので、お気軽にTwitter等でご連絡いただければと思います。

ブログで宣伝

 効率としては、何気に一番よかったです。一方で、色々な勉強会で話していたこともあって、注目してもらえる下地があったのかもしれません。

『Rubyによるクローラー開発技法』を書きました
Rubyによるクローラー開発技法の目次

 ブログ書いて、はてなのホットエントリーに載って、各種SNSでシェアされました。結果、Amazonの順位が一気にあがり、多くの人の目につくようになりました。正直な所、ビギナーズラックでしょうが、今後の参考にしようと思います。
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エゴ・サーチ

 ほぼ毎日、書名でGoogleやTwitterを検索して、反応を探しています。心折れることを覚悟してたのですが、今のところ好意的な反応が多くて嬉しい限りです。しかし、今後の糧に厳しいご意見もお待ちしております。
 ちなみに今や、関係する呟きやブログを見つけると、即TweetするBot状態になっております。「Rubyによるクローラー開発技法」という単語があれば反応しますので、興味がある人は試してみてください。

まとめ



 寝不足で死にそうになった半年でしたが、なかなか得がたい経験を積ませて貰いました。もう少し上手くやる方法は幾らでもありそうなので、その辺り今後も考えていこうと思います。


Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例

Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例

利回りから東京圏と大阪圏の不動産を比較してみた

 ブログの方では言っていなかった知れませんが、今年の7月に東京に転勤になりました。当然の事ながら、家を探して引っ越しました。その時からモヤモヤっと思っていたことがあります。マンションの販売価格に較べて、賃料が安いという点です。つまり投資家目線で考えれば、利回りが低いということです。(一応補足しておくと、賃料自体は凄く高いです。)

 感覚値なのですが、以前住んでいた大阪の堀江3〜4丁目あたり(西長堀駅)は、大体利回りが7〜8%くらいでした。最近は少し上がり気味ですが、築20年位の50㎡の部屋で、賃料が10万円、売値が1500万円前後くらいです。利回りにすると、8%くらいです。当然、これより高いのも安いのもあるものの、およそこのような感じでした。
 一方で、東京や近隣の県で探すと、良いなと思うところは5〜6%くらいなのです。家賃が高くてたまらんと思う反面、これでは部屋の所有者(オーナー)もたまらんと思いました。

実際のデータを集めてみた



 自分の見聞きした範囲だけで判断すると見誤ることも多いので、データを少し集めてみて集計してみました。賃貸の情報サイトと中古マンションの取引情報サイトから関東、関西近辺のデータをスクレイピングしてみました。賃貸物件は数十万件、中古マンションの取引情報は数万件程度あつまりました。

 データの形式としては、次のようになっています

賃貸情報
  • 最寄り駅
  • 駅からの距離
  • 築年数
  • 建物の階数
  • 物件の階数
  • 賃料
  • 諸費用(管理費等)
  • 入居時費用(敷金礼金)
  • レイアウト(1LDK,2LDK等)
  • 広さ(平方メートル)
中古マンションの取引情報
  • 最寄り駅
  • 駅からの距離
  • 築年数
  • レイアウト(1LDK,2LDK等)
  • 広さ(平方メートル)

データを比較すると



 データから計算すると、わりと感覚と一致しました。以前住んでいた西長堀の平方メートルあたりの平均価格が32万円。賃料が2,132円となり利回りが8%となります。これに対して、私が幾つか見たところは、軒並み6%台でした。(と言っても、6%後半が多く思ってたほど悪くなかったです。)

駅名 平均販売価格 平均賃料 平均利回り
千駄木 590000 3052 6.21%
浅草 510000 2728 6.42%
和光市 370000 2098 6.80%
両国 480000 2770 6.93%
西長堀 320000 2132 8.00%

 こうやって並べると、東京圏ばかりが利回りが悪いように思えますが、関西圏でも6%くらいであれば幾らでもあります。たまたま私が住んでいたところは、悪くないところだったというところでしょうか。

データから見えてくること



 こういったデータを眺めていると、普通の生活者目線からは違ったものが見えてきます。今までは、東京は家賃が高くて、既に物件を持っている人はガッポガッポ儲けているのだと思っていました。しかし、この数字を見る限りは、高い物件を低い利回りでまわして、結構リスクをとっているようにみえます。(利回りが低いのは、空き室リスクが低いからという理由もありますが。)

 賃貸として借りるにしろ、マンションを買うにしろ、単純に賃料や販売価格の絶対値で見るのではなく、この辺りを相対化すると色々参考になるのではと思います。まだやっていませんが、築年数や駅からの距離といったデータがあるので、販売価格や賃料の推移を10年単位くらいで追っていくと面白いものが見えてくるのではないでしょうか。

まとめというか抱負



 今回わりと面白いデータが集まったので、ちゃんと統計的に分析してみたいと思います。最近、「手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング」というRを使って統計分析するという面白い本をかったので、これを片手にRの勉強してみたいと思います。
 あと、どうやってデータ集めたら良いのという場合は、「Rubyによるクローラー開発技法」がお勧めです。5章「目的別のクローラーを作成する」の5-19に不動産情報を取得するという1節を書いています、というステマで終わらせていただきます。


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手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング

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個人ブログの存在感は、自分が思っているより大きいのかもしれない。或いは書籍の流通の話

 何度か紹介しましたが、先日「Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例」が発売されました。全国の書店の店頭に、ぼちぼちと並び始めています。
 と言いたいところですが、タイトルから解るとおりかなりニッチというかマニアックな内容の本で、初版3,000部です。と言うことで、それなりの規模の書店ではないと置いていません。感覚的にいうと、コンピュータの棚で2〜3棚以上ある規模でないと置いているところを見たことがないです。私自身の観測範囲では、池袋のジュンク堂とリブロ、有楽町の三省堂書店です。他の目撃情報だと、紀伊國屋や丸善、有隣堂、或いは、秋葉原の専門店のような所に置いてあるようです。複数フロアにわかれている、いわゆる大型店か専門店ですね。
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書店の規模と配本数



 軽く調べてみたところ、全国の書店数は14,000店足らずで、その内で500坪以上の大型店は500店程度の模様です。初版3,000部の場合、大型店のところに平均5冊づつ配本して2,500部。後は、Amazonや楽天のようなオンラインショップで販売と考えると、何となくマッチするような気がします。そう考えると気がつくのが、大型店といえども1店舗あたりの売上は5冊に過ぎないという点です。

Amazonの存在感



 そんな中で存在感を放つのが、Amazonです。発売の1週間前にちらっと聞いた話だと、予約だけで150冊ほどあったそうです。それ以外にどれくらい入荷しているかは推測の域ですが、数十冊くらいは入れているのでしょうね。その店を考えると、Amazonは恐らく大手の紀伊國屋やジュンク堂と同等規模或いはそれ以上の存在感です。
 ネットで転がっていた情報では、ジュンク堂池袋本店で30冊入荷。大阪の方は、知人情報によると10冊程度の入荷だったっぽいです。残りの全国に30店舗程あるようなので、5冊づつとしても150冊。合計で200冊ほどになるのではと思います。

5冊という数字と個人ブログ



 Amazonの話に戻すと、150冊予約の時点で、そのうち私のブログ経由で50冊が予約なのですね。私のブログはアフィリエイトを埋め込んでいるので、どれくらい売れたのか把握できるようにしています。今回は自著ということもあり、過去最大級に売れました。(ちなみに、過去最も売れたのは伊藤直也さんの入門Chef Soloです。)
 個人のブログを書店になぞらえると、この数十冊というレベルは大型店並の数字です。数十冊ではなくても5冊と考えても、実はそれなりの存在感です。昨年1年間の自サイトでの売上を見ると、5冊以上売れているのはそれなりの数があります。昨年販売の本もありますが、かなり昔のニッチな本も多数あります。「Spidering hacks」であったり、「国をつくるという仕事」などです。
 最終的には、これらはAmazonが売っている訳なので、出版社側から見るとAmazonの影響力ということになります。しかし、その実、個人の影響で売れているというのは多数あります。ブログやSNSをはじめとする個人メディアの力は、(Amazonというプラットフォームがあってこそですが)実は個々人が思っているより大きいのかもしれません。
 ここでいう個人メディアというのは、月何十万アクセスもあるセミプロの話ではありません。自分の気に入った本を紹介して、1冊2冊うる普通の個人の話です。そういった小さな力が、ロングテールで考えると無視できなくなっていて、それが即ちAmazonの力になっているのだと思います。

感想



 個人の観測範囲の話で裏付けもしていないですが、今回の出版にともない気がついた点です。何事も自分でやってみると、今まで考えもしなかった事や気がついていなかった事が見えてくるので面白いですね。
 次回、もう少し数値的な裏付けとって考えてみようと思います。そんな際の情報収集に、この本が良いですよとステマで終わらせて頂きます。エンジニア以外にもWebマーケティングをしている人に、好評のようです。
 あと、ポップって置かせて貰えないものですかね?誰か教えてください。

See Also:
『Rubyによるクローラー開発技法』を書きました
Rubyによるクローラー開発技法の目次


参照:
https://www.jpoksmaster.jp/Info/documents/top_transition.pdf
書店数とその坪数推移をグラフ化してみる(2013年)(最新) - ガベージニュース
書店数、確実に減少中…書店の減り具合をグラフ化してみる - ガベージニュース


Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例

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